【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
(a)財政状態
(資産)
当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べて4,674百万円減少し6,221百万円になりました。これは主に、現金及び預金が2,467百万円減少したこと、売掛金が80百万円減少したこと、有形固定資産が1,885百万円減少したこと、敷金及び保証金が95百万円減少したこと並びに建設協力金が72百万円減少したことによるものです。
(負債)
負債合計は、前事業年度末に比べて2,683百万円減少し4,925百万円となりました。これは主に、買掛金が166百万円減少したこと、借入金が2,300百万円減少したこと、未払金が58百万円増加したこと、未払法人税等が137百万円減少したこと、預り金が103百万円減少したこと、資産除去債務が118百万円増加したこと、事業構造改善引当金が92百万円減少したこと及び受入保証金が158百万円減少したことによるものです。
(純資産)
純資産は、前事業年度末に比べて1,990百万円減少し,1,296百万円となりました。これは主に、当期純損失を1,925百万円計上したこと、減資により、資本金が4,753百万円減少、資本準備金が4,043百万円減少、その他資本剰余金が3,163百万円増加、繰越利益剰余金が5,661百万円増加したことによるものです。また、自己資本比率は前事業年度末から8.8ポイント減少し20.2%となりました。
(b)経営成績
当事業年度におけるわが国経済は、長引く新型コロナウイルス感染症の影響下にありますが、行動制限措置が全て解除されたことなどから、経済活動の正常化に向けた動きがみられました。しかしながら、急激な円安やロシア・ウクライナ情勢の長期化によるエネルギー価格や原材料価格の高騰など、世界的に非常に不安定な状況が続いております。外食産業におきましては、仕入価格の高騰やアルバイト人員の確保のための時給の引上げなど、引き続き厳しい経営環境が続いております。
こうした状況のもと、当社は、年初より「正笑は不滅の論理、幸福を招く方程式」の基本方針を基に、引き続き感染症対策を講じながら安心・安全な商品の提供に努め、主力商品の訴求強化などにより既存店の売上向上に注力してまいりました。8月の創業社長である一瀬邦夫の辞任に伴い、9月には、組織の見直しを行い、新社長一瀬健作の下、新組織体制でスタートが切られました。
営業外損益項目では、営業時間短縮に伴う協力金の入金額について、新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金として1,186百万円営業外収益に計上いたしました。
特別損益項目では、建物賃貸借契約を締結している家主等との交渉が進展したことに伴い、見積額と確定額の差額等を事業構造改善引当金戻入額として46百万円特別利益に計上し、収益性の低下した店舗資産等に対して減損損失として1,530百万円特別損失に計上いたしました。
これらの結果、当事業年度における売上高は14,775百万円(前期比22.0%減)、営業損失は1,555百万円(前期は1,412百万円の営業損失)、経常損失は503百万円(前期は1,274百万円の経常利益)、当期純損失は1,925百万円(前期は387百万円の当期純利益)となりました。
(いきなり!ステーキ事業)
いきなり!ステーキ事業につきましては、海外への店舗展開として、Valerie Products Manufacturing,Inc.社とフランチャイズ加盟契約を締結し、12月18日にフィリピン1号店となる、いきなり!ステーキ MOA・スクエア店をオープンいたしました。販促活動としては、昨年ご好評いただいた「イチボステーキ」を、9月22日より期間限定で販売し、また、11月10日より「王様(キング)のステーキ」の名称で、オーストラリア産サーロインステーキを販売するなど、様々な施策を実施してまいりました。その一方で、過去に例を見ないペースでの輸入牛肉価格の上昇をはじめとする、物流費、人件費、光熱費などの高騰を背景に価格改定を行うと同時に、お買い求め易い商品を含めるなど、メニューバリエーションを広げたメニュー改定を行いました。しかしながら、生活様式の変化や物価上昇などを背景に、ディナー帯の回復は厳しい状況が続いております。
この結果、当事業年度における売上高は13,580百万円(前期比22.5%減)、セグメント利益は240百万円(前期比34.9%減)となりました。
(レストラン事業)
レストラン事業につきましては、4月11日にとんかつ業態『こだわりとんかつ かつき亭』吾妻橋店を全面的にリニューアルいたしました。ステーキ業態『ステーキくに』では、季節メニューを個店販促にて導入、また全店キャンペーンとして、「アメリカンフランクステーキ」「イチボステーキ」「あかうし」など、期間限定での販売を行い、売上及び利益向上に努めて参りました。
この結果、当事業年度における売上高は955百万円(前期比5.3%減)、セグメント損失は151百万円(前期は117百万円のセグメント損失)となりました。
(商品販売事業)
商品販売事業につきましては、「とんかつソース」、「冷凍ガーリックライス」、「冷凍ハンバーグ」、家庭でも味わえる「いきなり!ステーキセット」を各大手モールにて出店販売いたしました。また、9月17日より女性VTuberグループ「ホロライブ」所属の「猫又おかゆ」との復刻コラボを行い、年始のコラボ店舗で販売した限定商品「勝ち猫おかゆんはんばーぐ」が自宅で楽しめる「勝ち猫おかゆんはんばーぐ復刻コラボセット」を期間限定で販売いたしました。
この結果、当事業年度における売上高は157百万円(前期比16.2%減)、セグメント損失は22百万円(前期は23百万円のセグメント損失)となりました。
(その他事業)
その他事業につきましては、店舗FC開発や店舗サポート及び購買に関する間接収益部門の事業となっております。店舗数の縮小及び新型コロナウイルスの影響により出店店舗数が減少いたしました。
この結果、当事業年度における売上高は81百万円(前期比63.5%減)、セグメント損失は104百万円(前期は50百万円のセグメント損失)となりました。
② キャッシュ・フロー
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べて2,467百万円減少し1,888百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は、44百万円(前期は658百万円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純損失を1,868百万円計上したこと、減価償却費を617百万円計上したこと、減損損失を1,530百万円計上したこと、貸倒引当金が429百万円増加したこと、事業構造改善引当金が111百万円減少したこと、敷金、保証金及び建設協力金と相殺した解約違約金が24百万円増加したこと、売上債権が80百万円減少したこと、仕入債務が166百万円減少したこと、未払金が40百万円減少したこと、未払消費税等が98百万円増加したこと及び預り金が103百万円減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、146百万円(前期は404百万円の支出)となりました。これは主に、資産除去債務の履行により76百万円の支出があったこと、預り保証金の返還により155百万円の支出があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、2,275百万円(前期は171百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金が1,033百万円減少したこと、長期借入金の返済により1,266百万円の支出があったこと及び株式の発行により27百万円の収入があったことによるものです。
③ 仕入及び販売の実績
(a)仕入実績
当社の事業は提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、「生産実績」に代えて、「仕入実績」を記載いたします。
当事業年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当事業年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
前期比
(%)
いきなり!ステーキ事業(百万円)
6,115
65.6
レストラン事業(百万円)
382
91.5
商品販売事業(百万円)
130
82.0
その他(百万円)
70
52.0
合計(百万円)
6,699
66.7
(b)受注実績
当社で行う飲食事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
(c)販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当事業年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
前期比
(%)
いきなり!ステーキ事業(百万円)
13,580
77.5
レストラン事業(百万円)
955
94.7
商品販売事業(百万円)
157
83.8
その他(百万円)
81
36.5
合計(百万円)
14,775
78.0
(注)商品販売事業の販売実績は、冷凍いきなり!ガーリックライス、とんかつソース等の販売高であります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 (a)財政状態」を参照願います。
② 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(1)売上高
当事業年度の売上高は14,775百万円(前期は18,950百万円)となり、前期に比べ4,175百万円の減少となりました。減少の主な原因は、コロナ禍による経済悪化の影響により既存店の売上高が減少したこと及びいきなりステーキ事業の店舗数が前期末に比べ閉店等により36店舗減少したことによるものです。
なお、収益認識会計基準等を適用したことにより、従来の会計処理方法によった場合に比べ、当事業年度の売上高は3,058百万円減少しております。
(2)売上原価、販売費及び一般管理費
当事業年度における売上原価は6,702百万円(前期は10,045百万円)となり、前期に比べ3,343百万円の減少となりました。売上高に対する売上原価率は45.4%となり、前期に比べ7.6ポイント減少となりました。減少の主な要因は、収益認識会計基準等を適用したことにより、従来の会計処理方法によった場合に比べ、当事業年度の売上原価が2,298百万円減少したこと、及びフランチャイズ、直営、委託の売上高構成比の変化によるものです。
販売費及び一般管理費は9,628百万円(前期は10,316百万円)となり、前期に比べ688百万円の減少となりました。減少の主な要因は、収益認識会計基準等を適用したことにより、従来の会計処理方法によった場合に比べ、当事業年度の販売費及び一般管理費が733百万円減少したことによるものです。
(3)営業外損益
当事業年度における営業外収益は1,258百万円(前期は2,740百万円)となり、前期に比べ1,481百万円の減少となりました。減少の主な原因は、カード退蔵益が139百万円減少したこと及び新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金が1,321百万円減少したことによるものです。また、営業外費用は205百万円(前期は52百万円)となり、前期と比べ152百万円の増加となりました。増加の主な原因は、株式交付費が16百万円増加したこと及び賃貸借契約解約損が135百万円増加したことによるものです。
この結果、当事業年度における経常損失503百万円(前期は1,274百万円の利益)となり、前期と比べ1,778百万円減少となりました。
(4)特別損益
当事業年度における特別利益は170百万円(前期は58百万円)となり、前期と比べ112百万円の増加となりました。増加の主な要因は、新株予約権戻入益が99百万円増加したことによるものです。また、特別損失は1,535百万円(前期は860百万円)となり、前期と比べ675百万円の増加となりました。増加の主な要因は、減損損失が672百万円増加したことによるものです。
以上の結果、税引前当期純損失は1,868百万円(前期は472百万円の利益)となり、前期と比べ2,340百万円の減少となりました。また、当期純損失は1,925百万円(前期は387百万円の利益)となり、前期と比べ2,313百万円の減少となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フロー」を参照願います。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、目標の達成状況を判断するための客観的な目標等として、売上高経常利益率を重視しております。
売上高経常利益率の推移
指標
第37期
2021年12月期
第38期
2022年12月期
前期比
売上高
18,950百万円
14,775百万円
78.0%
経常利益又は経常損失(△)
1,274百万円
△503百万円
-%
売上高経常利益率
6.7%
-%
-ポイント
当事業年度の経常損益につきましては、前事業年度に比べ1,778百万円減少しております。減少の主な要因としては、コロナ禍による経済悪化の影響により既存店の売上高が減少したことによるものです。
当社といたしましては、新型コロナウイルスの影響の見通しは、いまだ不透明でありますが、衛生面の対策を引き続き実行しつつ、既存店の業績改善を行い安定した収益確保を目指すとともに、全体的なコスト削減に努め、企業価値の継続的な向上に努めてまいります。
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