【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、当第1四半期連結会計期間より報告セグメントの名称を変更しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、前期に引き続き既存事業で徹底したコスト削減を進めながら、今後の成長の核となる新規事業領域の拡大に向けて、持続的な成長のための事業基盤の強化、推進に努めてまいりました。また、SDGsやサーキュラーエコノミーの文脈において事業機会が相当数増加しており、事業化の取組みを加速しております。
素材ビジネスにおいては、先行投資フェーズから利益貢献フェーズへ移行し、外部企業等との連携による取り組みも加速しており、更なる成長のための基盤は拡大しております。また、当社グループのリサイクル素材への引き合いは増加しており、生産性改善による生産量の増加と原価低減により収益性の改善が継続しております。さらに、ソリューション事業においては、昨今の廃棄物処理費用の高騰により資源リサイクルにおける当社グループのノウハウへの引き合いが増加しており、ライセンス契約やコンサルティング受託、設備販売、設備設計業務受託などで収益源を拡大する受注活動が進捗し、一部では売上計上も実現し、収益・利益の増加に貢献しております。
資源ビジネスにおいては、DX化等を進め生産性向上を進めていくと同時に、廃材処理バリューチェーン改革等の新サービスの提供により顧客の収益性を高める取組みが奏功し過去最高の受注高を更新しました。また、新規事業領域となる廃プラ資源化への取組みを加速し、既存事業での安定的な成長とともに収益基盤の強化に努めてまいります。
この結果、当第1四半期連結会計期間末の財政状態及び当第1四半期連結累計期間の経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は1,404,476千円となり、前連結会計年度末(以下「前年度末」という)と比べ290,501千円減少しております。これは主として子会社取得により現金及び預金が388,973千円減少、売上の増加に伴う受取手形及び売掛金が64,760千円増加したことによるものです。
当第1四半期連結会計期間末における固定資産は2,879,593千円となり、前年度末と比べ1,325,945千円増加しております。これは、主として子会社取得を含む有形固定資産が842,911千円、及びのれんが476,340千円増加したことによるものです。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は1,171,865千円となり、前年度末と比べ260,610千円増加しております。これは主として子会社取得を含む短期借入金が100,000千円、1年内返済予定の長期借入金が53,913千円、短期リース債務が36,645千円、支払手形及び買掛金が59,225千円増加したことによるものです。
当第1四半期連結会計期間末における固定負債は2,530,592千円となり、前年度末と比べ759,343千円増加しております。これは、主として子会社取得を含む長期借入金が653,560千円、長期リース債務が69,069千円増加したことによるものです。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産は581,610千円となり、前年度末と比べ11,552千円増加しております。これは、主として利益剰余金が9,650千円増加したことによるものです。
b.経営成績
当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高1,146,508千円(前年同期比38.8%増)、営業利益20,659千円(前年同期比44.3%減)、経常利益8,544千円(前年同期比38.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益9,648千円(前年同期比28.1%減)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当第1四半期連結会計期間より報告セグメントの名称を変更しており、変更後の名称で記載しております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。
また、記載のセグメント別の金額はセグメント間取引の相殺前の数値です。
(素材ビジネス)
素材ビジネスにつきましては、前期に引き続きセグメント損益は黒字で推移しております。原状回復工事増加に伴う廃カーペットタイル受入処理量は堅調に推移し、廃カーペットタイルをリサイクルした再生塩化ビニルコンパウンド「リファインパウダー」の引き合いが増加しております。また、自動車エアバッグの基布や廃棄漁網等をリサイクルしたナイロン樹脂「REAMIDE®」(リアミド)がアパレルや成型パーツ向け等の複数の業界で引き合いが増加しており、生産性を改善することにより生産量を増加し、売上拡大とともにコスト圧縮を継続することで利益の拡大を図っております。さらに、ソリューション事業において、海外における自動車エアバッグ基布のマテリアルリサイクルの事業化向けやコンサルティングの受託など、複数のソリューション案件の売上計上により収益に貢献しております。
この結果、売上高は398,961千円(前年同期比24.6%増)となり、セグメント利益は36,918千円(前年同期比266.3%増)となりました。
(資源ビジネス)
資源ビジネスにつきましては、産業廃棄物処理事業で過去最高の受注高を更新し、安定的な成長を継続しております。解体工事から収集運搬・中間処理まで一括受注できる体制と小回りを利かしたサービスを強みに営業活動を強化したことに加え、DX化・廃材処理バリューチェーン改革など顧客の収益性を高める取組みが奏功し、増加する原状回復工事の受注獲得を継続しております。また、2022年7月1日付で株式会社コネクションをグループ化し、産廃処理事業の業績に貢献しました。株式会社ジーエムエスとのシナジー創出により、収益力の向上を図っております。さらに、ケミカルリサイクルの事業化や廃プラ資源化新商流の創出等、新規事業領域となる廃プラ資源化への取組みを加速しております。
この結果、売上高は765,164千円(前年同期比45.6%増)、セグメント利益は119,236千円(前年同期比3.7%増)となりました。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当社グループでは素材ビジネスにおいて、付加価値向上と製品用途の多様化を目的とした再生樹脂の高純度化及び、新規事業分野への進出を目的とした独自のリサイクル技術の開発に関する研究開発を行っております。
なお、研究開発費については、素材ビジネスを中心に当第1四半期連結累計期間において4,458千円を計上しており、具体的な研究内容は以下のとおりです。
a.研究開発体制
① 社内における研究開発体制
研究開発活動に従事する専門部署として研究開発部を設置し、千葉県八千代市のリファインバース株式会社千葉工場内及び千葉県富津市のリファインバースイノベーションセンターにある研究開発施設にて研究を進めております。
② 社外との協力による研究開発体制
当社グループにて実施している研究開発に加えて社外の企業と連携することで研究開発から事業化に向けての機能を強化しております。品質面やコストの課題を明確にすることや素材の活用方法を共同で検討することなどにより、研究開発の成果としての事業化への実現可能性を高めるための協力体制を築いております。
b.主要な研究開発テーマと成果
① 素材化技術開発
複合素材製品を構成素材ごとに分離する技術開発を進めております。当社グループのこれまでのコア技術である機械的処理では省エネルギー・短プロセスの独自開発技術によりカーペットタイルの再資源化を低コストで処理することを可能としたことで事業が成長してまいりました。
また、素材の分離精度向上を目的として新たに化学的処理技術の研究開発を進めております。この新たな化学的処理技術により再資源化された素材が高純度化される事で、再生素材製品の高付加価値化が実現できるだけでなく、これまでリサイクルが困難であった廃棄物の再資源化が可能となり、当社グループの事業領域及び収益の拡大に寄与することとなります。
直近では、ナイロン樹脂の基となる使用済みの漁網・ロープなどの漁具類や複合素材の自動車用エアバッグを、低コストな機械的処理と化学的処理の組合せにより付加価値の高い素材として再資源化する事ができ、安定的且つ高品質な再生ナイロン樹脂「REAMIDE®」(リアミド)を量産化する事が可能となりました。
このように、低コストな機械的処理と高付加価値な化学的処理の組合せにより、コスト競争力のある素材製造が可能となるため、今後も継続して素材化技術開発には積極的な研究開発を継続する予定です。
② 調合/成形技術開発
素材化技術によって構成素材ごとに分離された素材を、製品化するための調合及び成形技術開発を進めております。混合圧縮成形技術では様々な要求品質に応じて微粉体形状の各種原料を調合し、且つ低コストで混合圧縮成形を可能にすることを開発いたしました。
また、ナイロン樹脂のコンパウンド技術についても日東化工社から継承した技術をベースに当社グループ技術として着実に定着させたことで、今後の各種廃棄物から素材化されるナイロン樹脂を高付加価値化するための技術的基盤が構築されております。
これらの新たな技術開発は事業領域の拡大だけでなく既存事業の原価低減にも寄与いたしております。
(5) 主要な設備
当第1四半期連結会計期間において、株式会社コネクションを連結の範囲に含めたことに伴う主要な設備の増加は、以下のとおりであります。
2022年9月30日現在
会社名
事業所名
(所在地)
セグメントの名称
設備の内容
帳簿価額(千円)
従業員数
(人)
建物及び
構築物
機械装置
及び
運搬具
工具、
器具及び
備品
土地
(面積㎡)
リース
資産
その他
合計
株式会社コネクション
本社
(東京都足立区)
資源ビジネス
本社機能・破砕機
242,643
59,628
4,249
418,000
(1,499.5)
110,041
37,724
872,286
42(-)
(注)1.現在休止中の主要な設備はありません。
2.「その他」は、主に建設仮勘定、施設利用権であります。
3.従業員数の( )は、臨時雇用者数を外書きしております。
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