【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)が判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況
当期における経済環境は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進みつつある中、緩やかな持ち直しが続いている一方で、世界的なエネルギー・食料価格の高騰や欧米各国の金融引締めを背景とした急激な為替変動など、厳しい経営環境で推移しました。
このような中、当社グループは中期経営5ヵ年計画の初年度として、業績のさらなる伸長に努めてまいりました。
当期の主な取り組みは以下のとおりです。
物流事業においては、4月に「さいたまPDセンター」(さいたま市岩槻区)、「仙台北PDセンター」(宮城県利府町)、5月に「葛西第2PDセンター」(東京都江戸川区)、7月に「アクロストランスポート札幌センター」(北海道北広島市)、8月に「綾瀬ロジスティクスセンター」(神奈川県綾瀬市)、12月に「北神戸PDセンター」(神戸市西区)、「京葉PDセンター」(千葉県市原市)を稼働させました。
また、2月に重量物や大型貨物などの海上・陸上一貫輸送体制を持つ「株式会社オーナミ」をグループに迎えました。
商事・貿易事業においては、8月にアパレル商品在庫の廃棄ゼロを支援するため、商品の再生加工、再販売、リサイクル等の機能を備えた「株式会社ゼロブランズ」を設立しました。
ライフサポート事業においては、7月にフィットネス事業を展開する「株式会社COSPAウエルネス」を、1月に電気、水まわり、鍵等の緊急対応が必要なトラブルに対し、駆け付けサービスを全国展開する「株式会社ARS」をそれぞれグループに迎えました。
ビジネスサポート事業においては、4月に外国人派遣に特化した「Kyoudou Project株式会社」を、2月に交通・重機誘導や、大学等での常駐警備、鉄道警備などを行う「日制警備保障株式会社」をグループに迎えました。
また、12月に東京証券取引所に上場していた食品包装容器メーカーの「中央化学株式会社」を株式公開買付けによりグループに迎えました。
環境負荷低減の取り組みについては、日本物流団体連合会から6月にセンコー株式会社、株式会社ランテック、埼玉南センコーロジ株式会社が「第23回物流環境大賞」の特別賞を、12月にセンコー株式会社、株式会社ランテックが「令和4年度モーダルシフト取り組み優良事業者賞」を受賞しました。また、国土交通省から12月に株式会社ランテックが「令和4年交通関係環境保全優良事業者等大臣表彰」を、センコー株式会社が「令和4年度物流パートナーシップ優良事業者表彰」の部門賞(物流構造改革表彰)を受賞しました。
今後も当社グループは、人々の生活を支援する企業グループとして、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
当期の連結業績は以下のとおりです。
(百万円)
前期
当期
増減額
増減率
営業収益
623,139
696,288
73,148
11.7%
営業利益
24,771
25,535
764
3.1%
経常利益
26,103
26,151
47
0.2%
親会社株主に帰属する
当期純利益
15,233
15,341
107
0.7%
電気料金ならびに燃料価格、仕入価格の上昇や、コロナ特需の剥落などがありましたが、拡販ならびに料金・価格改定などにグループ全体で取り組むと共に、M&Aを推進した結果、営業収益、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに前期を上回る結果となりました。
当期のセグメント別の状況は、以下のとおりです。
なお、当連結会計年度の期首より報告セグメントの区分ならびに集計方法を変更しており、当期の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
また、中央化学株式会社を連結の範囲に含めたことに伴い、第4四半期連結会計期間より新たに「プロダクト事業」セグメントを設置しております。
(物流事業)
(百万円)
前期
当期
増減額
増減率
営業収益
440,565
475,833
35,267
8.0%
セグメント利益
23,275
23,748
472
2.0%
電気料金ならびに燃料価格の上昇、年度後半には荷動きの急減などがありましたが、拡販ならびに料金改定に取り組むと共に、M&Aの収益寄与があったことなどにより、営業収益は4,758億33百万円と対前期比352億67百万円の増収、セグメント利益は237億48百万円と対前期比4億72百万円の増益となりました。
(商事・貿易事業)
(百万円)
前期
当期
増減額
増減率
営業収益
146,123
159,821
13,697
9.4%
セグメント利益
2,447
2,421
△26
△1.1%
前期に連結子会社化した家庭紙卸売の株式会社カルタスの収益寄与があったことに加え、価格改定ならびに拡販、コスト改善などに努めましたが、テイクアウト・デリバリーに使用する包材需要の減少や、仕入価格の上昇などがあり、営業収益は1,598億21百万円と対前期比136億97百万円の増収、セグメント利益は24億21百万円と対前期比26百万円の減益となりました。
(ライフサポート事業)
(百万円)
前期
当期
増減額
増減率
営業収益
28,812
38,985
10,172
35.3%
セグメント利益
又は損失(△)
△708
186
894
―
日常生活の正常化の動きに伴う利用者数・来店者数の回復と、新規出店ならびにM&Aの収益寄与があったことなどにより、営業収益は389億85百万円と対前期比101億72百万円の増収、セグメント利益は1億86百万円と対前期比8億94百万円の増益となりました。
(ビジネスサポート事業)
(百万円)
前期
当期
増減額
増減率
営業収益
7,626
10,733
3,107
40.7%
セグメント利益
1,099
1,252
152
13.9%
拡販ならびにコスト改善に取り組むと共に、M&Aの収益寄与があったことなどにより、営業収益は107億33百万円と対前期比31億7百万円の増収、セグメント利益は12億52百万円と対前期比1億52百万円の増益となりました。
(プロダクト事業)
(百万円)
前期
当期
増減額
増減率
営業収益
―
10,604
10,604
―
セグメント
損失(△)
―
△180
△180
―
当期に連結子会社化した中央化学株式会社の営業収益は106億4百万円、営業損失は1億80百万円となりました。
(資産の状況)
当期末における総資産は、5,818億50百万円となり、前期末に比べ1,010億32百万円増加いたしました。
流動資産は、2,017億73百万円となり、前期末に比べ307億39百万円増加いたしました。これは、現金及び預金が134億90百万円、受取手形、営業未収入金及び契約資産が53億3百万円、商品及び製品が60億13百万円、原材料及び貯蔵品が22億90百万円、その他流動資産が19億20百万円増加したことなどによるものです。
固定資産は、3,800億77百万円となり、前期末に比べ702億93百万円増加いたしました。これは、有形固定資産が589億73百万円、無形固定資産が12億26百万円、投資その他の資産が100億93百万円増加したことなどによるものです。
(負債の状況)
当期末における負債合計は、4,027億47百万円となり、前期末に比べ827億83百万円増加いたしました。
流動負債は、1,653億57百万円となり、前期末に比べ277億10百万円増加いたしました。これは、支払手形及び営業未払金が53億83百万円、電子記録債務が20億15百万円、短期借入金が42億8百万円、リース債務が22億60百万円、その他流動負債が131億円増加したことなどによるものです。
固定負債は、2,373億89百万円となり、前期末に比べ550億72百万円増加いたしました。これは、長期借入金が375億46百万円、長期リース債務が90億52百万円、退職給付に係る負債が14億28百万円、資産除去債務が10億93百万円、繰延税金負債が28億53百万円、その他固定負債が28億71百万円増加したことなどによるものです。
(純資産の状況)
当期末における純資産は、1,791億3百万円となり、前期末に比べ182億48百万円増加いたしました。これは、利益剰余金が102億47百万円、為替換算調整勘定が23億27百万円、非支配株主持分が45億78百万円増加したことなどによるものです。自己資本比率は前期末から2.9ポイント低下し、27.6%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物は、前期末に比べ、139億53百万円増加し、561億47百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、476億94百万円の収入となりました。これは、税金等調整前当期純利益が257億36百万円、減価償却費が224億29百万円、売上債権及び契約資産の減少による資金の増加が97億4百万円あったものの、未払債務の減少による資金の減少が32億43百万円、法人税等の支払額として92億23百万円支出したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、523億19百万円の支出となりました。これは、有形固定資産の取得に345億78百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得に155億円支出したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、177億30百万円の収入となりました。これは、短期借入金の純減額が51億49百万円、長期借入金の返済に134億24百万円、ファイナンス・リース債務の返済に66億3百万円、配当金の支払額に50億89百万円支出したものの、長期借入れによる収入が483億46百万円あったことなどによるものです。
③キャッシュ・フロー関連指標の推移
2019年
3月期
2020年
3月期
2021年
3月期
2022年
3月期
2023年
3月期
自己資本比率(%)
35.0
35.1
30.9
30.5
27.6
時価ベースの
自己資本比率(%)
41.0
35.7
35.6
27.8
24.2
キャッシュ・フロー
対有利子負債比率
4.2
3.6
5.2
5.8
4.8
インタレスト・
カバレッジ・レシオ
26.2
28.3
27.7
25.5
28.6
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
※営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりです。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度の財政状態につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
2)経営成績
当連結会計年度の経営成績につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
3)キャッシュ・フローの状況
当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローを重視し、当連結会計年度においても318億85百万円の資金を得ることができました。なお、詳細につきましては、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの経営成績は、以下のとおりであります。
物流事業におきましては、電気料金ならびに燃料価格の上昇、年度後半には荷動きの急減などがありましたが、拡販ならびに料金改定に取り組むと共に、M&Aの収益寄与があったことなどにより、営業収益は4,758億33百万円と対前期比352億67百万円の増収、セグメント利益は237億48百万円と対前期比4億72百万円の増益となりました。
セグメント資産は3,356億80百万円と対前年比458億69百万円増加しました。
商事・貿易事業におきましては、前期に連結子会社化した家庭紙卸売の株式会社カルタスの収益寄与があったことに加え、価格改定ならびに拡販、コスト改善などに努めましたが、テイクアウト・デリバリーに使用する包材需要の減少や、仕入価格の上昇などがあり、営業収益は1,598億21百万円と対前期比136億97百万円の増収、セグメント利益は24億21百万円と対前期比26百万円の減益となりました。
セグメント資産は662億55百万円と対前年比50億67百万円減少しました。
ライフサポート事業におきましては、日常生活の正常化の動きに伴う利用者数・来店者数の回復と、新規出店ならびにM&Aの収益寄与があったことなどにより、営業収益は389億85百万円と対前期比101億72百万円の増収、セグメント利益は1億86百万円と対前期比8億94百万円の増益となりました。
セグメント資産は321億85百万円と対前年比75億75百万円増加しました。
ビジネスサポート事業におきましては、拡販ならびにコスト改善に取り組むと共に、M&Aの収益寄与があったことなどにより、営業収益は107億33百万円と対前期比31億7百万円の増収、セグメント利益は12億52百万円と対前期比1億52百万円の増益となりました。
セグメント資産は666億61百万円と対前年比120億16百万円増加しました。
中央化学株式会社の連結子会社化に伴い新設されたプロダクト事業におきましては、営業収益は106億4百万円、営業損失は1億80百万円となりました。
セグメント資産は389億59百万円となります。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、下払運賃ほか、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社・関係会社株式の取得等によるものです。 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入による資金調達を基本としており、設備投資資金や長期運転資金は、社債及び金融機関からの長期借入による資金調達を基本としております。また、運転資金の効率的な調達を行うため、複数の金融機関との間で当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。
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