【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において平山グループが判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年7月1日~2023年3月31日)におけるわが国経済は、2023年4月3日発表の全国企業短期経済観測調査(短観)にみられるとおり、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI:景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた値)は前回の12月調査から6ポイント悪化してプラス1となり、円安と資源高を背景とした原材料コストの増加が景況感を下押しし、5四半期連続で悪化したもののプラスを維持しました。大企業非製造業はプラス20となり、新型コロナウイルス禍の影響緩和から4期連続で改善しています。
一方、雇用の持ち直しが続いており、厚生労働省が3月31日に発表した2月の有効求人倍率は季節調整値で1.34倍と前月から0.01ポイント低下したものの、訪日外国人による消費の回復などで宿泊・飲食サービスを中心に求人が増えたことから、コロナ禍前の2019年8月以来の高水準になっております。また、景気の持ち直しや賃上げへの期待感から、より良い仕事を求める動きが広がり自発的な転職が増加したため、総務省が同日発表した2月の完全失業率は2.6%と前月比0.2ポイント上昇しました。
このような環境下において、平山グループは、自動車関連分野において前期に続き部品供給制約によるサプライチェーンの混乱により一部生産が先送りされたものの、コロナ禍後の生産回復需要を取り込み、インソーシング・派遣事業を中心に全事業セグメントにおいて増収増益を確保いたしました。利益面では、請負現場での現場改善及び受注単価の高い案件を獲得したこと、販売費及び一般管理費においてRPAを活用した効果などもあり、計画を上回る結果を出すことができました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高23,519,135千円(前年同四半期比15.4%増)、営業利益783,611千円(前年同四半期比40.1%増)、経常利益は824,715千円(前年同四半期比36.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は法人税等312,775千円等を計上した結果、506,590千円(前年同四半期比44.2%増)となりました。
セグメント別の業績の概況は、次のとおりです。
① インソーシング・派遣事業
インソーシング・派遣事業につきましては、自動車関連分野において前期に続き部品供給制約によるサプライチェーンの混乱により一部生産が先送りされるとともに、上半期に好調であった農業用機器関連、住設関連及び半導体関連は2023年3月期決算前に在庫調整が多くの顧客で行われたため当第3四半期において減産の影響はありましたが、医療機器関連は引き続き底堅く推移しました。物流関連、航空・観光関連、流通ストア・コンビニ関連等においては、既存取引先からの追加発注が好調であったことや新規取引先を獲得できたこと、さらにコロナ禍で取引が一旦終了していた顧客との取引再開などもあり、前期から引き続き旺盛な需要がありました。
利益面では、自動車関連分野において一部生産先送りによる収益圧迫があったものの、製造請負現場改善を継続したこと、新規に受注した高単価案件に人員配置ができたこと及びハイエンド技能人材教育に注力しつつ顧客から受注を獲得し、その案件に人材を配置できたことから増益を確保できました。
採用面では、新卒採用者が定着し生産の安定に寄与する一方、中途採用においては業況改善とともに採用環境が厳しくなり始め採用コストは上昇したものの、コストパフォーマンスの良い地方テレビCM等のメディア活用、SNSの活用、ネットワーク採用等を強化し、企業イメージを向上させつつ採用ルートの多様化に努めました。
この結果、売上高は18,852,821千円(前年同四半期比12.9%増)、セグメント利益は1,155,451千円(前年同四半期比9.6%増)となりました。
② 技術者派遣事業
技術者派遣事業につきましては、主要顧客である大手製造業の一部で中長期を見据えた技術開発投資の持ち直しがみられ、電子機器の組み込みソフトウェアや半導体関連、生産設備関連の技術者を中心に、平山グループの受注は回復基調となりました。2022年4月の新卒採用者の定着と、キャリアカウンセリングの強化、テクノカウンセリング窓口の設置効果による離職率の低下がみられ、稼働人員も堅調に推移しております。また、研修センターでの経験者へのステップアップ研修や、顧客ニーズに対応したオーダー研修の実施など技術者育成、定着の仕組み強化を継続しております。
一方、人材採用面では中長期の成長を見据え採用活動を強化しておりますが、業界の人手不足感が解消されず、経験者、未経験者を問わず技術者確保において厳しい状況が継続しております。
利益面では、増収による利益確保に加え、販売費及び一般管理費の低減にも努めた結果、増益となりました。
この結果、売上高は1,974,601千円(前年同四半期比23.1%増)、セグメント利益は69,425千円(前年同四半期比65.0%増)となりました。
③ 海外事業
海外事業につきましては、主力のタイにおいて、製造業生産指数は、前年同四半期比、2022年4~6月期は1.1%減、2022年7~9月期は7.7%増、2022年10~12月期は6.0%減と一進一退となりましたが、主要産業である自動車生産につきましては、2022年は前年比11.7%増と回復傾向となりました。このような環境の下、タイにおける平山グループの派遣従業員数は、2022年12月時点で前年同月比11.7%増となりました。
利益面では、高収益顧客の派遣増員に伴う収益の改善及び社会保険料率軽減措置による原価の低減等があり増益となりました。
この結果、売上高は1,997,043千円(前年同四半期比26.6%増)、セグメント利益は56,058千円(前年同四半期比50.4%増)となりました。
注:海外事業につきましては、2022年4~12月期実績を3か月遅れで当第3四半期連結累計期間に計上しております。
④ その他事業
その他事業につきましては、各国の行動制限や水際対策の段階的緩和により、現場改善コンサルティング及び研修が増加したことに加え、欧米・中東からの研修ツアーも再開しました。さらに、生産を国内に回帰しようとする顧客に対し、工場の立上げ支援コンサルティングの引き合いも増えました。
利益面では、外国人の入国制限が緩和されたことによりエンジニア及び技能実習生の配置が進んだことから、外国人雇用管理サポート事業の寄与により増益となりました。
この結果、売上高は694,668千円(前年同四半期比37.4%増)、セグメント利益は125,982千円(前年同四半期比138.6%増)となりました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,074,551千円増加し、9,789,110千円となりました。
当第3四半期連結会計期間末の流動資産は、現金及び預金が643,834千円、受取手形及び売掛金が74,531千円、未収還付法人税等が65,259千円、その他流動資産が74,465千円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ891,970千円増加し、8,280,499千円となりました。
当第3四半期連結会計期間末の固定資産は、無形固定資産が11,173千円、投資その他の資産が174,632千円増加した一方で、有形固定資産が3,225千円減少したことにより、前連結会計年度末に比べ182,580千円増加し、1,508,610千円となりました。
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ747,456千円増加し、5,877,759千円となりました。
当第3四半期連結会計期間末の流動負債は、1年内返済予定の長期借入金が94,096千円、賞与引当金が189,449千円増加した一方で、未払金が62,085千円、未払法人税等が29,057千円、未払消費税等が93,628千円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ60,570千円増加し、3,991,670千円となりました。
当第3四半期連結会計期間末の固定負債は、長期借入金が615,352千円、退職給付に係る負債が74,610千円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ686,885千円増加し、1,886,151千円となりました。
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、親会社株主に帰属する四半期純利益506,590千円を計上した一方で、配当金175,513千円の支払等により、前連結会計年度末に比べ327,094千円増加し、3,911,351千円となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、平山グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、平山グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。