【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当第3四半期連結累計期間(2022年9月1日~2023年5月31日)におけるわが国経済は、コロナ禍で抑制されていた経済活動の正常化を背景として、内需を中心に緩やかに持ち直しが見られました。先行きについては、労働集約的なサービス業種を中心に人手不足が深刻化しており、省力化投資・人的資本投資、事業のDX化に向けたデジタル投資などによる生産性向上が求められる状況にあります。
当社グループの属する教育サービス業界におきましては、2022年の出生数が統計史上初めて80万人を割り込むなど、少子化が加速する中で、多様な価値観・教育ニーズに対応した個別最適化した学びの提供が求められております。そのような中で、コロナ禍を経てデジタル教材の導入・活用が活発化したことに加えて、受験時期の早期化、大学入試における総合型・学校推薦型選抜の増加などの構造変化も加速しております。
当社グループはこのような環境の中で、前期(2022年8月期)を初年度とする中期3ヶ年計画を策定し、中期経営方針を「ファン・イノベーション“Fan・Fun Innovation”」としました。
当社は“Purpose”“「やればできる」の記憶をつくる”を起点として“蛻変(ぜいへん)”を繰り返しながら、“人の可能性をひらく”企業グループを目指してまいります。また、FanとFunを繋ぐInnovation(=新結合)により、ファンづくりを推進し、持続的な企業価値の向上と成長を実現します。
具体的には下記の基本方針のもとで、事業戦略・人事戦略・資本戦略を推進してまいります。
<基本方針>
① Fanをつくる
・DXの推進と明光ブランドの深化と探索により、新たなファンを創出します。
・社会の変化に対応した新しい価値の提案により、まなびのインフラをひろげます。
② Funをつくる
・“わくわく”を通じて満足と信頼に満ちたファン・エンゲージメントを育みます。
・働きがいのある、ウェル・ビーイングな職場づくりを目指します。
③ Innovation(=新結合)をつくる
・常に新しい“め”でみて意識変化し、判断行動します。
・事業収益のさらなる向上のために、事業構造を変革します。
<中期経営計画における戦略>
① 事業戦略
・既存事業における新教室フォーマットによる新規開校と、顧客エンゲージメント向上への取り組みを強化してまいります。
・新規事業である人材事業への取り組みを強化することで、教育事業に続く収益の柱を創出し、社会環境の変化に強い事業ポートフォリオへの変革を図ります。
・DX戦略として、「全社デジタルマーケティング機能の実現」と「DXデータプラットフォームの構築」に取り組んでまいります。
② 人事戦略
・イノベーション創出のためのダイバーシティ経営の推進と、働き方改革によるウェル・ビーイングの追求に取り組んでまいります。
③ 資本戦略
・事業基盤の強化・成長投資に必要な自己資本の充実と、株主の皆さまに対する安定的かつ持続的な利益還元を通じて中長期的に企業価値を高めてまいります。
中期3ヶ年計画2期目となる当連結会計年度は、中期経営方針である「ファン・イノベーション“Fan・Fun Innovation”」を「加速」させる年度と位置づけました。当第3四半期連結累計期間におきましては、上記の基本方針・事業戦略・人事戦略・資本戦略を加速し、これからも選ばれ続ける明光ブランドであるために、提供する価値の最大化に向けた取り組みを追求してまいりました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は14,924百万円(前年同期比7.5%増)、営業利益352百万円(同45.5%減)、経常利益491百万円(同31.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益350百万円(同53.4%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(明光義塾直営事業・明光義塾フランチャイズ事業)
主力である明光義塾事業(直営事業・フランチャイズ事業)につきましては、地域No.1となるべく大胆な地域戦略を迅速に実行していくために、2022年9月1日より全国を5つの地域(北海道東北・関東甲信・東海北陸・近畿・西日本)に分け、「カンパニー制」による運営へ移行いたしました。カンパニー主導による直営・FCが一体となった運営を通じて、地域情報・事例の共有、ノウハウの蓄積、教育研修、教室オペレーションの改善を推進することで、教室運営・学習指導の質の向上と競合他塾との明確な差別化を図ってまいりました。
加えて、生徒の学力に応じて取り組むべき問題が明確にわかる「明光式特許10段階学習法」を中学生指導において導入するとともに、家庭学習の質と量を確保するための取り組みとして「MEIKO!家スタディ®」をスタートいたしました。
これらの結果、明光義塾直営事業における当第3四半期連結累計期間の売上高は8,852百万円(当社売上高4,562百万円、連結子会社5社売上高計4,289百万円)(前年同期比4.3%増)、セグメント利益(営業利益)は403百万円(当社営業利益295百万円、連結子会社5社営業利益計107百万円)(同33.4%減)となりました。教室数は452教室(当社直営233教室、連結子会社5社計219教室)、在籍生徒数は26,639名(当社直営14,703名、連結子会社5社計11,936名)となりました。
また、明光義塾フランチャイズ事業における当第3四半期連結累計期間の売上高は3,055百万円(前年同期比5.4%減)、セグメント利益(営業利益)は877百万円(同28.8%減)、教室数は1,304教室(連結子会社5社除く。)、在籍生徒数は57,045名(連結子会社5社除く。)となりました。
(日本語学校事業)
連結子会社である株式会社早稲田EDU(早稲田EDU日本語学校)及び国際人材開発株式会社(JCLI日本語学校)による日本語学校事業につきましては、「進学教育(大学院・大学・専門学校)」「美術基礎教育」「EJU(日本留学試験)対策」「就職支援(在留資格:技術・人文知識・国際業務、特定技能)」などの強み・特色を活かした学生募集活動・事業運営を進めてまいりました。
これらの結果、日本語学校事業における当第3四半期連結累計期間の校舎数は2校(早稲田EDU日本語学校1校、JCLI日本語学校1校)、在籍生徒数は1,167名(早稲田EDU日本語学校709名、JCLI日本語学校458名)となり、売上高は816百万円(前年同期比47.9%増)、セグメント利益(営業利益)は18百万円(前年同期セグメント損失(営業損失)は172百万円)となりました。
(その他)
キッズ事業(アフタースクール)につきましては、さらにファンを増やせるサービスへと進化すべく、直営スクール「明光キッズ」のほか、私立小学校等からの運営受託、行政との連携、フランチャイズ等、様々な運営形態を取りながら、お客様から信頼され満足度の高いスクール運営と質の高いサービス提供に取り組んでまいりました。
これらの結果、キッズ事業(アフタースクール)における当第3四半期連結累計期間のスクール数は27スクール(直営7スクール、フランチャイズ及び運営受託等20施設)となりました。
自立学習RED事業につきましては、AIタブレットを活用した個別最適化された学習カリキュラムにより、「自分から勉強する力」を育む自立学習塾として、株式会社スプリックスと緊密に連携を取りながら、地域ごとの戦略に基づき、ファンづくりを推進してまいりました。
これらの結果、自立学習RED事業における当第3四半期連結累計期間の教室数は81教室(当社直営20教室、フランチャイズ61教室)となりました。
明光キッズe事業につきましては、オールイングリッシュの学童保育・プリスクールとして、学童保育の需要拡大と幼児英語教育への関心の高まりといった多様なお客様ニーズに対応した取り組みを推進してまいりました。また、バイリンガル講師による新たなオールイングリッシュのアフタースクールを開校しました。
これらの結果、明光キッズe事業における当第3四半期連結累計期間のスクール数は10スクール(当社直営3スクール、フランチャイズ7スクール)となりました。
HRソリューション事業につきましては、外国人雇用に関する採用支援や教育・研修サービスを提供する「MEIKO GLOBAL」に加えて、外務省より受託したEPAに基づくベトナム人看護師・介護福祉士候補者に対する訪日前日本語研修事業や、日本人人材紹介・人材派遣サービスの展開など、事業拡大に向けた成長基盤の構築と新規事業創出に向けた取り組みを進めてまいりました。
連結子会社である株式会社古藤事務所による学校支援事業(入試問題ソリューション)につきましては、業務の確実な遂行により受注動向は安定しており、堅調な業況推移となりました。
連結子会社であるSimple株式会社による保育士・栄養士の転職支援サービスにつきましては、お客様満足度の高いサービス提供を行いながら、成長基盤構築に向けたキャリアアドバイザーの体制強化と、生産性向上に向けた取り組みを推進してまいりました。そのような中で、事業特性上、同社が認可保育園等に紹介する保育士の入職が集中する新年度4月の売上高計上につきましては、概ね計画通りとなりました。
その他の事業の当第3四半期連結累計期間の業績合計は、上記以外の事業も含めて売上高は2,199百万円(前年同期比36.2%増)、セグメント利益(営業利益)は13百万円(前年同期セグメント損失(営業損失)は132百万円)となりました。
<ご参考> 明光義塾教室数、明光義塾在籍生徒数及び明光義塾教室末端売上高等の推移
回次
2022年8月期第3四半期
2023年8月期第3四半期
会計期間
自 2021年9月1日
至 2022年5月31日
自 2022年9月1日
至 2023年5月31日
経営成績他
前年同期
増減比較
経営成績他
前年同期
増減比較
明光義塾(当社直営)教室数
217
11
233
16
明光義塾(MAXISエデュケーション)
教室数
95
2
97
2
明光義塾(ケイライン)教室数
41
-
41
-
明光義塾(TOMONI)教室数
42
-
42
-
明光義塾(One link)教室数
21
1
21
-
明光義塾(クース・コーポレーション)教室数
15
15
18
3
明光義塾直営教室数計
431
29
452
21
明光義塾フランチャイズ教室数
1,336
△34
1,304
△32
明光義塾教室数合計
1,767
△5
1,756
△11
明光義塾(当社直営)教室在籍生徒数
(名)
13,765
656
14,703
938
明光義塾(MAXISエデュケーション)
教室在籍生徒数
(名)
5,797
△263
5,778
△19
明光義塾(ケイライン)教室在籍生徒数
(名)
2,591
30
2,585
△6
明光義塾(TOMONI)教室在籍生徒数
(名)
1,955
55
1,831
△124
明光義塾(One link)教室在籍生徒数
(名)
811
52
776
△35
明光義塾(クース・コーポレーション)教室在籍生徒数
(名)
955
955
966
11
明光義塾直営在籍生徒数計
(名)
25,874
1,485
26,639
765
明光義塾フランチャイズ教室在籍生徒数
(名)
60,655
△4,089
57,045
△3,610
明光義塾在籍生徒数合計
(名)
86,529
△2,604
83,684
△2,845
明光義塾直営事業売上高
(百万円)
8,486
445
8,852
366
明光義塾フランチャイズ事業売上高
(百万円)※1
3,230
67
3,055
△174
日本語学校事業売上高
(百万円)
552
△113
816
264
その他の事業売上高
(百万円)
1,615
△20
2,199
584
売上高合計
(百万円)
13,884
378
14,924
1,040
明光義塾直営教室売上高
(百万円)
8,486
445
8,852
366
明光義塾フランチャイズ教室末端売上高
(百万円)
17,373
△1,135
16,378
△995
明光義塾教室末端売上高合計
(百万円)※2
25,860
△690
25,231
△628
※1 明光義塾フランチャイズ事業売上高は、ロイヤルティ収入及び商品売上高等を記載しております。
2 明光義塾教室末端売上高合計は、直営教室の授業料、教材費、テスト料等の全売上高と、フランチャイズ教室の授業料等の売上高を合計したものであり、フランチャイズ教室の教材費、テスト料等の売上高は含んでおりません。
② 財政状態
(流動資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産の残高は、前連結会計年度末と比較して1,112百万円減少(10.7%減)し9,293百万円となりました。これは主に、現金及び預金が1,165百万円減少したことによります。
(固定資産)
当第3四半期連結会計期間末における固定資産の残高は、前連結会計年度末と比較して344百万円増加(6.8%増)し5,378百万円となりました。これは主に、投資有価証券が277百万円増加したことによります。
(流動負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債の残高は、前連結会計年度末と比較して742百万円減少(18.5%減)し3,277百万円となりました。これは主に、未払法人税等及び未払費用がそれぞれ483百万円及び341百万円減少したことによります。
(固定負債)
当第3四半期連結会計期間末における固定負債の残高は、前連結会計年度末と比較して36百万円減少(4.5%減)し777百万円となりました。これは主に、株式給付引当金が62百万円減少した一方、退職給付に係る負債が13百万円増加したことによります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比較して11百万円増加(0.1%増)し10,617百万円となりました。これは主に、利益剰余金が233百万円減少した一方、その他有価証券評価差額金が174百万円増加したことによります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)従業員数
当第3四半期連結累計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(7)生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい増減はありません。
(8)主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい増減はありません。
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