【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも各制限の緩和と政府の経済対策等により、緩やかに景気回復の動きがみられました。一方でウクライナ情勢や円安進行、原材料高騰による物価上昇が懸念される等、依然として先行きは不透明な状況にあります。
当社グループを取り巻く環境につきましては、新型コロナウイルス感染症に伴う人の移動制限が緩和されたことにより、転勤や転居の動きも緩やかに回復しているものと考えられます。
このような状況の下、当社グループは、資本業務提携先である株式会社BluAgeとの相互送客の実現や、シナジーのある企業との営業活動強化により、法人企業向けサービス「転勤ラクっとNAVI」及び不動産会社向けサービス「新生活ラクっとNAVI」のサポート件数が前年を上回る結果となりました。また、クラウド賃貸契約サービスにおいては、法人企業向けの社宅管理サービスである「ワンコイン転貸」に加えて、企業に勤める従業員個人が利用可能な、毎月2,000円(最大2年間)の家賃割引が受けられる「ヘヤワリ」の利用者拡大に注力し、管理戸数が20,000戸を突破いたしました。引越事業者向けサービスである引越しプラットフォーム「HAKOPLA(ハコプラ)」につきましては、案件マッチング数及び引越サポート件数が前期比で減少となりました。当連結会計年度においては、インターネットやライフライン等の取り次ぎ件数、転貸契約戸数が当初予想を下回ったことや、人件費の先行投資を積極的に実施したこと、当初2023年に計画していた東京支店の新設を前倒したことにより当初計画以外の販売費及び一般管理費が増加したことで減益となりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高2,555,046千円(前連結会計年度比7.5%増)、営業利益77,861千円(前連結会計年度比78.3%減)、経常利益77,982千円(前連結会計年度比77.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は50,781千円(前連結会計年度比78.8%減)となりました。
なお、当社グループは、移転者サポート事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は2,575,178千円となり、前連結会計年度末に比べ39,212千円増加しました。これは主に賃貸住宅転貸サービスにおける管理物件の増加に伴い前渡金が298,957千円、流動資産「その他」が22,810千円増加、東京支店の新設に伴う敷金等の支払いや資本業務提携に伴う投資有価証券の取得等により現金及び預金が299,972千円減少したものであります。また、当連結会計年度末における固定資産は885,112千円となり、前連結会計年度末に比べ369,212千円増加しました。これは主に賃貸住宅転貸サービスにおける管理物件の増加に伴い敷金及び保証金が166,218千円、資本業務提携に伴い投資有価証券が106,852千円増加したこと等によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における資産合計は3,460,290千円となり、前連結会計年度末に比べ408,425千円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,015,737千円となり、前連結会計年度末に比べ135,966千円増加しました。これは主に賃貸住宅転貸サービスにおける管理物件の増加に伴い前受金が276,035千円増加、未払法人税等が72,136千円減少したこと等によるものであります。また、当連結会計年度末における固定負債は552,035千円となり、前連結会計年度末に比べ215,805千円増加しました。これは主に賃貸住宅転貸サービスにおける管理物件の増加に伴い長期預り金が157,276千円、預り敷金及び保証金が56,518千円増加したこと等によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は1,567,773千円となり、前連結会計年度末に比べ351,772千円増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は1,892,517千円となり、前連結会計年度末に比べ56,652千円増加しました。これは新株予約権の権利行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ3,946千円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が48,707千円増加したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より299,972千円減少し、1,452,539千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、10,567千円(前連結会計年度は330,919千円の増加)となりました。これは主に当連結会計年度において税金等調整前当期純利益が77,982千円計上されたこと、賃貸住宅転貸サービスにおける管理物件の増加に伴い前渡金が298,957千円、前受金が276,035千円増加したこと、法人税等の支払額131,274千円の支出があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、316,948千円(前連結会計年度は126,219千円の減少)となりました。これは主に賃貸住宅転貸サービスにおける管理物件の増加に伴い、敷金及び保証金の差入による支出が229,686千円、資本業務提携に伴い投資有価証券の取得による支出が106,852千円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は、6,408千円(前連結会計年度は666,896千円の増加)となりました。これは主に新株予約権の権利行使に伴い株式の発行による収入が7,856千円あったこと等によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社グループは移転者サポート事業の単一セグメントであるため、事業部門別に記載しております。
事業部門の名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
金額
前年同期比
不動産会社向けサービス
1,318,613千円
102.4%
法人企業向けサービス
1,097,564千円
112.6%
引越会社向けサービス
138,868千円
120.6%
合計
2,555,046千円
107.5%
(注)不動産会社向けサービスには「新生活ラクっとNAVI」、法人企業向けサービスには「転勤ラクっとNAVI」「ワンコイン転貸」「ヘヤワリ」が含まれており、引越会社向けサービスには「HAKOPLA(ハコプラ)」「引越しラクっとNAVI」が含まれております。
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
ソフトバンク株式会社
733,894
30.9
738,956
28.9
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与えるような見積り・予測を必要としております。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り・予測を実施しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
また、連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度においては、法人企業等及び不動産事業者向けの移転者サポートサービスの着実な利用拡大に注力し、不動産会社向けサービス「新生活ラクっとNAVI」は新型コロナウイルスの影響を受けたものの、提携社数は138社増加しました。法人企業向けサービス「転勤ラクっとNAVI」においては、登録社数が361社増加、サポート件数は3,994件増加した結果となりました。また、引越事業者向けサービスである引越しプラットフォーム「HAKOPLA(ハコプラ)」につきましては、案件マッチング数が336件減少、引越サポート件数が572件減少する結果となりました。
当連結会計年度の経営成績等の分析、検討内容は以下のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、2,555,046千円(前期比7.5%増)となりました。これは主に「新生活ラクっとNAVI」における登録社数が1,192社(同138社増)に増加、主要サービスのサポート件数が316,149件(同14.1%増)に増加し、「転勤ラクっとNAVI」における登録社数は2,893社(同361社増)、主要サービスのサポート件数が33,922件(同13.3%増)に増加したことによるものでございます。引越しにつきましては、サポート件数は減少したものの売上高は前年を上回る結果となりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、329,651千円(前期比0.9%増)となりました。その主な内訳は、「新生活ラクっとNAVI」における不動産事業者のサービス依頼者に対するサービス利用者の依頼又は成約に応じた紹介手数料等が244,178千円(前期比7.6%減)、「転勤ラクっとNAVI」における販売代理店に対する外注費等が73,752千円(同36.1%増)、その他原価が11,721千円(同45.0%増)であります。
以上の結果、売上総利益は2,225,394千円(同8.5%増)となり、売上総利益率は87.1%となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、2,147,533千円(前期比27.0%増)となり、前連結会計年度に比べ456,961千円増加しました。これは主に、事業拡大に対応するための人員増加及び代理店施策に対応するための人員増加、並びに東京支店新設によるものです。
以上の結果、営業利益は77,861千円(同78.3%減)となり、営業利益率は3.0%となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、121千円となりました。これは主に取引先から受け取ったギフトカード等によるものであります。営業外費用の発生はありませんでした。
以上の結果、経常利益は77,982千円(前期比77.5%減)となり、経常利益率は3.1%となりました。
(特別利益、特別損失、法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益及び特別損失の発生はありませんでした。また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額含む)は27,201千円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は50,781千円(前期比78.8%減)となりました。
③キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループにおける主な資金需要は、事業規模の拡大に係る人件費、システム開発費用、賃貸物件転貸サービスにおける敷金及び保証金の差し入れとなります。事業活動に必要な資金は、自己資金又は金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等による資金調達を考えております。なお、本書提出日現在において当社グループは、無借金であり、事業活動に必要な資金は自己資金で確保できているため、健全な財政体制であると判断しております。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑥経営者の問題認識と今後の方針について
当社の経営者は、当社グループが今後さらなる成長と発展を遂げるためには、厳しい環境の中で様々な課題に対処していくことが必要であると認識しており、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、事業運営に努めて参ります。
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