【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進み持ち直しの動きが見られるものの、アメリカやEU各国、アジアではシンガポール等に比べ社会経済活動が依然として制限されるだけでなく、ウクライナ情勢や世界的物流の停滞及び世界的なインフレーション、各国の金利引き上げ政策の進展などにより貿易収支の急激な悪化、円安等が発生し社会・経済への影響等が先行き不透明な状況が続いています。当社グループでは、「持続的社会保障制度の構築」を通して「安心を育て、挑戦を創る」世界を実現させるため、「介護」、「障がい者支援」、「保育」の3分野を中心とした事業を行ってまいりましたが、様々な社会課題の解決に貢献すべく、国連の定める「SDGs(持続可能な開発目標)」のために当社グループが取り組むべき6つのマテリアリティ(重要課題)(中期経営計画2024参照)を特定しております。また、重要な課題である人材の獲得及びサービスの質の向上のため、今年度より人事総務部を分離独立させ、社内資格制度を開始し、今後導入予定のe-ラーニングシステムも活用しながら効率的な習熟を促す体制を構築予定です。更に、デジタルトランスフォーメーションを推進し、管理業務を中心にペーパーレス、押印レス、キャッシュレスを加速させて参ります。そして、サスティナビリティへの取り組みでも上げさせて頂いております「多様な人材が活躍できる社会の実現」のため、特定技能を中心とした外国人就労も進んでおります。当社グループを取り巻く環境として、主力事業である介護事業においては、高齢化率(総人口に占める65歳以上の割合)が2020年には28.8%に上昇し、団塊の世代が75歳以上となる2025年には「超高齢社会」に直面していくことは周知の状況となっており、医療・介護・年金を含めた社会保障制度全体の再構築が急がれております。少子高齢化の進行を背景に、介護サービスに対するニーズが拡大する一方、深刻化する人手不足への対応や介護人材の確保・育成が経営課題となっております。このような環境のもと、当社グループと致しましては、当第2四半期連結累計期間において新規施設7事業所の開設を行ないました。その結果、売上高6,715,666千円(前年同期比126.2%)、営業利益179,012千円(同72.6%)、経常利益59,984千円(同12.3%)、税金等調整前四半期純利益125,535千円(同26.6%)、親会社株主に帰属する四半期純利益83,862千円(同28.9%)となりました。
事業領域別の状況は以下のとおりです。
<介護事業>介護事業におきましては、当第2四半期連結累計期間において3事業所(有料老人ホーム2事業所、グループホーム1事業所)の新規開設を行い、当第2四半期連結会計期間末における有料老人ホーム等(注1)の稼働率は81.7%(開設後1年以上経過した事業所では87.8%)、グループホームの稼働率は91.8%(開設後1年以上経過した事業所でも93.8%)となりました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、ワクチン接種がご利用者様及び職員の中で進み、高価格帯施設含めて回復傾向にあり稼働率は復調してきておりますが、感染症法上の分類として未だ2類に区分されており、定期的な感染者拡大の影響は大きく、クラスターが発生しなかったとしても、新規入居停止や感染又は感染の疑いのある職員の出勤停止等により、事業活動を制限せざるを得ず、本来の収益構造とは大きく異なる結果となっております。ただし、今期も事業は順調に拡大していることから、新型コロナウイルス感染症の影響が抑制されるような政策の転換があった場合には、収支構造の改善が急速に起きる可能性は高く、また政策の転換がなかったとしても新規開設施設の稼働率向上により時間軸の長短はあるものの改善される方向性と考えております。当社グループの介護事業は、より人材の確保がしやすく、利益率も高い施設介護の運営に注力しており、特に有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームを中心として事業の推進に取り組んでまいりました。事業展開の優先順位は、許認可を必要とする介護付き有料老人ホームやグループホームを高く設定いたしますが、一方、自治体での許認可公募状況、需給環境を踏まえ、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅に訪問介護や看護等を併設する事業モデルでも事業拡大をしてまいります。(注1)介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、短期入居者生活介護
<障がい者支援事業>障がい者支援事業におきましては、当第2四半期連結累計期間において3事業所(グループホーム)の新規開設を行い、当第2四半期連結会計期間末における就労継続支援B型の稼働率は58.7%(開設後1年以上経過した事業所では62.0%)、グループホーム等(注2)の稼働率は69.2%(開設後1年以上経過した事業所では90.0%)となりました。新型コロナウイルス感染拡大の影響は回復傾向にあり、稼働率は復調してきておりますが、介護事業と同様、未だに本来の収益構造を達成するには至りませんでした。ただし、グループホームを中心として、事業開発は順調に進んでおり、政策の転換等があった場合には、本来の収益構造の顕在化により、収支の急速な改善の可能性は高いと考えております。また、政策の転換がなかったとしても、今後介護と同様グループホームが公募制に移行する可能性が高い中で、短期的な利益を抑制させても事業拡大することが中長期では効率的と考えており、事業拡大速度重視の政策をとっているため、一定規模への拡大後は、利益が想定水準に達する見込みです。当社グループの障がい者支援事業は、障がい者の自立した生活を実現するためのトータルサポート体制の構築を重視しております。生活訓練、継続支援事業を通じて様々な就労訓練を行うだけでなく、自立した生活を目指す方々の住まいとしてグループホーム等を提供し、また、介護、保育や給食事業等の当社グループ内事業所への就職の拡充も図っていくことで、利用者の方々が社会の重要な戦力として活躍するお手伝いを進める方針です。(注2)共同生活援助(グループホーム)、福祉ホーム
<保育事業>保育事業におきましては、当第2四半期連結累計期間において1事業所(認可保育所)の新規開設を行い、当第2四半期連結会計期間末における認可保育所の稼働率は79.0%(開設後1年以上経過した事業所では83.5%)、企業主導型保育所の稼働率は43.2%(開設後1年以上経過した事業所でも43.2%)となりました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響はほぼ回復傾向しております。ただし、整備率の向上に伴い、新規事業公募が停止される自治体も増加しており、市場としてのピークアウトは近いと考えております。国として少子高齢化が進むなか根本的に子供を産みたい方が産める社会的インフラが求められているところ、今後も待機児童の解消は最重要課題であるだけでなく、保育指導指針の改定により養護だけでなく教育が求められてまいりました。当社グループでは、この教育という要素を重要視し、当社グループの高齢者事業所との連携において多世代交流を深め、文化の伝承を促進し、子供の生き抜く力を養う支援を行うと共に整備を進める方針です。
(2) 財政状態の分析当第2四半期連結会計期間末の総資産は10,497,241千円となり、前連結会計年度末と比べ369,027千円の減少となりました。これは主に、建物及び構築物が265,176千円増加した一方、現金及び預金が478,610千円、建設仮勘定が123,757千円減少したことによるものであります。当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、9,052,887千円となり、前連結会計年度末と比べ466,884千円の減少となりました。これは主に、未払費用が52,922千円、賞与引当金が15,661千円増加した一方、長期借入金が307,370千円、未払法人税等が187,980千円減少したことによるものであります。当第2四半期連結会計期間末の純資産合計は、1,444,353千円となり、前連結会計年度末と比べ97,857千円の増加となりました。これは主に、利益剰余金が478,908千円増加した一方、資本剰余金が393,253千円減少したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ351,268千円減少し、1,273,256千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、163,423千円の収入となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益125,535千円、減価償却費118,811千円、売上債権の増加額95,094千円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、172,603千円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入284,709千円、貸付金の回収による収入318千円、有形固定資産の取得による支出359,679千円、敷金及び保証金の差入による支出85,016千円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、469,430千円の支出となりました。これは主に、長期借入れによる収入234,610千円、短期借入金の純増減額△2,503千円、長期借入金の返済による支出680,670千円等によるものです。
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