【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスに関して7月以降の第7波の急拡大により再び社会・経済活動が縮小傾向となり、また世界的な金融引締めが進む中で、株安、円安の進行等金融資本市場の変動や食品・穀物価格・エネルギー価格の上昇による企業・家計への影響など、依然として先行きは不透明な状況が続いています。
このような状況のもと、当社グループにおいて、受注済プラント工事はほぼ計画通りに進捗し、複数の中小型案件は引渡しが完了しております。当連結会計年度および中長期的な受注・収益力の強化に向け、顧客の設備投資動向のみならず、業界再編・工場統廃合等の環境変化を見据えた顧客動向に関わる情報収集力を強化しております。
産業機械製造分野では、引き続き年度内納品予定案件の受注獲得を進め、当社固有の強みであるプラント工事と産業機械のワンストップ一体提供を活かし、中長期的な受注強化に向けた営業力・情報収集力の強化や、製造ラインの効率化・生産性向上に取り組んでおります。また、唯一の国内メーカーとして、9月にはタイで開催されたグローバルプレイヤーが参加する国際的な飼料機械展示会(VICTAM Asia2022)に出展し、顧客・海外パートナー等と意見交換するとともに、競合企業の動向把握を行いました。
鋼材等原材料価格の上昇や部材調達期間の長期化は、年度初に想定していた以上に進行しており、予兆を早期に掴み、販売価格への転嫁、生産工程の効率化等早期に対策を講じることにより、収益力の下押し圧力を回避すべく取り組んでおります。
2022年2月に資本業務提携契約を締結いたしましたAbalance株式会社とは、当社主要顧客に対する光触媒製品等の協働マーケティングを本格的に開始し、今後は光触媒以外でも両社グループの強みを発揮できるシナジーの創出・連携営業を加速させ、食に関わるすべての顧客に付加価値の高い提案を続け、資本業務提携の深化を図ってまいります。
こうした状況下、当社グループの連結の売上高は3,128百万円(前年同四半期は3,219百万円)となりました。また、損益面に関しましては、営業利益77百万円(前年同四半期は69百万円の営業損失)、経常利益114百万円(前年同四半期は87百万円の経常損失)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は、本社ビルの売却、保有有価証券の売却による特別損益の計上があり、さらに法人税等を差引き、1,569百万円(前年同四半期は136百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。
当第2四半期連結累計期間におけるセグメント別の業績は次のとおりであります。
なお、2022年3月31日付のプレスリリース「太陽光発電に係る権利案件販売事業からの撤退に関するお知らせ」で公表のとおり、環境関連事業からの撤退を取締役会決議しており、これにより第1四半期連結会計期間より報告セグメントの変更(「環境関連事業」の廃止)を行っております。以後、この変更後のセグメントを用いて業績の発表を行います。
産業機械関連事業
プラント工事については、大型案件は計画通りに進捗しており、複数の中規模案件について完工し、引渡しを完了しました。受注強化に関して、顧客設備投資動向に関わる情報収集を一段と強化し、年度内完工予定の新規受注や修繕・メンテナンス等の受注獲得を進めております。中長期的な受注強化についても、配合飼料・製粉企業における経営統合、工場再編・統廃合の進展と言った環境変化に関わる情報収集を強化し、布石を打っております。また、営業部門とは独立した新設部署が営業部門に対し、連携しつつも牽制機能を効かせることにより、リスク管理対応力の強化も進めております。
産業機械製造分野は、引き続き年度内納品予定の受注強化に取り組むとともに、プラント工事と産業機械のワンストップ一体提供という当社固有の強みを活かし、プラント工事と同様、取引先の工場再編等の動きを新規受注機会に繋げてまいるべく、情報収集強化、引合・見積り提出後の継続かつ密なフォローを行っております。また、製造部門においては、生産工程の見える化、既存図面のCAD化等に取り組み、生産性・効率性の向上を進め、海外製造子会社では価格改定以降も円安、原材料高、エネルギーコスト上昇等が続く中、収益性を重視し、顧客ポートフォリオ分散の検討を進めております。
9月にはタイで開催された飼料機械展示会(VICTAM Asia2022)に唯一の国内メーカーとして出展し、既存・潜在顧客層との情報交換、競合海外メーカーの動向把握、当社へロール等納入実績のある海外サプライヤー企業との更なる連携強化に向けた意見交換等を行い、今後の競争力強化に繋げてまいります。
2022年2月に資本業務提携契約を締結いたしましたAbalance株式会社とは、当社の主要顧客である飼料、製粉、酒造製造工程サイロ、畜産農家等に対し、同社グループ企業が取り扱う光触媒製品等の協働マーケティングを本格的に開始しました。食品等事業者は食品衛生法等の一部を改正する法律(平成30年6月13日公布)等に基づく衛生管理対応が求められる中、顧客は高い関心を示しており、今後一層の事業拡大が期待されると考えており、また光触媒以外でも両社グループの強みを発揮できるシナジーの創出・連携営業を拡大し、食に関わるすべての顧客に付加価値の高い提案を続けてまいります。
この結果、産業機械関連事業の売上高は3,111百万円(前年同四半期は3,193百万円)、営業利益72百万円(前年同四半期は88百万円の営業損失)となりました。
不動産関連事業
当社は本社ビルの賃貸を行っておりますが、売上高は16百万円(前年同四半期は25百万円)、営業利益は5百万円(前年同四半期は19百万円の営業利益)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、5,993百万円(前連結会計年度末は総資産7,244百万円)と前連結会計年度末より1,251百万円の減少となりました。これは主に、仕掛品255百万円、現金及び預金98百万円、機械装置及び運搬具176百万円等の増加があったことに対し、受取手形、売掛金及び契約資産320百万円、商品及び製品243百万円、前渡金448百万円、土地313百万円、投資有価証券315百万円等の減少があったことによるものです。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債は、3,238百万円(前連結会計年度末は負債6,105百万円)と前連結会計年度末より2,866百万円の減少となりました。これは主に、電子記録債務318百万円、短期借入金800百万円、前受金1,370百万円の減少があったことによるものです。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産は、2,754百万円(前連結会計年度末は純資産1,139百万円)と前連結会計年度末より1,615百万円の増加となりました。これは主に、利益剰余金2,285百万円、為替換算差額調整勘定64百万円の増加があったことに対し、その他有価証券評価差額金18百万円の減少があったことによるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ151百万円減少し、2,456百万円となりました。
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕
営業活動の結果支出した資金は1,306百万円(前年同四半期 営業活動の結果支出した資金1,326百万円)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益が1,577百万円となり、売上債権の減少322百万円、前渡金の減少449百万円等の収入要因があったことに対し、固定資産売却損益1,418百万円、棚卸資産の増加261百万円、前受金の減少1,370百万円、仕入債務の減少307百万円等の支出要因があったためであります。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕
投資活動の結果得られた資金は1,979百万円(前年同四半期 投資活動の結果支出した資金は86百万円)となりました。これは主に、固定資産の売却による収入1,948百万円、投資有価証券の売却による収入332百万円等の増加があったのに対し、固定資産の取得による支出199百万円、定期預金の預入による支出161百万円等の支出があったためであります。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕
財務活動の結果支出した資金は842百万円(前年同四半期 財務活動の結果得られた資金497百万円)となりました。これは主に、短期借入金の減少800百万円等があったためであります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は3百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、新設、休止、大規模改修、除却、売却等により著しい変動があった設備は、次のとおりであります。
(資産の売却)
当社は、本社(東京都千代田区)の土地及び建物を譲渡する契約を2022年8月1日に締結し、同年8月31日に引渡が完了いたしました。
当該固定資産の譲渡により、当第2四半期連結累計期間において、固定資産売却益1,421百万円を特別利益に計上しております。