【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況当連結会計年度(2022年1月1日~2022年12月31日)における当社グループは、ゴルフ専門のITサービス企業として、圧倒的な情報量とゴルフに特化したサービス力を強みに、ゴルファーにより快適で楽しいゴルフライフを提供してまいりました。また、2021年2月に公表した中期経営計画「LEAD THE WAY」の基本方針に基づき、ゴルフの新しい需要に応えること及び新しい需要の創出を目的として2022年8月31日付にて、連結子会社であるGolfTEC Enterprises LLC(以下「米GOLFTEC」といいます。)においてSkyTrak事業を取得いたしました。これらの結果、当連結会計年度(2022年1月1日~2022年12月31日)の業績は売上高46,090百万円(前年同期比16.4%増)となりました。また、SkyTrak事業取得の諸費用や米GOLFTECの持分追加取得に係る一時費用等により営業利益1,189百万円(前年同期比30.3%減)、為替差損の計上等により経常損失175百万円(前年は1,715百万円の経常利益)となりました。また、米国子会社の債務免除益等により特別利益として901百万円(前年同期51百万円)を計上する等で親会社株主に帰属する当期純利益339百万円(前年同期比67.2%減)となりました。
主要セグメント別の業績は次のとおりであります。
「国内」セグメント 当連結会計年度における「国内」セグメントの業績は、当連結会計年度の期首から「収益認識会計基準」を適用したことにより売上高27,593百万円(前年同期比0.9%減)となりました。また、セグメント利益は2,015百万円(前年同期比13.4%増)となりました。「海外」セグメント 当連結会計年度における「海外」セグメントの業績は、強いゴルフ需要をしっかり捉えた出店戦略等が奏功し売上高18,496百万円(前年同期比57.5%増)となりました。また、主にSkyTrak事業取得の諸費用や米GOLFTECの持分追加取得に係る一時費用等によりセグメント損失は825百万円(前年同期はセグメント損失71百万円)となりました。
② 財政状態の状況当連結会計年度末の財政状況は、総資産43,524百万円となり、前連結会計年度末に比べ21,673百万円増加しました。負債は、前連結会計年度末に比べ27,485百万円増加の41,925百万円となりました。純資産は、前連結会計年度末に比べて5,812百万円減少し、1,598百万円となりました。主要な勘定残高は、商品が3,018百万円、建物及び構築物が2,369百万円、使用権資産が7,631百万円、のれんが4,419百万円、短期借入金及び1年内返済長期借入金が5,092百万円、長期借入金が12,961百万円、長期リース債務が7,728百万円増加しました。また、第三者割当によるA種優先株式の発行及び非支配株主からの米GOLFTECの出資持分追加取得により資本剰余金が2,447百万円、利益剰余金が3,618百万円の減少となりました。
③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度と比較して483百万円減少し2,421百万円(前連結会計年度末比16.6%減)となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,412百万円の収入(前年同期は3,919百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益565百万円、減価償却費2,097百万円等による資金の増加が、棚卸資産の増加2,224百万円等による資金の減少を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、12,793百万円の支出(前年同期は3,580百万円の支出)となりました。これは主に、米GOLFTECにおけるSkyTrak事業の譲受による支出8,723百万円、有形固定資産の取得による支出2,809百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、11,914百万円の収入(前年同期は372百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額4,277百万円、長期借入れによる収入14,870百万円及び株式の発行による収入6,000百万円等による資金の増加が、米GOLFTECの出資持分追加取得のための支出12,341百万円を上回ったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績該当事項はありません。
ロ.仕入実績当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
国内
14,701
121.8
海外
3,870
179.8
合計
18,572
130.6
(注)金額は、仕入価格によっております。
ハ. 受注実績当社グループは、受注から販売までの所要日数が短く、常に受注残高は僅少であります。また、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。
ニ. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
国内
27,593
99.1
海外
18,496
157.5
合計
46,090
116.4
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本項に記載した予想、予見、見込み、見通し、方針等の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性及びリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので留意ください。
① 当連結会計年度の経営成績の分析
(売上高)当連結会計年度の売上は、国内外ともに2020年夏頃から続く高いゴルフプレー需要を好機と捉えて実行した施策が奏功し好調に推移しました。国内セグメントでは、高いゴルフプレー需要に加え高いインターネット需要も背景に積極的な販売促進活動を実施しましたが、当連結会計期間の期首から「収益認識会計基準」を適用したことによる影響を受け、売上は前年より△0.9%とわずかに減収となりました。海外セグメントでは、新規直営店出店や既存店舗における稼働率の向上、2022年8月に買収した「SkyTrak」事業の追加等で、売上は前年より57.5%増加しました。以上の結果、売上高は前年同期比16.4%増加し46,090百万円となりました。また、相対的に利益率の高いサービスの売上が伸びたものの、売上同様「収益認識会計基準」を適用したことによる影響を受け、売上総利益は6.0%減少し15,999百万円となりました。
(販売費及び一般管理費)国内セグメントでは、「収益認識会計基準」を適用したことによる影響に加え、売上の減収に応じてマーケティングコストのコントロールを実施しました。また、海外セグメントでは、米国内における物価高の影響を受けたコスト高に加え、事業拡大に伴う人員増加、「SkyTrak」事業の買収に関連する一時費用を計上したほか、需要の拡大に応じた積極的なマーケティング戦略の実施によるマーケティングコストが増加しました。以上の結果、販売費及び一般管理費は前年同期比3.3%減少し14,809百万円、営業利益は1,189百万円となりました。
(営業外損益及び経常利益)営業外損益は1,365百万円の損失(純額)となりました。不動産賃貸料12百万円、助成金収入9百万円等を計上したことにより、営業外収益は24百万円となりました。また、支払利息160百万円、為替差損824百万円、資金調達費用402百万円計上したことにより、営業外費用は1,390百万円となりました。以上の結果、経常損失は175百万円となりました。
(特別損益及び税金等調整前当期純利益)特別損益は740百万円の利益(純額)となりました。米国子会社における債務免除益865百万円を計上したことにより特別利益は901百万円となりました。また、固定資産除却損43百万円、子会社のGDOゴルフテックのスタジオにおいて減損損失を認識し減損損失114百万円を計上したことにより特別損失は160百万円となりました。以上の結果、税金等調整前当期純利益は565百万円となりました。
(法人税等(法人税等調整額を含む)及び親会社株主に帰属する当期純利益)法人税等は226百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は339百万円となりました。1株当たり当期純利益金額は、16円44銭となりました。
(重要な非財務指標)当社グループは当社ウェブサイトの総ビジター数、ユニークビジター数(注)を、当社グループの成長に重要な影響を与える指標と位置づけております。2023年2月末における当社ウェブサイトの総ビジター数は1,393万人、ユニークビジター数は492万人となりました。当社ウェブサイトを視聴しながら、「GDOゴルフショップ」においてゴルフ用品を購入したり、当社ゴルフ場予約サービスを利用してゴルフ場予約を行い、また当社の媒体価値が高まっていくことで新たな広告収入を喚起することが見込まれます。(注)当社ウェブサイトを特定の期間のうちに訪れた正味の人数
② 当連結会計年度の財政状態の分析
(資産)当連結会計年度末における総資産は43,524百万円となり、前連結会計年度末に比べ21,673百万円増加しました。流動資産は商品が増加したこと等により14,143百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,601百万円増加となりました。固定資産は使用権資産増加により29,381百万円となり、前連結会計年度末に比べて18,072百万円の増加となりました。
(負債)当連結会計年度末における負債は、流動負債が19,926百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,304百万円増加となりました。これは主に短期借入金及び1年以内長期借入金が増加したこと等によります。固定負債は21,999百万円となり、前連結会計年度末に比べて21,180百万円の増加となりました。
(純資産)当連結会計年度末における純資産は1,598百万円となり、前連結会計年度末に比べて5,812百万円の減少となりました。これは主に、第三者割当によるA種優先株式の発行及び非支配株主からの米GOLFTECの出資持分追加取得により資本剰余金が減少したこと等によります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析並びに資本の財源及び資金の流動性について
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。なお、主な事業内容における資金需要とそれに対する施策は以下のとおりです。ゴルフ用品販売サービスにおける運転資金需要は、通常、売掛金年齢、在庫回転率及び仕入規模に多大な影響を受けますが、当社グループの場合は、インターネットによる販売を主なものとしているため、仕入から売上計上のサイクルが極めて近く、在庫回転率は概ね月商の2~3ヶ月前後で推移しております。ゴルフ場予約サービス及び、広告サービスについては、仕入コストが極めて少額であり、売上金額の大部分が売上総利益となるため、営業キャッシュインフローとなります。売上計上と資金回収の期間は概ね2ヶ月以内であると同時に、ほぼ毎月において定額的な収入となるため、当社の安定的な資金源として大きく貢献しております。なお、昨今のゴルフ場の経営破たんにより、貸倒れとなるケースが一部ありますが、金額としては極めて少額であり、当社の財政に大きな影響を及ぼす要因にはなっておりません。経費面において、人件費やシステム投資等の固定費に加え、インターネットマーケティング費用の増大から変動販売費の割合が増加する傾向にありますが、更なる変動販売費比率の厳格管理により、適度な資金を維持しております。当社の資金需要に対しては、自己資金及び金融機関からの借入金により充足されており、今後は売上成長に伴う更なる運転資金需要も見込まれております。現在、当社と金融機関との関係は極めて良好であり、資金運用面及び情報提供において、金融機関から積極的な支援を得ております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
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