【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
業績等の概要
(1)業績
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための取組やワクチン接種が進ん
だことにより、活動制限も徐々に緩和し一部持ち直しの動きがあるものの、急激な円安進行や原材料価格の上昇お
よびエネルギー価格の高騰による物価上昇等、不透明な状況で推移いたしました。
コーヒー業界においても、コーヒー相場の上昇および円安進行による原材料価格の上昇、また、LNGを含むエネ
ルギー価格の上昇によりコスト増加を余儀なくされた状況となりました。
このような状況の中で、当社グループの当連結会計年度につきまして、工業用コーヒーにおいては、主要取引先
の一部において取引が減少したことにより、売上高、取扱数量ともに昨年を下回りました。
業務用コーヒーにつきましては、取引先が外食店中心であることから、コロナの影響を最も受ける業態であるも
のの、活動制限の緩和による需要の回復が見られたことと、新しい生活様式に基づく消費者需要の変化への適応に
よる伸長等により、売上高、取扱数量ともに昨年を上回ることとなりました。 以上の結果、当連結会計年度の売上高は10,713百万円(前年同期比29.6%減)となりました。また、利益面では
営業損失は66百万円、経常損失は84百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は190百万円となりました。
なお、冒頭に触れた、「収益認識に関する会計基準」等の適用により、当連結会計年度の売上高は5,414百万円減
少し、営業利益は1百万円増加しております。
(2)キャッシュ・フロー
①キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より941百万円減少
し、3,856百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は437百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失100百万円、減価償却費415百万円、売上債権の増加411百万円、棚卸資産の減少124百万円、仕入債務の増加695百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は543百万円となりました。これは主に、投資計画に基づいた有形固定資産の取得による支出488百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は835百万円となりました。これは主に、配当金の支払106百万円及び長期借入金の返済による支出725百万円によるものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当社グループはコーヒー関連事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
前年同期比(%)
コーヒー関連事業(千円)
13,206,725
107.3
合計
13,206,725
107.3
(2)商品仕入実績
当社グループはコーヒー関連事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における商品仕入実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
前年同期比(%)
コーヒー関連事業(千円)
377,986
74.4
合計
377,986
74.4
(3)主要原材料の実績
①主要原材料の入手量、使用量及び在庫量
原材料名
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
入手量
(トン)
前年同期比
(%)
使用量
(トン)
前年同期比
(%)
在庫量
(トン)
前年同期比
(%)
コーヒー生豆
36,402
121.8
37,394
124.2
593
37.4
②主要原材料の価格の推移
原材料名
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
2022年3月
2022年6月
2022年9月
2022年12月
コーヒー生豆(円/kg)
456.32
471.94
489.52
563.36
(注)1.価格は購入価格の平均で表示しております。
2.当社製品の主要原材料でありますコーヒー生豆は国際商品であり、かつわが国では全量輸入のため、当社の仕入価格は国際商品市況及び為替相場の変動による影響を受けております。
(4)受注実績
当社グループの製品は見込生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しております。
(5)販売実績
当社グループはコーヒー関連事業の単一セグメントであり、当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
前年同期比(%)
コーヒー関連事業(千円)
10,713,988
70.4
合計(千円)
10,713,988
70.4
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
森永乳業株式会社
1,218,460
8.0
1,351,493
12.6
ユーシーシー上島珈琲株式会社
1,757,058
11.5
1,271,462
11.8
株式会社MCアグリアライアンス
3,106,014
20.4
1,224,608
11.4
アサヒ飲料株式会社
1,545,488
10.2
191,918
1.8
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年12月31日)現在において判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきまして、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」および「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2)経営成績の分析
① 売上高
売上高の詳細については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (1)業績」に記載のとおりであります。
② 売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は2,208百万円となりました。
③ 営業損益
当連結会計年度の営業損失は66百万円となりました。
④ 経常損益
当連結会計年度の経常損失は84百万円となりました。
⑤ 親会社株主に帰属する当期純損益
当連結会計年度は190百万円の親会社株主に帰属する当期純損失となりました。
なお、セグメントの分析は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (1)業績」の項目を、また今後の事業環境の見通しと当社グループの課題につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の項目を、それぞれご参照ください。
(3)財政状態の分析
① 資産
流動資産は、前連結会計年度より564百万円減少し、8,267百万円となりました。主な要因は、売掛金が411百万円増加しましたが、現金及び預金が941百万円、原材料及び貯蔵品が222百万円減少したことによります。固定資産は、前連結会計年度より224百万円減少し、5,647百万円となりました。主な要因は、有形固定資産が186百万円、無形固定資産が22百万円、投資その他の資産が15百万円減少したことによります。
この結果、当連結会計年度末の総資産は、789百万円減少し、13,914百万円となりました。
② 負債
流動負債は、前連結会計年度より208百万円増加し、5,234百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金が695百万円増加し、未払金が378百万円、未払法人税等が45百万円及び未払消費税等が52百万円減少したことによります。固定負債は、前連結会計年度より717百万円減少し、2,862百万円となりました。主な要因は長期借入金が725百万円減少しましたが、退職給付に係る負債が19百万円増加したことによります。
この結果、当連結会計年度末の負債合計は前連結会計年度より509百万円減少し、8,096百万円となりました。
③ 純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度より280百万円減少し、5,817百万円となりました。この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は41.8%となりました。
(4)キャッシュ・フローの分析
① キャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は437百万円、投資活動の結果使用した資金は543百万円、財務活動の結果使用した資金は835百万円となりました。その結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は3,856百万円となりました。
② キャッシュ・フロー指標
主要項目
当連結会計年度
(2022年12月31日)
自己資本比率(%)
41.8
時価ベースの自己資本比率(%)
88.2
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)
7.5
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)
16.3
・自己資本比率:自己資本/総資産
・時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)によって算出しております。
・キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を払っている全ての負債を対象としております。
・インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い
利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の「利息の支払額」を使用しております。
(5)資本の財源及び資金の流動性
①キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(4)キャッシュ・フローの分析」に記載のとおりです。
②資金需要
当社グループの運転資金需要は、原材料費、製造経費、商品仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備投資資金需要は、機械設備新設及び改修等に係る投資資金によるものであります。
③財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。