【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限の緩和以降、全国旅行支援や入国者の水際対策の緩和によるインバウンドの増加等により、緩やかながら景気回復への動きが見られました。しかしながら新型コロナウイルス感染症の第8波が生じたことに加え、ウクライナ情勢や円安を背景とした原材料・エネルギー等の価格高騰により、様々なモノやサービスの値上げが実施され、消費マインドの冷え込みが懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。世界経済につきましても、ウクライナ情勢の長期化や欧米におけるインフレ抑制のための政策金利の引上げ等から、景気後退への懸念が高まっております。
外食産業におきましては、入国者に対する水際対策が緩和されインバウンド需要が回復傾向にあるものの、新型コロナウイルス禍を契機にした生活様式の変化により、夜間時間帯の利用客が大幅に減少しております。更に原材料価格の高騰、光熱費、物流費、人件費等の上昇にも悩まされており、厳しい経営環境が続いております。
このような状況の中、当社の主力事業である回転寿司事業は、2021年5月の「かっぱ寿司 うまい!品質宣言」以降、ネタだけではなく、寿司の基本となるシャリ・醤油・ワサビなどの基礎商材のブラッシュアップも行うとともに、人気寿司職人とのコラボ「名店レシピ」シリーズや希少価値の高い厳選ネタの販売など、進化するこだわりの「うまい!」を多くのお客様に体験して頂くことに取り組んでまいりました。また、直近で改装した店舗につきましては、自動案内システムやセルフレジ、ご自身のスマートフォンがタッチパネル替わりになる「スマホオーダー」を導入し、非接触型のサービスを強化しており、今後も随時各店に導入を進めていく予定です。また、店内ではウィズコロナにおける感染症予防対策を行い、安心してお食事をお楽しみ頂ける店舗づくりに取り組んでおります。
一方、コストにおきましては、原材料価格や光熱費、物流費及び人件費の高騰などといったコストアップが顕在化しておりますが、フルオーダー化を進めることにより、生産性の向上や商品廃棄の低減に取り組んでまいりました。また、コロワイドグループのシナジー効果を活かし、コロワイドグループ全体で業態間の連携による食材歩留まりを意識したメニュー開発を実施し、原材料価格の低減にも取り組んでおります。
以上のような取組みを行ってまいりましたが、11月に新型コロナウイルス第8波が顕在化したことや夜間時間帯における人流の大幅な減少等のため、既存店売上高は、当初想定した新型コロナウイルス禍が顕在化する前の水準には戻っておりません。
このようなことから、当第3四半期連結累計期間の売上高は525億90百万円(前年同期比3.5%増)、営業損失は13億41百万円(前年同期は営業損失21億92百万円)、経常損失は13億45百万円(前年同期は経常損失21億6百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は16億1百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益28百万円)となりました。
なお当社は、「第2 事業の状況 1 事業等のリスク (1)訴訟その他の法的手続について」に記載のとおり、主要なリスクが発生しております。この度の事態により、関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。当社では、営業秘密管理を含むコンプライアンス教育を継続不断の取り組みとして実施し、より一層強化し徹底してまいる所存です。
また、新たに当社代表取締役社長に山角豪が就任致しました。山角は、株式会社アトムの代表取締役との兼任状況になりますが、今回の就任は緊急的なもので、役割責務を適正に遂行するために必要となる時間・労力を確保できる合理的な範囲であると考えられることから、当社業務執行に支障が無いと判断しております。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
〈回転寿司事業〉
回転寿司事業におきましては、こだわりの「うまい!」かっぱ寿司を多くのお客様に実感して頂きたいという想いから、「一皿100円(税込110円)」商品の拡大に取り組んでまいりました。そして、タレントを起用したテレビCMなどを通じ、多くのお客様への情報発信に取り組んでまいりました。また、TVアニメなどのキャラクターとコラボしたアプリ会員向けのオリジナルグッズプレゼントキャンペーンを実施し、鮪の王様「本鮪」・初物の「うに」をはじめとした期間限定商品をお手頃価格にて販売することなどにより、お客様の店舗体験価値の向上に努めてまいりました。今後も「一皿100円(税込110円)」で「うまい!」を多くのお客様に体験して頂くため、様々な施策を実施してまいります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、賃貸借契約終了により5店舗、コロワイドグループ内での業態変更により2店舗の閉店を行った結果、当第3四半期連結会計期間末で302店舗となりました。
以上の結果、回転寿司事業の売上高は419億13百万円(前年同期比4.7%増)となりました。
<デリカ事業>
デリカ事業におきましては、コンビニエンスストアを中心とした寿司弁当、調理パンなどの新規取引先の拡大、既存顧客の販売強化に取り組んでおりますが、社会活動の正常化が進んだことによる巣ごもり需要の縮小により、売上高が前年同期比で減少致しました。
以上の結果、デリカ事業の売上高は106億77百万円(前年同期比0.8%減)となりました。
②財政状態
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における総資産は316億73百万円となり、前連結会計年度末に比べ24百万円増加致しました。これは主に、現金及び預金が12億13百万円減少、売掛金が7億4百万円増加、機械装置及び運搬具が8億18百万円増加、敷金及び保証金が2億87百万円減少したことによるものです。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は215億8万円となり、前連結会計年度末に比べ15億87百万円増加致しました。これは主に、買掛金が10億1百万円増加、長期借入金及び1年内返済予定の長期借入金が2億90百万円減少、社債及び1年内償還予定の社債が5億75百万円減少、長期未払金及び未払金が14億56百万円増加したことによるものです。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は101億64百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億63百万円減少致しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失16億1百万円により利益剰余金が減少したことによるものです。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間におきまして、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動
該当事項はありません。