【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
また、当社グループは、「着物・ブランド品等リユース事業」を主要な事業としており、他の事業セグメントの重
要性が乏しいため、セグメント別の記載を省略しております。
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の分析
当社グループは、持続可能な社会の実現のため、二次流通マーケットの活性化を通じて循環型社会の形成に貢献すべく、2022年2月に策定した「中期経営計画2024」に基づき、テクノロジーへの積極的な投資と更なるコーポレート・ガバナンス体制の強化により、当社グループの持続的な成長を追求し、企業価値の最大化を図っております。
本中期経営計画に基づき、テクノロジーへの積極的な投資を行っており、全社データ基盤の整備・活用、出張訪問における査定時間の短縮等の生産性の向上、AI技術とデータを活用した研究開発を推進しております。
また、当社グループの主力サービスである出張訪問買取「バイセル」においては、「出張訪問数」及び「出張訪問あたり変動利益」を主要なKPIとしております。当事業の継続的な成長のために、重要なエリアと捉える都市圏に加え、地方エリアへの拡張を図ることにより、更なる事業規模の拡大を図るとともに、当社グループのデータを一元管理し販売チャネルの最適化を推進し、toC販売のOMO化や海外販路の開拓により、収益性の向上を図ってまいりました。これにより、出張訪問件数は174,962件(前年同期比18.8%増)、出張訪問あたり変動利益は44,461円(前年同期比8.0%増)となりました。
さらに、全国主要都市に店舗を展開する「バイセル」と全国百貨店内に店舗を展開する「総合買取サロン タイムレス」について、相互送客やマーケティング、採用・人材戦略、各種データ統合によるグループシナジーを有効活用することにより、グループ店舗展開を加速させ、出張訪問買取と差別化した買取チャネルの強化を図ってまいりました。これにより、バイセル8店舗(前年同期比3店舗増)、タイムレス18店舗(前年同期比7店舗増)となりました。
そのほか、2022年7月には、株式会社フォーナインを子会社化しました。フォーナインは、2016年に設立され、ブランドバッグや時計、ジュエリー・貴金属など様々な商品の買取りを行う買取店舗「Reuse Shop WAKABA」を展開しております。二等地立地における店舗開発と充実した研修プログラムなどによる豊富なサポート体制を強みとして拡大し、2022年9月末現在、フランチャイズ店舗179店舗及び直営店舗17店舗を全国展開しております。これにより、店舗買取事業のグループ店舗数はフランチャイズを含めて、200店舗超を展開することとなりました。
当社グループのデータドリブン経営のノウハウやマーケティング力及びtoC 販売等の独自販路の活用により更なる成長を目指すとともに、フランチャイズ店舗の抱える課題解消やニーズに寄与するリユースプラットフォームのSaaS 化構想(※)の加速など、大幅なシナジー効果を期待できるものと見込んでおり、両社の企業価値の最大化を図ってまいります。
(※) リユースプラットフォーム
SaaS 化構想
買取から販売まで一気通貫にあらゆる機能を提供し、様々なリユース業者がバイセルリユースプラットフォーム(COSMOS)を利用する構想
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高23,856百万円(前年同期比33.8%増)、営業利益2,541百万円(前年同期比46.8%増)、経常利益2,525百万円(前年同期比47.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,522百万円(前年同期比68.5%増)となりました。
② 財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,422百万円増加し、8,769百万円(前期末比19.4%増)となりました。これは、株式会社フォーナインの連結子会社化等に伴い、主に現金及び預金が753百万円増加、売掛金が231百万円増加、商品が236百万円増加したことによるものであります。
当第3四半期連結会計期間末の固定資産は、前連結会計年度末に比べて4,387百万円増加し、7,326百万円(前期末比149.3%増)となりました。これは、株式会社フォーナインの連結子会社化等に伴い、主にのれんが1,817百万円増加、顧客関連資産が1,997百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末の流動負債は、前連結会計年度末に比べて1,185百万円増加し、4,834百万円(前期末比32.5%増)となりました。これは、1年内返済予定の長期借入金が457百万円増加、その他の流動負債が683百万円増加したことによるものであります。なお、その他の流動負債の増加の主な内訳は、契約負債の増加によるものであります。
当第3四半期連結会計期間末の固定負債は、前連結会計年度末に比べて1,789百万円増加し、3,832百万円(前期末比87.6%増)となりました。これは、長期借入金が1,162百万円増加したほか、その他の固定負債が570百万円増加したことによるものであります。なお、その他の固定負債の増加の主な内訳は、繰延税金負債の増加によるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べて2,835百万円増加し、7,428百万円(前期末比61.7%増)となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上に伴い利益剰余金が1,522百万円増加、株式会社フォーナイン取得時の株式交換に伴い資本剰余金が1,279百万円増加した一方で、配当の実施に伴い利益剰余金が198百万円減少したことによるものであります。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
(5)従業員の状況
当第3四半期連結累計期間において、主として事業規模の拡大に伴い新卒を中心とした採用により当社グループの従業員数は298名増加しております。
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