【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期累計期間(2022年9月1日から2023年5月31日まで)におけるわが国経済は、緩やかに景気が回復しております。企業収益は、総じてみれば緩やかに改善しており、雇用情勢はこのところ改善の動きがみられ、個人消費は持ち直しております。
当家電小売業界における売上は、ゲーム等が好調に推移いたしましたが、テレビ、エアコンや調理家電等が低調であったため、総じて低調に推移いたしました。
このような状況の中、当社は、「家電を通じて 笑顔あふれる 明るく暖かいみらいをつくる くらし応援企業であること」のパーパスのもと、「お客様のくらしを『より快適に』『より便利に』『より楽しく』します。くらし応援コジマ」をビジョンに掲げ、「生産性の向上」及び「持続的な成長」の2大戦略を推進するとともに、短期的な視点での「収益性」、中期的な視点での「成長性」、超長期的な視点での「社会性」の3つの観点に基づいて事業に取り組み、企業価値の向上に努めております。
「収益性」としましては、引き続き店舗における「集客力の強化」に努め、地域に密着したイベントを開催するなど、家電製品の購入以外でもお客様にご来店いただける機会の創出に取り組んでおります。さらに、各種社内研修や接客ロールプレイングの拡充を行うことで販売員の「接客力・専門性の強化」を図り、高付加価値商品の販売強化に努めております。あわせて、電子棚札導入等による店舗の「業務効率の改善」を図り、接客時間の創出にも取り組んでおります。商品の機能説明だけでなく、生活シーンにおける付加価値をご提案できる接客を強化することで、他社との差別化を図り、収益の増加と生産性の向上に努めております。2023年4月には、当社の公式スマートフォンアプリをリニューアルしました。アプリ限定のお得なクーポンや最新情報の配信だけでなく、更に楽しく便利な機能も追加し、お客様がよりお買い物しやすいアプリに生まれ変わりました。また、かねてより発行しておりましたクレジットカード(コジマポイントカード・電子マネーWAON一体型)「コジマ×ビックカメラカード」の累計発行枚数が、4月に100万枚を達成しました。その達成を記念したキャンペーンを実施し、お客様にお得にお買い物いただける機会を創出しております。
「成長性」としましては、「住設事業」の強化に取り組み、需要が高まっている外壁屋根の塗装や修繕リフォームの販売推進のほか、住設部門の専任担当者を増員し、太陽光発電や蓄電池等の再生エネルギーを活用した商品のご提案に努めております。また、「コジマ×ビックカメラ 新座店」を始め10店舗において、住設部門の売場を強化したリニューアルを実施いたしました。太陽光発電や蓄電池、エコキュートなどによりエネルギー使用量を最適にコントロールする「スマートハウス」のご提案を強化した売場を導入し、今後更に店舗数を拡大してまいります。さらに、2023年4月には、コールセンター「コジマスマートハウス推進センター」を開設し、電話による商品のご提案など、お客様へのアプローチ強化を図ることで、売上拡大に注力してまいります。
「社会性」としましては、「従業員エンゲージメント」の向上に努め、健康経営の推進や活躍できる人財の育成等に取り組んでおります。健康に関する課題の改善を目指す健康経営の推進に取り組み、従業員が心身の健康づくりを主体的に取り組める環境を提供しております。また、若手管理職の積極登用やライフステージに合わせた活躍の場の拡大、女性従業員の活躍機会を増やすなど、組織活性化を図り、引き続き従業員がいきいきと働ける職場環境を整え、エンゲージメントの向上を目指してまいります。
当社は、企業活動を通じて社会課題を解決し、企業価値を高め成長することを目的とした「サステナビリティ経営」を推進しております。特定した6つの優先課題(マテリアリティ)に対し、当社がこれまで行ってきた地域と連携した活動や環境に優しい家電の普及促進、3Rの推進、働きやすい環境や制度の整備などを中心にアクションプラン等を策定し、従業員一人ひとりが自主性・主体性を持って取り組んでいくことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。2023年2月28日には、当社の経営ビジョンや企業活動、今後の事業展開等について、ステークホルダーの皆様により理解を深めていただくため、当社初となる統合報告書を発行いたしました。また、5月29日には、当社の事業活動に関わる全ての人の人権を尊重すべく、その基本的な考えを明確に示すため、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき「コジマ人権方針」を定めました。
当第3四半期累計期間(9月~5月)における売上高につきましては、前年の巣ごもり需要やグリーン住宅ポイント制度に伴う需要の反動減等による影響で、テレビや冷蔵庫、調理家電、エアコン等の季節家電が低調に推移したことから、前年同期を下回る結果となりました。営業利益につきましては、粗利率が比較的低い商品の売上構成比が上昇したことなどにより、売上総利益が減少したことに加えて、従業員の待遇改善や物価上昇に伴う一時金支給など、積極的な投資を行ったことにより人件費が増加、燃料費調整単価の上昇により水道光熱費が増加したことから、前年同期を大きく下回りました。また、当第3四半期会計期間(3月~5月)におきましては、売上高減少の影響により営業利益は前年同期、計画を下回ったものの、ECにおける収益力向上施策などを図ったことにより、全体の売上総利益率は前年同期、計画ともに上回りました。さらに、店舗・本部における節電対策強化により水道光熱費の削減が進むなど、利益改善への取り組みの効果が表れてきております。
店舗展開におきましては、2022年3月の福島県沖地震の影響により休業しておりました「コジマ×ビックカメラ 福島店」を10月28日にフルリニューアルオープンいたしました。当第3四半期累計期間における出退店につきましては、2023年4月に「コジマ×ビックカメラ 川越インター店」(埼玉県川越市)を閉店し、2023年5月末現在の店舗数は140店舗となりました。なお、7月14日には、「コジマ×ビックカメラ 有明ガーデン店」(東京都江東区)を開店する予定です。
以上の結果、当第3四半期累計期間の売上高は 2,014億52百万円(前年同期比 3.7%減)、営業利益は 32億47百万円(前年同期比 50.1%減)、経常利益は 34億64百万円(前年同期比 49.2%減)、四半期純利益は 21億68百万円(前年同期比 51.4%減)となりました。
①財政状態の分析
(資産の部)
当第3四半期会計期間末の総資産は、前事業年度末に比べ 84億75百万円減少(前事業年度末比 7.2%減)し、1,086億79百万円となりました。主な要因は、商品の増加 53億77百万円があったものの、現金及び預金の減少 112億36百万円、売掛金の減少 19億36百万円、繰延税金資産の減少9億11百万円によるものであります。
(負債の部)
当第3四半期会計期間末の負債合計は、前事業年度末に比べ 96億19百万円減少(前事業年度末比 17.4%減)し、455億93百万円となりました。主な要因は、買掛金の減少 30億85百万円、未払金の減少9億70百万円、長期借入金の減少 28億37百万円、預り金を含むその他流動負債の減少 19億13百万円によるものであります。
(純資産の部)
当第3四半期会計期間末の純資産合計は、前事業年度末に比べ 11億43百万円増加(前事業年度末比 1.8%増)し、630億85百万円となりました。主な要因は、剰余金の配当(純資産の減少)10億79百万円があったものの、四半期純利益(純資産の増加)21億68百万円によるものであります。
②経営成績の分析
(売上高、売上原価、販売費及び一般管理費)
当社の品目別売上高の状況につきましては、スマートフォン、ゲームが好調に推移いたしましたが、テレビ、調理家電が低調に推移した結果、当第3四半期累計期間における売上高は 2,014億52百万円(前年同期比 3.7%減)となりました。
一方、売上原価は 1,483億98百万円(前年同期比 3.1%減)となりました。
また、販売費及び一般管理費は 498億7百万円(前年同期比 0.3%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用)
営業外収益は2億94百万円(前年同期比 32.2%減)となりました。これは主として受取手数料を 36百万円(前年同期比 20.1%減)、店舗閉鎖損失引当金戻入額 49百万円(前年同期は計上しておりません)、受取保険金を1億33百万円(前年同期比 6.0%減)、助成金収入を 25百万円(前年同期比 84.6%減)それぞれ計上したことによるものであります。
一方、営業外費用は 76百万円(前年同期比 38.6%減)となりました。これは主として支払利息を 35百万円(前年同期比 23.3%減)、支払手数料を 13百万円(前年同期比 0.7%減)、契約違約金を9百万円(前年同期比 76.8%減)それぞれ計上したことによるものであります。
(特別利益、特別損失)
特別利益は 65百万円(前年同期比 71.2%減)となりました。これは主として受取保険金を 64百万円計上したことによるものであります。
一方、特別損失は 43百万円(前年同期比 93.3%減)となりました。これは固定資産除却損を 43百万円計上したことによるものであります。
(2)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。