【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
経営成績等の状況の概要
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く環境を振り返りますと、国内においては、ワクチン接種進展に
より新型コロナウイルス感染リスクが低下し、また、まん延防止重点措置が全面解除されたこと等により景気は
緩やかに持ち直しました。米国では、堅調な雇用情勢を背景に個人消費が底堅く推移したものの、インフレの高進
を受け、FRBが複数回にわたり政策金利の引き上げを実施したこと等により景気は減速しました。中国では、5
月から多くの都市がコロナ対応の活動制限を緩和したこと等により景気は最悪期を脱しました。しかし9月には再
び広範囲において行動制限が発動となり、その後12月にはゼロコロナ政策の転換が発表されましたが景気は低迷し
ました。一方で、昨年顕在化した世界的な電子部品・半導体需給のひっ迫は緩和傾向にあるものの、車載や産業機
器向けでは需要拡大に供給が追いついておらず、一部の電子部品については入手困難な状況が続きました。
このような経営環境下、当連結会計年度の経営成績は下記のとおりとなりました。
① 経営成績
当連結会計年度の売上高は33,939百万円(前年同期比13.7%増)、営業利益は648百万円(前年同期比230.2%増)、経
常利益は536百万円(前年同期比94.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は995百万円(前期は90百万円の純損失)
となりました。
② 財政状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ8,804百万円増加し、29,855百万円となりました。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ6,252百万円増加し、23,674百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ2,552百万円増加し、6,180百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末比1,692百万円増加し、
2,932百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果使用した資金は546百万円となりました。これは主に、仕入債務の増加1,301百万円及び減価償却
費477百万円があった一方、売上債権の増加1,775百万円、負ののれん発生益414百万円、棚卸資産の増加315百万円
及び早期退職費用引当金の減少300百万円があったことによるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は182百万円となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入274百万円
があった一方で、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出416百万円及び有形固定資産の取得による支
出221百万円があったことによるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果獲得した資金は2,356百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1,596百万
円があった一方で、長期借入れによる収入1,697百万円及び短期借入金の純増加額1,844百万円があったことによ
るものであります。
生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(千円)
前年同期比(%)
日本
15,973,294
119.6
アジア
18,172,653
108.2
その他
57,767
227.0
合計
34,203,715
113.3
(注)金額は、販売価格によっております。
(2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
日本
16,664,659
117.6
4,571,094
120.9
アジア
17,607,805
101.5
4,286,820
91.5
その他
93,028
471.2
38,561
1,168.5
合計
34,365,493
108.9
8,896,475
105.0
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
日本
15,873,406
120.5
アジア
18,008,762
108.1
その他
57,767
227.0
合計
33,939,935
113.7
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先
前連結会計年度
自2021年1月1日
至2021年12月31日
当連結会計年度
自2022年1月1日
至2022年12月31日
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
NINGBO FUERDA SMARTECH CO., LTD.
2,707,038
9.1
4,216,263
12.4
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1.総資産
当連結会計年度末における総資産は、29,855百万円(前期末比8,804百万円増)となりました。流動資産は、受取手
形及び売掛金、現金及び預金、原材料及び貯蔵品が増加したこと等により、23,845百万円(前期末比8,394百万円
増)となりました。固定資産は、建物及び構築物、無形固定資産が増加したこと等により、6,010百万円(前期末比
409百万円増)となりました。
2.負債
当連結会計年度末における負債合計は、23,674百万円(前期末比6,252百万円増)となりました。流動負債は、支払
手形及び買掛金、1年内返済予定の長期借入金、短期借入金、電子記録債務が増加したこと等により、18,822百
万円(前期末比7,455百万円増)となりました。固定負債は、退職給付に係る負債が増加した一方、長期借入金、リ
ース債務が減少したこと等により、4,852百万円(前期末比1,203百万円減)となりました。
3.純資産
当連結会計年度末における純資産合計は、6,180百万円(前期末比2,552百万円増)となりました。これは資本金、資本剰余金、利益剰余金、為替換算調整勘定、非支配株主持分が増加したこと等によるものであります。
4.売上高
日本では、車載機器用は、2021年5月に量産を開始した九州工場の生産が順調に推移したこと、また、加工事業
子会社の新規量産品売上が伸びたこと等により増収となりました。オフィス機器用は、スキャナー製品、やオフィ
ス向け複合機の需要が増えた一方、一部の製品の製造拠点が日本国内より東南アジアへ移管となった影響もあり売
上は横ばいとなりました。産業機器用は、半導体メモリーに対する世界的な需要増加を受け、半導体製造装置関連
を中心に増収となりました。医療機器用は大型精密検査機器用及び血液等の検体検査機器用の受注が伸び増収とな
りました。業務請負・人材派遣子会社は、車載関連の受注増加及び新規受注先の獲得等により増収となりました。
オフィス機器販売子会社は、機器の販売に加えデジタル化推進の中、システム効率向上・セキュリティ対策等ソフ
ト面の需要増を取り込み増収となりました。基板製造子会社は、遊技機向け新機種の量産がスタートしたこと等に
より増収となりました。この結果、日本の売上高は15,873百万円(前年同期比20.5%増)となりました。
アジアでは、車載機器用は無錫子会社における新機種受注、また、本年4月に量産を開始したベトナム子会社の
売上が順調に推移したこと等により増収となりました。オフィス機器用は、タイ子会社では今年獲得した新規受注
先の売上が堅調に推移し、また、ベトナム子会社では日本より生産を移管したオフィス機器用基板の量産がスター
トした一方、中国深圳子会社の生産を引き継いだ中国恵州子会社は、生産移管受入に際し受注先を見直した影響等
により減収となりました。また、産業機器用は横ばいでした。上記に加え円安が進んだこともあり、アジアの売上
高は18,008百万円(前年同期比8.1%増)となりました。
以上の結果、連結売上高は33,939百万円(前年同期比13.7%増)となりました。
5.営業利益
営業利益は、日本では親会社、オフィス機器販売子会社、基板製造子会社は、増収に加え業務の効率化が図れたこと等により増益となりました。一方で業務請負・人材派遣子会社は人件費の上昇により、また、加工事業子会社は新機種開発の谷間のため高付加価値試作品売上が減少したこと等により減益となりました。アジアでは、無錫子会社及びベトナム子会社は増収により増益となり、香港子会社はグループ外への電子部品販売が伸び増益となりました。一方、タイ子会社は製品構成の変化等により減益となり、中国恵州子会社は電子部品逼迫の影響等により生産効率が低下し減益となりました。以上より連結営業利益は648百万円(前年同期比230.2%増)となりました。
6.経常利益
営業外損益は、受取配当金等が増益要因となったものの、外貨建債権債務評価替えによる為替評価損を計上したこと等により、連結経常利益は536百万円(前年同期比94.8%増)となりました。
7.親会社株主に帰属する当期純利益
上記に加えて、中国無錫市における子会社買収に伴う負ののれん発生益、固定資産売却益、固定資産除却損、及び法人税、非支配株主に帰属する当期純利益等を加減した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は995百万円(前期は90百万円の純損失)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1.キャッシュ・フロー
2022年12月期の各キャッシュ・フローの状況とその増減については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載しております。
2.資金需要と財政政策
当社グループの資金需要は、当社グループの生産に関わる人件費、外注費、新規設備導入に伴う購入費用・リース
料、工場増設に係る取得費用、並びに営業・管理に係る人件費等と、生産のための部材購入費用とに大別され、国内及び海外各子会社は所在する国・地域の通貨及び外国通貨で支払を実施しております。
なお、これらに必要な資金については銀行借入等にて充当しておりますが、2022年12月期末での連結自己資本比率は17.7%であることにより、今後は海外子会社も含めて安定的に利益を確保する体制を再構築するとともに、製品・仕掛品・原材料の適正在庫水準維持に注力することによって、銀行借入残高の低減に努めてまいります。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成してお
ります。経営者は、この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告に影響を及ぼす見
積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産について、将来減算一時差異の解消時期をスケジューリングし、繰延税金資産を計上しておりますが、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたって、資産のグルーピングを行い、収益性が
著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失と
して計上することとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたって、慎重に検討を行って
おりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場
合、減損処理が必要となる可能性があります。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の収束時期を含む仮定に関する情報は、「第5
経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
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