【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況① 業績の状況当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあり、景気は緩やかな回復が続くことが期待されています。ただし、金融市場の動きが不透明な中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクにもなっています。更に、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響を十分注視する必要があります。当社を取り巻くBSデジタル放送業界は、デジタル放送受信機の普及に伴い、視聴可能世帯数の増加が大いに期待されております。なお、テレビメディア広告費は、1兆8,019億円(前年比98.0%)となり、そのうち当社を含む衛星放送メディア関連の広告費は、1,251億円(前年比103.5%)となっております。(「2022年 日本の広告費」㈱電通調べ)このような状況下、当社は「質の高い情報を提供することで 人々に感動を与え 幸せな社会づくりに貢献します」を経営理念として中長期的な成長を実現するため、コンテンツの価値最大化を目指しております。放送事業収入だけではなく、配信ビジネスやイベントの実施といった非放送分野の事業開発にも取り組みながら、4月改編に伴うコンテンツの充実をはじめ、効果的な広告宣伝、広報施策を実施いたしました。
[レギュラー番組]4月改編では、『速報ニュース インサイドOUT』の開始時間を統一し、より視聴しやすい編成としました。また、『報道ライブ インサイドOUT』では話題になっている物事の立役者に焦点を当て、ドキュメンタリータッチで展開するミニコーナー「金曜日の志事人」の放送を5月より金曜日不定期で開始しております。エンタメ・音楽ジャンルでは、『八代亜紀 いい歌いい話』が放送5年目に突入いたしました。『大人のバイク時間 MOTORISE』では第50回東京モーターサイクルショーに本年も出展し、ライブトークとファッションショーの実施・配信、オリジナルグッズの販売をいたしました。また、4月からはスタジオデザインを一新して放送しております。紀行・教養ジャンルでは、多くの視聴者よりご要望をいただき、『太田和彦のふらり旅 新居酒屋百選』の毎週放送が復活いたしました。『ディスカバリー傑作選』では、『名車再生!』、『魅惑のアクアリウム』等、様々なジャンルのコンテンツを厳選し、放送しております。ドラマコンテンツでは、日本初放送のアジアドラマ『白色月光~愛した人の隠顔(かくれがお)~』、中国時代劇『高潔なあなた』、BS初放送で放送直後より多くの反響をいただいた『橋田壽賀子脚本ドラマ「心」』、ヨーロッパミステリー『バルタザール法医学者捜査ファイル シーズン3』等、人気コンテンツを多数放送いたしました。また、4月改編で新たに、火曜と木曜の18時から「ドラマアンソロジー」枠を新設し連続視聴可能な編成にする等、コンテンツの充実と、より視聴しやすい編成に努めました。
[特別番組]BS11開局15周年特別番組として、『アートミステリー 国立西洋美術館誕生秘話~モネを救え!~』、数々の宇宙産業を紹介した『宇宙のはなしをしよう!』を3月に放送いたしました。
スポーツジャンルでは、日本ボクシング界再興に向けたドキュメンタリー番組『亀の恩返し~亀田興毅 ボクシング3150(サイコウ)への挑戦~』、女子ソフトボールリーグの開幕節『JDリーグ2023 第1節 ビックカメラ高崎VS日立』の試合及び不定期放送の情報番組『Wow!JDリーグ』を放送いたしました。また、男子プロバスケットボールリーグの年間チャンピオンシップ戦を特集した『Be a booster!B.LEAGUE CHAMPIONSHIP2022-23』を放送し、多くの反響をいただきました。更に、過去最多全国16の放送局とのコラボレーションを実現した『桜前線2023 全国キャスターリレー!~一度は訪れたい桜スポット~』、㈱京都放送との共同制作番組『京都夜桜生中継2023~歴史薫る春の旅~』を放送し、ローカル局とのコラボレーション施策も実施いたしました。その他、『SKE48プリマステラのキラキラ大放送』はTwitterでトレンド入りし、話題となりました。
[アニメ関連事業]「ANIME+」枠、「アニメプラス」枠の「BS11ガンダムアワー」、「キッズアニメ∞(むげんだい)」枠(3月で放送終了)では、『テレビアニメ「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編』『山田くんとLv999の恋をする』ほか、製作委員会参画作品を含むアニメ関連番組を、毎クール約40タイトル放送しております。4月に放送300回を迎えたアニメソング番組『Anison Days』は、BS11開局15周年特別イベントとして「Anison Days Festival 2023」を3月に開催し、この模様を5月に4週にわたって番組内でも放送いたしました。また、今年も世界最大級のアニメイベント「AnimeJapan2023」へのブース出展や、とちぎテレビ主催の「とちてれ☆アニメフェスタ」に協賛し、それぞれ声優を招いてトークイベントを実施いたしました。このほか、エンターテインメント情報番組『アニゲー☆イレブン!』、グループ会社の㈱理論社、㈱国土社の児童書を映像化した読み聞かせ番組『今日のえほん』も、引き続き充実した内容で放送しております。
[配信コンテンツ]当期の重点施策である「コンテンツ力の強化」、「コンテンツの有効活用による価値最大化」、「『非放送分野』の拡大」を目的とし、当社独自の動画配信サイト「BS11+(プラス)」のサービスメニューのリニューアルと、オリジナルコンテンツの拡充、配信プラットフォームの拡大を行いました。BS11+では、より多くの方々にBS11のコンテンツをご視聴いただけるよう、ジャンルごとにあった見放題プランを全番組見放題プランに統一し価格を見直しました。オリジナルコンテンツとして、即興テイストのクッキングドラマ『ボクの即興ごはん~竹財輝之助のひとりキッチン~ シーズン1』を配信し、大変ご好評いただいております。ドラマコンテンツでは、放送に加え、BS11+にてノーカット版を配信しており、中国時代劇『如意芳霏(にょいほうひ)~夢紡ぐ恋の道~』をはじめ多くの方にご視聴いただいております。レギュラー番組関連コンテンツでは、『偉人・素顔の履歴書』のアーカイブ配信とともに、後継番組『偉人・敗北からの教訓』の番組収録後のアフタートーク『偉人・敗北からの教訓・こぼれ噺』も配信いたしました。また、4月より『昌和・Mamiの名曲アワー=WE LOVE POPS=』を新たに毎週配信しております。更に、5月より、昭和の貴重な映像をお届けする『昭和あの日のニュース』のYouTubeチャンネルを新設し、BS11+ではノーカット版の配信を開始いたしました。BS11公式YouTubeチャンネルでは、社内企画募集で選出された『アドベンチャーワールドのパンダたち』、YouTubeで話題のピアニスト「みやけん」とコラボした『リコリス・リコイル×黒板アート×ピアノ』を配信いたしました。コラボレーション施策として、㈱文化放送のインターネットラジオ「超!A&G+」との共同制作番組『ワールドダイスターRADIO☆わらじ』を配信し、BS11公式YouTubeチャンネル限定のおまけトークも引き続き配信いたしました。また、グループ会社である㈱国土社の児童書を映像化した『歌で聴く絵本「ようかいむら」シリーズ』は、YouTube内の新機能であるYouTubeポッドキャストへも登録を実施し、子供向けコンテンツとして多くの反響をいただきました。配信プラットフォームの拡大としては、5月24日より「TVer」での見逃し配信をスタートし、『おやじ京都呑み』、『中山秀征の楽しく1万歩!小京都日和』等の人気レギュラー番組を配信いたしました。U-NEXT(Paravi)、FOD、FANYチャンネル、ビデオマーケット等、外部プラットフォームでの課金配信も引き続き展開いたしました。
[その他事業・マルチ展開施策等]当期の重点施策である「『非放送分野』の拡大」、「セールスメニューの開発強化」を目的とし、様々な取り組みを行っております。リアルイベント・生配信・アーカイブ配信・特別番組放送とマルチに展開し、前回大好評をいただいた企画の第2弾『貴公子たちの音楽会 Vol.2~春(スプリング)~』を実施いたしました。前回に引き続き当日の会場観覧チケットは完売し、配信でも多くのファンの方にご視聴いただきました。セールス面においては、新たに「BS11営業サイト」を開設し、広告主・広告会社向けにレギュラー番組、特別番組、アニメスポット企画等の情報をより早く、幅広くお届けする体制を整えました。今後も放送に加え、配信、その他事業を通して幅広いニーズに応えることができるよう、努めてまいります。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は 9,113,706千円(前年同期比 0.4%増加)となりました。営業利益は 1,616,248千円(前年同期比 16.2%減少)、経常利益は 1,615,381千円(前年同期比 16.3%減少)、親会社株主に帰属する四半期純利益は 1,100,375千円(前年同期比 15.5%減少)となりました。
② 財政状態の状況当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ 217,193千円増加し、24,458,378千円(前連結会計年度末比 0.9%増加)となりました。主な要因は、現金及び預金が 898,369千円、受取手形及び売掛金が 137,240千円とそれぞれ減少したものの、棚卸資産が 107,415千円、有形固定資産その他(純額)が 1,105,973千円とそれぞれ増加したこと等によるものであります。当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ 534,043千円減少し、2,137,885千円(前連結会計年度末比 20.0%減少)となりました。主な要因は、未払法人税等が 251,232千円、流動負債のその他に含めて表示している未払金が 158,092千円、未払費用が 111,415千円とそれぞれ減少したこと等によるものであります。当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ 751,237千円増加し、22,320,492千円(前連結会計年度末比 3.5%増加)となりました。主な要因は、利益剰余金が、前連結会計年度の期末配当 356,077千円により減少したものの、親会社株主に帰属する四半期純利益 1,100,375千円の計上に伴い 744,297千円増加したこと等によるものであります。
(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動該当事項はありません。
(5) 主要な設備当第3四半期連結累計期間において、前連結会計年度末に計画中であった主要な設備の新設のうち、完了したものは次のとおりであります。
会社名
事業所名(所在地)
設備の内容
完了年月
提出会社
本社(東京都千代田区)
番組制作設備更新及び設備更新に伴う建屋改修
2023年3月
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