【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響は継続しているものの、ウィズコロナに向けた経済社会活動の正常化の動きが見られました。一方で、ウクライナ情勢を始めとした地政学リスクや原材料の価格の上昇、急激な円安が継続しており、先行きは不透明な状況が続いております。
10月発表のIMF世界経済見通しにおいては、歴史的なインフレとそれに対応する各国の金融引き締め、中国のロックダウン(都市封鎖)、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、パンデミックの継続等を受けて、2023年の経済成長率が+2.9%から+2.7%に引き下げられており、世界景気減速懸念が高まっています。
このような環境の中、当社グループは、国内では、段階的に回復する飲食市場への拡販及び流通販売業や加工販売業等の飲食外市場への拡販と新規顧客の開拓に注力いたしました。上半期においては世界的なサプライチェーンの混乱や中国のロックダウン等を起因とする部材の調達難が起こり製品供給への制約が生じましたが、7月以降は段階的に緩和に向かいました。一方、部材価格の高騰は継続しており、6月には自社努力のみでは収益性の改善は困難と判断し、製品価格の改定を実施しております。
海外では、経済の持ち直しにより売上は継続的に回復しました。一方で、世界的な部材価格や物流費の高騰、また米国を中心とした人手不足や人件費の上昇等の影響を受ける中、製品価格の改定は随時実施し、収益性の維持に努めました。なお、円換算ベースにおいては円安進行に伴い今期業績へのプラス影響がありました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は2,390億37百万円(前年同期比14.9%増)、営業利益は232億93百万円(同10.6%増)となりました。また、保有外貨資産等の円換算評価による為替差益151億36百万円を計上したことにより、経常利益は386億5百万円(同52.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は264億62百万円(同49.6%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①日本
日本におきましては、主力製品である冷蔵庫、製氷機及び食器洗浄機等の拡販に努めました。上半期は部材の調達難により納期が長期化し製品供給への制約が生じましたが、7月以降は段階的に緩和に向かいました。また、部材の調達難に伴う代替部品の調達にかかる費用や部材価格の高騰等が利益に大きく影響している中、6月に製品価格の改定を実施しております。この結果、売上高は1,463億54百万円(前年同期比4.3%増)、セグメント利益は158億84百万円(同7.1%増)となりました。
②米州
米州におきましては、製氷機、冷蔵庫、食器洗浄機、ディスペンサ等の拡販に努めましたが、強い需要に対し部材の調達難による製品供給への制約が生じました。また、部材価格の高騰や人手不足による人材確保のための費用、人件費の上昇の影響を受けました。一方で、円安による為替換算の影響もあり、売上高は590億20百万円(前年同期比31.5%増)、セグメント利益は52億52百万円(同26.3%増)となりました。
③欧州・アジア
欧州・アジアにおきましては、飲食店向けを中心に主力製品の拡販に努めましたが、4月以降の欧州における製氷機部材の調達難・供給制約によるプロダクトミックスの変化等によって、収益性の悪化が生じました。一方で、インドにおける冷蔵庫の販売が好調に推移するとともに、円安による為替換算の影響もあり、売上高は398億34百万円(前年同期比43.3%増)、セグメント利益は32億82百万円(同35.6%増)となりました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ624億46百万円増加し、4,409億16百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ373億72百万円増加し、3,480億18百万円となりました。主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産、原材料及び貯蔵品の増加によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ250億73百万円増加し、928億97百万円となりました。主な要因は、のれんの増加によるものであります。
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ174億50百万円増加し、1,360億58百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ151億40百万円増加し、1,095億89百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ23億9百万円増加し、264億68百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ449億96百万円増加し、3,048億58百万円となりました。主な要因は、利益剰余金、為替換算調整勘定の増加によるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、34億11百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。