【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
①当第2四半期連結累計期間の経営成績の状況
売上高は、欧州事業が前年同期比で増収となったことに加え、為替が円安に推移し海外子会社の収益を押し上げたことから、前年同期比7.2%増の5,920百万円となりました。欧米を中心とする海外製薬関連企業の治験需要は旺盛であり、受注残高は高いレベルを維持しています。引き続き欧米企業からの引き合いを確実に受注できるよう注力してまいります。
営業利益は、ロシア・ウクライナ戦争等の影響により米欧地域での大型国際共同試験の開始が遅れ、一時的に要員稼働率が低下したことなどの理由で第1四半期では営業損失を計上したものの、第2四半期では欧州、米国事業ともに改善し、累計では373百万円(前年同期比26.4%減)となりました。前述の大型試験は、ロシアで予定されていた治験施設を欧州各国へ振り分ける等の調整が長引いたものの、7月後半には開始され、以降はおおむね順調に進捗しています。引き続き、受注案件の進捗管理の徹底による売上計上の迅速化と内定案件の早期契約締結・業務開始及び現在交渉中の新規案件獲得による売上の積み増しに取り組むとともに、受注案件に応じた人件費、経費の厳密なコントロールを実施してまいります。
経常利益は、外貨預金等に為替差益265百万円等が発生したため614百万円(前年同期比23.9%増)となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、昨年発生したサイバー攻撃関連の保険金の受取りや子会社清算益が発生したこと等から468百万円(前年同期比85.6%増)となりました。
②地域別の状況
日本・アジア地域においては、日本は、依頼者事由による治験開始時期の変更が発生したこと等により前年同期比で減収となったものの、採用数調整による人件費等の厳密なコントロールにより、情報セキュリティ強化のための費用増加等を吸収し、前年同期比で増益となりました。
韓国では、複数の新規案件を獲得・開始したこと等に加え円安の影響もあり前年同期比で増収となりました。利益面では第1四半期に新規案件に対応するための増員による先行的な人件費増加により営業損失を計上した影響が大きく、第2四半期では前年同期比で増益となったものの累計では減益となりました。
中国では、ゼロ・コロナ政策によるロックダウンの影響から一部の受注案件で進捗が遅れたものの、円安の影響により前年同期比で増収、減益となりました。
台湾では、既存の一部受注案件でコロナの影響から治験の進捗が遅れたこと等から現地通貨ベースでは前年同期比で減収となったものの、費用節減を進めた結果、営業赤字は大きく減少しました。
米国においては、前述の第1四半期の米欧地域での大型国際共同試験の遅れ等があったものの第2四半期では改善したことに加え、円安の影響もあり増収となりました。また、上記試験の遅れ等に伴う一時的な要員稼働率の低下に加え、新規案件の開始及び工数追加に対応するための増員による人件費の増加があり、第2四半期では稼働率が改善したものの、累計では前年同期比で減益となりました。
欧州においては、前期の好調な受注を消化して売上を計上するとともに、上述の試験開始が遅れた米欧地域での大型国際共同治験でも第2四半期に大きな進捗があったことから、前年同期比で増収増益となりました。
③セグメント別の経営成績
CRO事業
当社グループのCRO事業につきましては、売上高は5,468百万円(前年同四半期比6.4%増)、営業利益は1,014百万円(同14.8%減)となり、前年同期比で増収減益となりました。
育薬事業
当社グループの育薬事業につきましては、売上高は451百万円(前年同四半期比17.7%増)、営業利益は164百万円(同30.1%増)となり、前年同期比で増収増益となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より317百万円増加し、6,303百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において営業活動の結果獲得した資金は659百万円(前年同四半期は836百万円の獲得)となりました。これは、主に税金等調整前四半期純利益678百万円、預り金の増加額550百万円及び立替金の増加額396百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において投資活動の結果使用した資金は27百万円(前年同四半期は31百万円の使用)となりました。これは、主に投資有価証券の取得による支出10百万円及び差入保証金の差入による支出8百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において財務活動の結果使用した資金は636百万円(前年同四半期は821百万円の使用)となりました。これは、主に長期借入金の返済による支出269百万円及び配当金の支払額315百万円があったこと等によるものであります。
(3)財政状態の分析
① 資産の部
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ1,549百万円(9.9%)増加し、17,265百万円となりました。これは、主に現金及び預金及び立替金の増加等によるものであります。
② 負債の部
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ922百万円(10.1%)増加し、10,095百万円となりました。これは、主に未払金及び預り金の増加等によるものであります。
③ 純資産の部
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末と比べ627百万円(9.6%)増加し、7,170百万円となりました。これは、主に利益剰余金及び為替換算調整勘定の増加等によるものであります。
(4)経営成績の分析
① 売上高
当第2四半期連結累計期間の売上高は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、5,920百万円(前年同四半期比7.2%増)となりました。
② 売上原価
当第2四半期連結累計期間の売上原価は、4,080百万円(前年同四半期比6.1%増)となりました。
③ 販売費及び一般管理費
当第2四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、1,467百万円(前年同四半期比25.5%増)となりました。
④ 営業利益
当第2四半期連結累計期間の営業利益は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、373百万円(前年同四半期比26.4%減)となりました。
⑤ 経常利益
当第2四半期連結累計期間の経常利益は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、614百万円(前年同四半期比23.9%増)となりました。
⑥ 税金等調整前四半期純利益
当第2四半期連結累計期間の税金等調整前四半期純利益は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、678百万円(前年同四半期比75.0%増)となりました。
⑦ 親会社株主に帰属する四半期純利益
当第2四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益は、(1)経営成績の状況に記載の要因により、468百万円(前年同四半期比85.6%増)となりました。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
(7)経営戦略の現状と見通し
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営戦略の現状と見通しについて重要な変更はありません。 引き続き、当社グループは受託業務の選択と集中を推し進めることによって既存のCROとの差別化を図り、大手製薬会社と同等の立場で医薬品開発を実行・サポートできる知識・技術・経験を有するCROすなわち「CDO(Contract Development Organization)」を目指していく方針であります。
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