【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
①当第3四半期連結累計期間の経営成績の状況
売上高は、欧州事業、米国事業が前年同期比で増収となったことに加え、為替が円安に推移し海外子会社の収益を押し上げたことから、前年同期比7.3%増の9,246百万円となりました。欧米を中心とする海外製薬企業の治験需要は旺盛であり、受注残高は高いレベルを維持しています。引き続き欧米企業からの引き合いを確実に受注できるよう注力してまいります。
営業利益は、ロシア・ウクライナ戦争等の影響により米欧地域での大型国際共同試験の開始が遅れ、一時的に要員稼働率が低下したことなどの理由で第1四半期では営業損失を計上することになりましたが、第2四半期以降は欧州事業、米国事業ともに改善し、第3四半期累計では740百万円(前年同期比11.5%減)となりました。前述の大型試験は7月後半に開始されて以降はおおむね順調に進捗しており、その他新規案件の開始や契約変更による工数増加もあり、要員稼働率は高水準を維持しています。引き続き、受注案件の進捗管理の徹底および、受注案件に応じた人件費、経費の厳密なコントロールを継続し、利益率の改善に努めます。
経常利益は、外貨預金等に為替差益57百万円等が発生したため768百万円(前年同期比9.2%減)となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、昨年発生したサイバー攻撃関連の保険金の受取りや子会社清算益が発生したこと等から577百万円(前年同期比10.0%増)となりました。
②地域別の状況
日本・アジア地域においては、日本は、上期に依頼者事由による治験開始時期の変更が発生したこと等により減収となった影響が大きく第3四半期累計でも減収となりました。一方で、採用数調整による人件費等の厳密なコントロールにより、情報セキュリティ強化のための費用増加等を吸収し、前年同期比で増益となりました。
韓国では、複数の新規案件を獲得・開始したこと等に加え円安の影響もあり前年同期比で増収となりました。利益面では第1四半期に新規案件に対応するための増員による先行的な人件費増加により営業損失を計上した影響が大きく、第2四半期以降において利益を順調に積み上げたものの、前年同期比では減益となりました。
中国では、上期にゼロ・コロナ政策によるロックダウンの影響から一部の受注案件で進捗が遅れたものの、円安の影響もあり、前年同期比で増収増益となりました。
台湾では、上期に既存の一部受注案件でコロナの影響から治験の進捗が遅れたものの新規案件の開始もあり、前年同期比で増収となりました。また、営業利益は、費用節減を継続し黒字化を達成しました。
米国においては、前述の第1四半期の米欧地域での大型国際共同試験の遅れ等があったものの第2四半期以降は改善したことに加え、円安の影響もあり増収となりました。また、営業利益は、前述の第1四半期の試験遅れ等に伴う一時的な要員稼働率の低下等の影響が大きく、第2四半期以降は改善したものの累計では前年同期比で減益となりました。
欧州においては、前期の好調な受注を計画通り消化して売上を計上するとともに、上述の大型国際共同治験においても第2四半期以降は順調に進捗しており、前年同期比で大幅な増収増益となりました。
③セグメントごとの経営成績
CRO事業
当社グループのCRO事業につきましては、売上高は8,604百万円(前年同期比8.9%増)、営業利益は1,807百万円(前年同期比2.6%減)となり、前年同期比で増収減益となりました。
育薬事業
当社グループの育薬事業につきましては、売上高は642百万円(前年同期比9.8%減)、営業利益は232百万円(前年同期比0.1%増)となり、前年同期比で減収増益となりました。
(2)財政状態の分析
① 資産の部
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ1,131百万円(7.2%)増加し、16,847百万円となりました。これは、主に現金及び預金、立替金及び売掛金及び契約資産の増加によるものであります。
② 負債の部
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ669百万円(7.3%)増加し、9,842百万円となりました。これは、主に預り金の増加によるものであります。
③ 純資産の部
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末と比べ462百万円(7.1%)増加し、7,005百万円となりました。これは、主に利益剰余金の増加によるものであります。
(3)経営成績の分析
① 売上高
当第3四半期連結累計期間の売上高は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、9,246百万円(前年同期比7.3%増)となりました。
② 売上原価
当第3四半期連結累計期間の売上原価は、6,256百万円(前年同期比5.4%増)となりました。
③ 販売費及び一般管理費
当第3四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、2,249百万円(前年同期比22.1%増)となりました。
④ 営業利益
当第3四半期連結累計期間の営業利益は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、740百万円(前年同期比11.5%減)となりました。
⑤ 経常利益
当第3四半期連結累計期間の経常利益は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、768百万円(前年同期比9.2%減)となりました。
⑥ 税金等調整前四半期純利益
当第3四半期連結累計期間の税金等調整前四半期純利益は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、822百万円(前年同期比6.7%増)となりました。
⑦ 親会社株主に帰属する四半期純利益
当第3四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、577百万円(前年同期比10.0%増)となりました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)経営戦略の現状と見通し
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営戦略の現状と見通しについて重要な変更はありません。 引き続き、当社グループは受託業務の選択と集中を推し進めることによって既存のCROとの差別化を図り、大手製薬会社と同等の立場で医薬品開発を実行・サポートできる知識・技術・経験を有するCROすなわち「CDO(Contract Development Organization)」を目指していく方針であります。
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