【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況① 業績の状況当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあって、景気は緩やかに持ち直しています。ただし、世界的な金融引締め等による景気の下振れリスク、物価上昇、供給面での制約等、引き続き金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。当社を取り巻くBSデジタル放送業界は、デジタル放送受信機の普及に伴い、視聴可能世帯数の割合は全世帯の77.1%(「BS世帯普及率調査」㈱ビデオリサーチ調べ)で推移しております。衛星放送メディア関連の広告費は、1,209億円(前年比103.1%)となり、そのうち70%強は当社を含む無料BSデジタル放送事業が占めております。(「2021年 日本の広告費」㈱電通調べ)このような状況下、当社は「質の高い情報を提供することで 人々に感動を与え 幸せな社会づくりに貢献します」を経営理念として中長期的な成長を実現するため、コンテンツの価値最大化を目指しております。放送事業収入だけではなく番組に関連した配信ビジネスやイベントの実施といった新規事業開発に取り組みながら、効果的な広告宣伝、広報施策を実施いたしました。
[レギュラー番組]10月の番組改編では、「好きが深まる。好きが広がる。」をテーマに、タレントの中山秀征さんが全国の「小京都」とよばれる街並みを歩き、楽しく1万歩を目指す、2022年6月放送の特別番組『中山秀征の楽しく1万歩!小京都日和』をレギュラー番組として放送を開始いたしました。また、2つのレギュラー番組のリニューアルも実施。『八代亜紀いい歌いい話』では、歌手の福田こうへいさんを新たにサブMCに、歌唱パート、トークパートの一層の充実に努めました。㈱京都放送との共同制作番組『京都浪漫 悠久の物語』では、番組の語りに島本須美さんをお迎えし、豊かで癒される教養・娯楽番組として内容の強化に努めました。また、MCのなすなかにしさんと、スピラ・スピカの幹葉さんが毎週ゲストを迎えて楽しくゲームをするバラエティ番組『なすなかにしのゲームキングダム』を9月より放送開始。不定期放送番組として、京都を舞台に俳優の角野卓造さん、近藤芳正さんが呑み歩く、新感覚グルメエンターテインメント番組『おやじ京都呑み』の放送も開始いたしました。そのほかの番組も引き続き内容をより一層充実させて放送いたしました。『ディスカバリー傑作選』では、『エクストリーム住宅』、『名車再生!』等、様々なジャンルのコンテンツを厳選し放送。ドラマジャンルの拡充にも努め、日本初放送の中国時代劇『霓裳(げいしょう)~七色に輝く虹の如く~』やBS初放送の韓国ドラマ『僕を溶かしてくれ』、BS初放送で当社初の国内BLドラマ『Life 線上の僕ら』等を放送いたしました。
[特別番組]スポーツジャンルでは新たな試みを実施しながら、コンテンツのより一層の充実に努めました。『WBSC U-18 ベースボールワールドカップ』の日本戦を4夜連続放送したほか、『ブンデスリーガジャパンツアー2022 ガンバ大阪vsフランクフルト』の親善試合をテレビ放送と、当社オリジナル動画配信サイト「BS11+(プラス)」での有料の生配信でお届けいたしました。また、競馬発祥の地イギリスで、競馬がどのように生まれ、どんな進歩を遂げて日本へ伝えられたのか丁寧に紐解いていく『ニッポン競馬謎学紀行~ユニオンジャックからの蹄跡~』や、学生柔道界日本一を決める個人戦『2022年度 全日本学生柔道体重別選手権大会』、日本女子ソフトボール「JDリーグ2022 ダイヤモンドシリーズ」の準決勝、決勝の模様をお届けいたしました。更に、今年で4回目の開催となり、過去最多のエントリー数となった『BS11CUP全日本eスポーツ学生選手権大会』の決勝大会を、テレビでの生放送と併せて、BS11+でも生配信でお届けいたしました。このほか、全国各地にある絶景の裏側に密着した『絶景の仕掛け人』、毎年恒例の㈱京都放送との共同制作番組『京都紅葉生中継2022 ~“キリトリ”限りある空間を愉しむ~』をお届けいたしました。
[アニメ関連事業]「ANIME+」枠では、製作委員会参画作品を含むアニメ関連番組を、毎クール約40タイトル放送しております。「アニメプラス(10月より「ガンダムアワー」)」枠では『ガンダムシリーズ』、「キッズアニメ∞(むげんだい)」枠では『ラウド・ハウス シーズン1』等を放送。また当社人気アニメ作品の映画『劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』の公開にあわせて『「劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編」公開記念! ~ここに注目!「劇場版 転スラ」の魅力完全公開スペシャル~』を制作し、放送いたしました。このほか、エンターテインメント情報番組『アニゲー☆イレブン!』、アニメソング番組『Anison Days』等、アニメファンの多様なニーズにお応えできるよう、様々な切り口でアニメ関連番組を放送いたしました。また10月には、2.5次元俳優の植田圭輔さんと鳥越裕貴さんによる大人気トークライブイベント「植田鳥越 口は○○のもと」を主催し、女性を中心に多くの方にご好評をいただきました。このほか、読み聞かせ番組『今日のえほん』は、グループ会社の㈱理論社、㈱国土社の児童書を映像化し放送しており、BS11+、公式YouTubeチャンネルでの配信も行っております。
[配信コンテンツ]当期の重点施策である「非放送分野」の拡大を目的の一つとし、自社制作番組と、その関連コンテンツの配信強化、配信オリジナルコンテンツの制作強化、オンラインイベントの開催等を行いました。10月には、2022年7月放送の特別番組『万葉びとと令和の物語~中西進とめぐる奈良・世界遺産の旅~』の関連イベントとして、奈良テレビ放送㈱と共催でオンライン講演会「万葉びとのこころと令和への思い」を開催したほか、「報道ライブ インサイドOUT Presents ジャーナリスト養成オンライン講座」の第5回、最終回となる第6回を開催いたしました。また、今を時めく「ウマ娘」の声優による、GI「天皇賞(秋)」に向けた特別配信コンテンツ『UMAJO会』の第3回の生配信も実施いたしました。BS11公式YouTubeチャンネルでは、『大人のバイク時間 MOTORISE』、『京都画報』をはじめ、『報道ライブ インサイドOUT 鈴木哲夫の永田町ショータイム』のレギュラーコーナー『時事芸人プチ鹿島の直撃!永田町』や、『偉人・素顔の履歴書』及びアフタートーク『偉人・こぼれ噺』等の自社制作番組とその関連コンテンツを配信。このほか、㈱国土社の児童書を映像化した『歌で聴く絵本「ようかいむら」シリーズ』や『アリのひみつ大図鑑』、㈱文化放送のインターネットラジオ「超!A&G+」とのコラボ企画『転生したらスライムだった件 ~転スラジオ~』等、オリジナルコンテンツを多数配信し、コンテンツを拡充しております。また、BS11公式YouTubeチャンネル等での広告付き見逃し配信に加え、1つの番組を複数のプラットフォームで視聴できるようBS11+、Paravi、FOD、U-NEXTにて定額見放題での配信も実施しております。
[その他事業・マルチ展開施策等]当期の重点施策である「コンテンツの有効活用による価値最大化」を目的とし、様々な事業、コンテンツのマルチ展開を行っております。「超!A&G+」とのコラボ企画『ラジオでもはたらく魔王さま!!』では、7月に開設したBS11SHOPでオリジナルグッズの販売を開始いたしました。イベント事業では、SKE48プリマステラによる東京出張公演を実施。イベント当日は、10代~60代までの幅広い年齢層のファンの方々にお越しいただき大盛況となりました。新たな試みとして、若手ピアニストと人気ヴォーカル・グループを迎えたコンサート『貴公子たちの音楽会』のリアルイベントと生配信を実施。BS11+ではアーカイブ配信もお届けし、多くの方にご来場、ご視聴いただいております。更に、コンサートの模様にインタビューVTRを交えたテレビ特別編集版も放送するなど、コンサート、配信、テレビ放送が融合した新たなエンターテインメントとしてお届けいたしました。今後も放送に加え、配信、その他事業を通してより多くの視聴者ニーズに応えることができるよう、努めてまいります。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は 3,039,850千円(前年同期比 0.0%減少)となりました。営業利益は 617,947千円(前年同期比 12.4%減少)、経常利益は 617,284千円(前年同期比 12.4%減少)、親会社株主に帰属する四半期純利益は 418,733千円(前年同期比 10.2%減少)となりました。
② 財政状態の状況当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ 89,717千円減少し、24,151,467千円(前連結会計年度末比 0.4%減少)となりました。主な要因は、棚卸資産が 23,454千円増加したものの、売掛金及び受取手形が 71,930千円、流動資産のその他に含めて表示している前払費用が 26,692千円減少したこと等によるものであります。当第1四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ 152,378千円減少し、2,519,551千円(前連結会計年度末比 5.7%減少)となりました。主な要因は未払法人税等が 153,244千円減少したこと等によるものであります。当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ 62,660千円増加し、21,631,916千円(前連結会計年度末比 0.3%増加)となりました。主な要因は、利益剰余金が、前連結会計年度の期末配当 356,077千円により減少したものの、親会社株主に帰属する四半期純利益 418,733千円の計上に伴い 62,655千円増加したこと等によるものであります。
(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動該当事項はありません。
(5) 主要な設備当第1四半期連結累計期間において、主要な設備に著しい変動はありません。
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