【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において平山グループが判断したものであります。
(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間(2022年7月1日~2022年12月31日)におけるわが国経済は、2022年12月14日発表の全国企業短期経済観測調査(短観)にみられるとおり、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI:景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた値)は前回の9月調査から1ポイント悪化してプラス7となり、円安と資源高を背景とした原材料コストの増加が景況感を下押しし、4四半期連続で悪化したもののプラスを維持しました。大企業非製造業はプラス19となり、新型コロナウイルス禍の影響緩和から3期連続で改善しております。
一方、雇用の持ち直しが続いており、厚生労働省が12月27日発表した11月の有効求人倍率は季節調整値で1.35倍と前月から横ばいだったものの、新規求人倍率は2.42倍と0.09ポイント上昇し、訪日外国人消費の回復などで宿泊・飲食サービスを中心に求人が増えたことから、コロナ禍前の2019年8月以来の高水準になっております。また、総務省が同日発表した11月の完全失業率は2.5%と0.1ポイント下がりました。
このような環境下において、平山グループは、半導体等の部品供給制約によるサプライチェーンの混乱により一部生産が先送りされたものの、コロナ禍後の生産回復需要を取り込み、インソーシング・派遣事業を中心に全事業セグメントにおいて増収増益を確保いたしました。利益面では、請負職場での現場改善及び受注単価の高い案件を獲得したこと、販売費及び一般管理費においてRPAを活用した効果などもあり、計画を上回る結果を出すことができました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高15,769,304千円(前年同四半期比17.6%増)、営業利益585,044千円(前年同四半期比49.6%増)、経常利益は為替差益17,684千円等を計上したことから616,146千円(前年同四半期比52.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は法人税等226,749千円等を計上した結果、389,539千円(前年同四半期比83.2%増)となりました。
セグメント別の業績の概況は、次のとおりです。
① インソーシング・派遣事業
インソーシング・派遣事業につきましては、自動車関連において前期に続き半導体等の部品供給制約によるサプライチェーンの混乱により一部生産が先送りされたものの、医療機器関連、農業用機器関連、住設関連、物流関連、航空・観光関連、流通ストア・コンビニ関連等において前期から引続き旺盛な需要があり、既存取引先からの追加発注が好調であったことや新規取引先を獲得できたこと、さらにコロナ禍で取引が一旦終了していた顧客との取引再開などもあり、概ね計画通りの売上高となりました。
利益面では自動車関連において半導体等の部品供給制約による顧客の生産稼働停止・生産先送りによる収益圧迫があったものの、製造請負現場改善を継続したこと、新規に受注した高単価案件に人員配置ができたこと及びハイエンド技能人材教育に注力しつつ顧客から受注を獲得し、その案件に人材を配置できたことから増益を確保できました。
採用面では、新卒採用者が定着し生産の安定に寄与する一方、中途採用においては経済回復とともに採用環境が厳しくなり始め採用コストは上昇したものの、コストパフォーマンスの良い地方テレビCM等のメディア活用やSNS、ネットワーク採用等を強化し、企業イメージを向上させつつ採用ルートの多様化に努めました。
この結果、売上高は12,745,526千円(前年同四半期比15.6%増)、セグメント利益は870,672千円(前年同四半期比14.0%増)となりました。
② 技術者派遣事業
技術者派遣事業につきましては、主要顧客である大手製造業の一部で中長期を見据えた技術開発投資の持ち直しがみられ、電子機器の組込ソフトウェアや半導体関連、生産設備関連の技術者を中心に、平山グループの受注は回復基調となりました。2022年4月の新卒採用において確保した技術者の配属が予測より早く進展し、稼働人員も堅調に推移しております。また、平山グループ内の研修センターでの経験者へのステップアップ研修や技術面のバックアップを行うテクノカウンセリング窓口の設置、顧客ニーズに対応したオーダー研修の実施など技術者育成、定着の仕組み強化を継続しております。
一方、人材採用面では中長期の成長を見据え採用活動を強化しておりますが、業界の人手不足感が解消されず、経験者、未経験者を問わず技術者確保において厳しい状況が継続しております。
利益面では、増収による利益確保に加え、販売費及び一般管理費の低減にも努めた結果、増益となりました。
この結果、売上高は1,305,683千円(前年同四半期比24.3%増)、セグメント利益は36,608千円(前年同四半期比51.6%増)となりました。
③ 海外事業
海外事業につきましては、主力のタイにおいて、製造業生産指数が、2022年1~3月期は前年同四半期比1.6%増、2022年4~6月期は前年同四半期比0.8%減、2022年7~9月期は前年同四半期比8.1%増となり、回復傾向となっております。このような環境の下、タイにおける平山グループの派遣従業員数は、2022年9月時点で前年同月比2.0%増となりました。
利益面では、高収益顧客の派遣増員に伴う収益の改善及び社会保険料率軽減措置による原価の低減等があり増益となりました。
この結果、売上高は1,271,477千円(前年同四半期比24.1%増)、セグメント利益は37,392千円(前年同四半期比52.3%増)となりました。
(注)海外事業につきましては、2022年4~9月期実績を3か月遅れで当第2四半期連結累計期間に計上しております。
④ その他事業
その他事業につきましては、各国の行動制限又は水際対策の段階的緩和により、現場改善コンサルティング及び研修が増加したことに加え、欧米・中東からの研修ツアーも再開しました。また、生産を国内に回帰しようとする顧客に対し、工場の立上げ支援コンサルティングの引き合いが増えました。
利益面では、外国人について入国制限が緩和されたことによりエンジニア及び技能実習生の配置が進んだことから外国人雇用管理サポート事業の収益が寄与し増益となりました。
この結果、売上高は446,617千円(前年同四半期比42.5%増)、セグメント利益は64,321千円(前年同四半期比238.3%増)となりました。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,370,448千円増加し、10,085,008千円となりました。
当第2四半期連結会計期間末の流動資産は、現金及び預金が1,062,263千円、受取手形及び売掛金が129,926千円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,273,856千円増加し、8,662,384千円となりました。
当第2四半期連結会計期間末の固定資産は、無形固定資産が3,807千円、投資その他の資産が99,015千円増加した一方で、有形固定資産が6,230千円減少したことにより、前連結会計年度末に比べ96,592千円増加し、1,422,623千円となりました。
当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,150,589千円増加し、6,280,892千円となりました。
当第2四半期連結会計期間末の流動負債は、1年内返済予定の長期借入金が131,515千円、その他負債が400,178千円増加した一方で、未払消費税等が151,000千円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ432,425千円増加し、4,363,462千円となりました。
当第2四半期連結会計期間末の固定負債は、長期借入金が665,872千円、退職給付に係る負債が58,445千円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ718,164千円増加し、1,917,430千円となりました。
当第2四半期連結会計期間末の純資産合計は、親会社株主に帰属する四半期純利益389,539千円を計上した一方で、配当金175,513千円の支払等により、前連結会計年度末に比べ219,859千円増加し、3,804,115千円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ 1,044,263千円増加し、4,423,458千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、469,195千円(前年同四半期は50,018千円の増加)となりました。これは、主に税金等調整前四半期純利益616,396千円の計上、預り金の増加391,412千円等により資金の増加があった一方で、売上債権の増加116,520千円、未払消費税等の減少152,702千円、法人税等の支払額420,764千円などによる資金の減少があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、57,349千円(前年同四半期は302,156千円の減少)となりました。これは、主に定期預金の預入による支出18,000千円、無形固定資産の取得による支出15,845千円、投資有価証券の取得による支出10,000千円などがあったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は、619,532千円(前年同四半期は296,566千円の減少)となりました。これは、主に長期借入れによる収入900,000千円があった一方で、長期借入金の返済による支出102,613千円、配当金の支払額175,310千円などがあったことによるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、平山グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、平山グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。