【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間の住宅関連業界においては、2022年に入ってからの世界的なインフレ傾向、円安等を背景とした建築関連資材の高騰による住宅価格の上昇傾向が継続しており、新設住宅着工戸数及び仲介成約件数はともに前年同期比減少となりました。住宅ローン市場においては、月額返済額を抑えた商品に対するニーズの高まり、固定と変動の金利差拡大、預金増を背景とした銀行の金利引き下げ競争の激化等により、従来以上に変動金利商品を選択する傾向が継続し、固定金利のフラット35にとって厳しい市場環境となりました。また、これらの傾向に加え、首都圏を中心とした住宅価格の高騰、実質賃金の減少傾向を受け住宅購入を見送るお客さまが見受けられたこともあり、当第3四半期連結累計期間におけるフラット35の融資実行件数は前年同期比で21.9%の減少となりました。
このような状況のもと当社グループの住宅ローン事業においては、商品の販売力の強化を行うべく、全国に8支社を設置し地域に密着した営業活動を推進するとともに、変動金利商品の提案が可能な銀行代理商品を取り扱う直営店舗の拡充等を行ってまいりました。
また、当社グループは「住み替えカンパニー」として、住み替えを希望するお客さまの街探し・家探しから住宅購入、住宅ローンに繋げる仕組みの構築を進めております。一人ひとりのライフスタイルや価値観に合った“本当に住みやすい街”を提案するWebサービス「TownU(タウニュー)」では、物件紹介機能の追加を行い、従来の「街診断」による街探しに加え、「街情報」ページ内での家探しサービスの提供を開始しました。住み替えについてのコンサルティングを行うアルヒ住み替えコンシェルジュ株式会社では、幅広いお客さまに対するマーケティング活動を強化するため、TownUに加え、不動産事業者との連携強化に取り組みました。
2022年9月15日より実施しました、SBIホールディングス株式会社の完全子会社であるSBIノンバンクホールディングス株式会社による当社の普通株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」という。)は、2022年11月11日をもって予定通り終了しました。本公開買付けの結果、2022年11月18日をもって、SBIホールディングス株式会社が当社の親会社となりました。
本公開買付け完了以降、SBIグループとの協働により、商品・チャネルの更なる拡充を進め「住み替えカンパニー」としてのサービスを充実させるべく、SBI新生銀行の銀行代理商品の当社での取り扱い、FC店舗で販売可能な変動金利商品の共同開発、当社によるSBIグループ企業の拠点活用等に向けた協議を精力的に行っております。
当第3四半期連結累計期間の営業収益は、前年同期比2,121百万円減少となる17,612百万円(前年同期比10.8%減)となりました。内訳としては、フラット35の取り扱いが低調であったことを受け、融資実行業務は前年同期比27.7%減少しました。一方で、債権管理回収業務は前年同期比9.1%増加、保険関連業務は前年同期比14.4%増加と好調に推移したほか、新規事業等のその他業務は前年同期比50.6%増加しました。また、融資実行業務の収益と連動する貸付債権流動化関連の収益は前年同期比で減少したものの、金融商品の公正価値の増加に伴う収益が前年同期比で増加したことにより、ファイナンス業務は前年同期比4.9%減少に止まりました。営業費用は、変動費用が減少した一方、株式公開買付け関連費用の計上により、前年同期比2.1%の減少となりました。その結果、税引前利益については前年同期比1,711百万円減少となる3,663百万円(前年同期比31.8%減)、当第3四半期連結累計期間利益は2,517百万円(同31.9%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は2,530百万円(同31.8%減)となりました。
なお、当社グループは住宅ローン事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における資産は145,481百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,231百万円減少しました。これは主に現金及び現金同等物が4,458百万円、営業貸付金が3,664百万円それぞれ減少した一方、その他の金融資産が3,244百万円増加したことによるものであります。
当第3四半期連結会計期間末における負債は113,100百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,734百万円減少しました。これは主に借入債務が5,089百万円、預り金が3,757百万円それぞれ減少した一方、その他の金融負債が3,813百万円増加したことによるものであります。
当第3四半期連結会計期間末における資本は32,381百万円となり、前連結会計年度末に比べ503百万円増加しました。これは主に四半期利益を2,517百万円計上した一方、剰余金の配当2,123百万円によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は17,774百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,458百万円の減少となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは3,849百万円の収入(前年同期は7,492百万円の収入)となりました。これは主に、税引前利益が3,663百万円となり、営業貸付金の減少額7,636百万円等のキャッシュの増加要因があった一方で、預り金の減少額3,757百万円及び貸付債権流動化関連収益のうち当第3四半期連結累計期間においてキャッシュ回収期にない2,954百万円等のキャッシュの減少要因があったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは572百万円の支出(前年同期は516百万円の支出)となりました。これは主に、無形資産の取得による支出483百万円によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは7,735百万円の支出(前年同期は11,145百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入による収入6,500百万円等のキャッシュの増加要因があった一方で、短期借入金の減少額10,900百万円等のキャッシュの減少要因があったことによるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
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