【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において平山グループが判断したものであります。
(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間(2023年7月1日~2023年9月30日)におけるわが国経済は、2023年10月2日発表の全国企業短期経済観測調査(短観)に見られるとおり、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は前回の6月調査から4ポイント改善してプラス9となり、供給制約の緩和で生産の回復が進みました。大企業非製造業は、コロナ禍後の経済活動の再開やインバウンド(訪日外国人旅行)の増加で景況感の改善が続いております。
一方、2023年8月の完全失業率は2.7%で、前月と同率でした。8月の有効求人倍率(季節調整値)は1.29倍で、前月と同じでした。実質賃金の伸び悩みで兼業や転職をめざす動きが活発な一方で、原料高による収益悪化で製造業や建設業で求人を抑える動きも見られました。
このような環境下において、平山グループは、コロナ禍後の生産回復需要を取り込み、インソーシング・派遣事業を中心に全事業セグメントにおいて増収を確保しました。利益面では、当第1四半期に連結子会社化した株式会社平山GL(旧ブリヂストングリーンランドスケープ株式会社。以下「平山GL社」という。)においてグループ化に伴う諸費用が増加したこと、今後のグループ成長のため拠点と人員の拡充及び採用強化に伴う諸経費を戦略的に使用したことから押し下げられたものの、概ね期初の計画どおりとなりました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高8,538,347千円(前年同期比10.6%増)、人的資本等を中心に積極的な投資をしたことから営業利益218,132千円(前年同期比23.2%減)、経常利益は為替差益18,557千円等を計上したことから240,079千円(前年同期比23.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は法人税等92,997千円等を計上した結果157,524千円(前年同期比21.3%減)となりました。
セグメント別の業績の概況は、次のとおりです。
① インソーシング・派遣事業
インソーシング・派遣事業につきましては、自動車関連分野と農機具・小型建機関連分野において前期における部品供給制約の解消に伴い、生産が回復し業績を牽引しました。また、食品関連及び医療機器関連は引き続き底堅く推移しました。物流関連、航空・ホテル関連、流通ストア・コンビニ関連等においては、インバウンドの活況により引き続き旺盛な需要があり、既存取引先からの追加発注のみならず新規受注も好調でした。注力業種として新規受注した半導体関連については、前期に引き続き営業展開を拡充しました。なお、当第1四半期に連結子会社化した平山GL社は本セグメントに計上しております。
利益面では、自動車関連、医療機器関連及び前期に利益改善を進めたサービス系子会社が寄与したものの、平山GL社の連結子会社化に伴う諸費用の増加等により押し下げられました。また、今後の成長を見据え、顧客ニーズが強い高単価新規受注案件への人員配置及びハイエンド技能人材教育の強化を行うため、募集費を積極的に使用するとともに新たな拠点及び研修センターの設置、採用担当者及び教育人材を拡充した結果、人的資本増加に伴う関連費用が増加したものの、概ね計画通りの利益となりました。
採用面では、2023年新卒採用者が定着し生産の安定に寄与する一方、中途採用ではサービス産業の復調等業況が改善するとともに採用環境が前期に増して厳しくなり始めました。これに対し、平山グループは、コストパフォーマンスの良い地方テレビCM等のメディア活用、SNSの活用、ネットワーク採用等を前期から継続的に強化して企業イメージの向上を図るとともに、採用ルートの多様化等により採用の強化・採用コストの抑制に努めました。
こうした成長投資の結果、売上高は6,851,126千円(前年同期比9.6%増)となったものの、セグメント利益は351,565千円(前年同期比21.1%減)となりました。
② 技術者派遣事業
技術者派遣事業につきましては、主要顧客である大手製造業の一部で中長期を見据えた技術開発投資の持ち直しが見られ、電子機器の組み込みソフトウェアや半導体関連・生産設備関連の技術者を中心に、平山グループの受注は回復基調となりました。研修センターでの経験者へのステップアップ研修や顧客ニーズに対応したオーダー研修の実施などが高単価案件への配置に寄与したことにより、増収につながっております。稼働数においてもキャリアカウンセリングの強化やテクノカウンセリング窓口の設置により離職率の低下に一定の効果が出ており、今後も引き続き注力してまいります。
人材採用面では中長期の成長を見据えて採用活動を強化しており、2024年新卒の採用においては概ね予定通りの人員数で推移しております。一方、中途採用においては業界の人手不足感が解消されず、技術者の確保面で厳しい状況が継続しているため、採用チャネルの新規開発やコーポレートサイト刷新による企業イメージ向上など平山グループへのエントリー数増加を図っております。
利益面では、増収による利益確保に加え、販売費及び一般管理費の効率的使用に努めた結果、増益となりました。
この結果、売上高は721,137千円(前年同期比14.1%増)、セグメント利益は43,972千円(前年同期比182.5%増)となりました。
③ 海外事業
海外事業につきましては、主力のタイにおいて、製造業生産指数(MPI)が、2022年7~9月期は前年同四半期比7.7%増でしたが、2022年10~12月期は前年同四半期比6.0%減、2023年1~3月期は前年同四半期比3.7%減、2023年4~6月期は前年同四半期比5.5%減となり停滞しております。このような環境の下、タイにおける平山グループの派遣従業員数は、2023年6月時点で3,048名(前年同月比1.9%減)となりましたが、高単価顧客の増員ができたことで増収となりました。利益面では、前期に実施された社会保険料率軽減措置の廃止及び源泉徴収税還付に関する諸費用の発生等があり、原価及び販管費が増加しました。
この結果、売上高は727,768千円(前年同期比18.0%増)、セグメント利益は24,426千円(前年同期比25.1%増)となりました。
注 海外事業につきましては、2023年4~6月期実績を3カ月遅れで当第1四半期連結累計期間に計上しております。
④ その他
その他事業につきましては、国内はもとより海外からの現場改善に係るコンサルティング及び研修の案件が増加しました。また、生産性向上のAIソリューション開発に加えて、国内に生産回帰しようとする顧客に対する工場立ち上げ支援のコンサルティング案件が増加しました。
利益面では、外国人エンジニア及び技能実習生の配置が進んだことから、外国人雇用管理サポート事業の寄与により増益となりました。
この結果、売上高は238,315千円(前年同期比8.3%増)、セグメント利益は44,651千円(前年同期比58.8%増)となりました。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ788,973千円増加し、10,903,384千円となりました。
当第1四半期連結会計期間末の流動資産は、現金及び預金が195,992千円、受取手形及び売掛金が258,030千円、未収還付法人税等が143,209千円、その他流動資産が24,110千円、それぞれ増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ623,281千円増加し、9,263,352千円となりました。
当第1四半期連結会計期間末の固定資産は、有形固定資産が53,942千円、無形固定資産が5,211千円、投資その他の資産が106,538千円、それぞれ増加したことにより、前連結会計年度末に比べ165,692千円増加し、1,640,032千円となりました。
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ872,841千円増加し、7,000,052千円となりました。
当第1四半期連結会計期間末の流動負債は、未払金が35,858千円、賞与引当金が268,186千円、預り金等その他流動負債が576,955千円、それぞれ増加した一方で、未払法人税等が148,193千円、未払消費税等が49,833千円、1年内返済予定の長期借入金が8,273千円、それぞれ減少したことにより、前連結会計年度末に比べ674,700千円増加し、4,891,922千円となりました。
当第1四半期連結会計期間末の固定負債は、退職給付に係る負債が235,003千円増加した一方で、長期借入金が49,410千円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ198,141千円増加し、2,108,129千円となりました。
当第1四半期連結会計期間末の純資産合計は、親会社株主に帰属する四半期純利益157,524千円を計上した一方で、配当金185,625千円の支払及び自己株式の取得55,103千円等により、前連結会計年度末に比べ83,868千円減少し、3,903,332千円となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、平山グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、平山グループの対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。