【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。なお、商品ジャンルにおいて前連結会計年度に記載しておりました「健康美容雑貨」については、「その他」に含まれております。
① 経営成績の状況当連結会計年度における我が国及び世界経済は、新型コロナウイルス感染症に係る政府による行動制限の解除以降は訪日客の増加など景気の回復が見られつつある一方で、2月からのロシアによるウクライナ侵攻の長期化、世界的な原材料価格の高騰などのインフレーションと金利引き上げ、急激な円安の進行など先行き不透明な状況は今後も続いていくと予想されております。このような環境のなか、当社グループでは、『喜びを企画して世の中を面白くする』という経営理念のもと、機動的かつ柔軟に市場の変化に対応し、企画開発やプロモーション、販売、顧客リレーション活動に取り組んでまいりました。以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高6,638,096千円(前期は5,029,442千円)、営業利益167,318千円(前期比33.4%減)、経常利益200,137千円(前期比24.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益114,509千円(前期比42.8%減)となりました。なお、当社グループは「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る売上高については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。この結果、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、売上高に関する説明において前期比(%)を記載しておりません。当社グループは各種オリジナル商品等の企画販売を行う事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に代えて商品ジャンル毎に販売状況を記載しております。
(コスメ(その他))マスク着用下における口臭ケア商品として各種SNS施策を通した認知度の向上により「デンティス」が前年に続き好調に推移したこと、TikTokでの動画拡散などにより夏物商材の「クーリスト」が順調に売上を伸ばしたことに加え、リニューアルを行ったロングランデオドラント商品「クイックビューティー」が引き続き好調に推移したことが要因となり、当連結会計年度の売上高は1,509,625千円(前期は1,320,850千円)となりました。
(Watch)コロナ禍で落ち込んでいた直営店舗の客足の回復、店舗でのイベントの開催、新商品の販売が好調に推移したことやアウトドアスポーツ店舗での展開拡大などにより、当連結会計年度の売上高は292,700千円(前期は289,046千円)となりました。
(浄水器・医療機器) 2022年4月1日にファミリー・サービス・エイコー㈱を連結の範囲に含めたことにより、当連結会計年度の売上高は582,497千円となりました。
(生活雑貨・オーラルケア) 2022年4月1日にファミリー・サービス・エイコー㈱を連結の範囲に含めたことにより、当連結会計年度の売上高は981,733千円となりました。
(コスメ(ピーリングフットケア))国内では前年2月に有名ユーチューバーの動画にて取り上げられたことによる特需の反動減や、海外においては富裕層向けのマーケットでは順調に売上を伸ばしているものの、米国のコロナ禍における輸送混乱問題に備えた前年の米国総代理店による在庫確保に伴う売上増の反動減や、急激なインフレーションにより北米の消費活動が鈍化し、同時に金利上昇に伴い在庫圧縮を図る小売店の仕入抑制傾向が顕著となり大手小売チェーン企業からの受注が減少し、当連結会計年度の売上高は1,199,624千円(前期は1,543,287千円)となりました。
(トイレタリー)「Q(吸)とくん」がアジアを中心に海外での販路拡大により売上好調となりましたが、「カビダッシュ」がホームセンターで年末の大掃除需要にむけた売り場の拡大で巻き返しを図ったものの、リニューアルによる旧商品の返品が想定を超えたことにより減収となり、また「カビトルネード」は取扱い店舗数の大幅な減少はなかったものの、競合品の相次ぐ参入が想定を上回ったことにより減収となり当連結会計年度の売上高は1,009,163千円(前期は1,082,582千円)となりました。
(加工食品)新商品の激辛サバ缶「辛つま屋」の販売がスタートし、コンビニエンスストアでのテスト展開は好調となりましたが、その後の拡販が進まなかったことなどが要因で、当連結会計年度の売上高は24,683千円(前期は26,033千円)となりました。
(機能衣料)「FREEZE TECH」はプロモーション強化などで販路は拡大したものの、工場勤務者向けの既存のBtoB販路では追加注文が想定よりも伸び悩み売上が鈍化し、当連結会計年度の売上高は519,395千円(前期は532,121千円)となりました。
② 財政状態の状況当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ2,367,127千円増加し、5,311,941千円となりました。これは主として、ファミリー・サービス・エイコー㈱を新規に連結したことによる資産増加などによるものです。負債は、前連結会計年度末に比べ2,116,766千円増加し、3,736,369千円となりました。これは主として、ファミリー・サービス・エイコー㈱を新規に連結したことによる負債増加に加えて、M&Aに伴う新規借入により短期借入金が700,000千円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が969,904千円増加したことによるものです。純資産は、前連結会計年度末に比べ250,360千円増加し、1,575,571千円となりました。これは主として、子会社株式の取得などにより資本剰余金が196,276千円増加したことによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ14,595千円増加し、657,648千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において営業活動の結果減少した資金は、799,262千円となりました。これは、ファミリー・サービス・エイコー㈱を新規に連結したことによる売上債権の増加325,018千円、役員退職慰労金の支払額443,318千円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は、692,940千円となりました。これは、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出654,952千円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において財務活動の結果増加した資金は、1,507,604千円となりました。これは、長期借入れによる収入1,400,000千円などによるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績当社グループはファブレスメーカーであり、生産を行っておらず、該当事項はありませんので、記載を省略しております。
(b) 仕入実績当連結会計年度における仕入実績は次の通りであります。なお、当社グループは各種オリジナル商品等の企画販売を行う事業の単一セグメントのためセグメント別の記載は省略しております。
商品ジャンル内訳
金額(千円)
前年同期比(%)
コスメ(ピーリングフットケア)
503,726
78.0
コスメ(その他)
888,943
123.1
トイレタリー
545,829
105.1
機能衣料
239,274
105.8
Watch
140,530
100.5
加工食品
27,769
106.3
浄水器・医療機器
14,365
–
生活雑貨・オーラルケア
671,939
–
その他
855,173
192.1
合計
3,887,551
142.7
(c) 受注実績一部商品で受注生産を行う他は、大半が見込生産のため記載を省略しております。
(d) 販売実績当連結会計年度における販売実績は次の通りであります。なお、当社グループは各種オリジナル商品等の企画販売を行う事業の単一セグメントのためセグメント別の記載は省略しております。
商品ジャンル内訳
金額(千円)
前年同期比(%)
コスメ(ピーリングフットケア)
1,199,624
77.7
コスメ(その他)
1,509,625
114.3
トイレタリー
1,009,163
93.2
機能衣料
519,395
97.6
Watch
292,700
101.3
加工食品
24,683
94.8
浄水器・医療機器
582,497
–
生活雑貨・オーラルケア
981,733
–
その他
688,701
292.4
収益認識に関する会計基準影響額
△ 170,028
–
合計
6,638,096
132.0
(注)
1.収益認識に関する会計基準影響額に関しましては、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用していることによる売上高への影響金額を記載しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先
前連結会計年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
当連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
㈱あらた
854,514
17.0
741,920
11.2
㈱井田両国堂
608,857
12.1
578,063
8.7
KSSM,LLC
815,953
16.2
550,898
8.3
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択、適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としており、これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況 ① 経営成績の状況」及び「(1)経営成績等の状況 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載している通りであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金需要のうち主なものは、売上原価に係るもののほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらの資金については、基本方針に基づき、主に自己資金により充当する予定でありますが、必要に応じて金融機関からの借入を実施する等、負債と資本のバランスに配慮しつつ、必要な資金を調達してまいります。また、内部留保による現預金を確保しつつ、借入金の返済や条件変更等による財務体質の強化を努めることなどにより、有利子負債の依存度を低下させていく予定であります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、事業環境、法的規制等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化や、人材の確保と育成等に力を入れ、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切な対応に努めてまいります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りでありますが、今後収益を拡大するためには、既存の事業のさらなる拡大、新たなジャンルの商品の開発、事業規模の拡大に合わせた人材の確保等が必要であると認識しており、これらの課題に対して最善の事業戦略を立案するよう努めてまいります。
⑥ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (6) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の通り、売上高、売上総利益率、経常利益及び売上高経常利益率を重要な経営指標として位置付けております。前連結会計年度及び当連結会計年度の経営指標は、次の通りであります。当連結会計年度の売上総利益率は39.2%、売上高経常利益率は3.0%となり、いずれも前連結会計年度を下回ることとなりました。
前連結会計年度(自 2021年1月1日至 2021年12月31日)
当連結会計年度(自 2022年1月1日至 2022年12月31日)
金額(千円)
金額(千円)
前年同期比
売上高
5,029,442
6,638,096
–
売上総利益率
42.8%
39.2%
–
経常利益
266,103
200,137
75.2%
売上高経常利益率
5.3%
3.0%
–
(注)「収益認識に関する会計基準」(企業会計第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る売上高については、当該会計基準を適用した後の数値となっております。これにより、当連結会計年度の前年同期比は記載しておりません。