【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)業績の状況
当第3四半期における国内及び海外経済は新型コロナウイルス感染症の流行が継続し、依然として厳しい状況にあります。また、ウクライナ情勢や、北米におけるインフレとそれに伴う金融引き締めにより、物流コストの上昇や供給ひっ迫が発生し景気の下振れ懸念が続いております。一方で、この様なインフレおよび供給ひっ迫はリユース市場でのニーズの高まりを生起しております。当社グループはこのような外部環境に対応し、前連結会計年度に引き続き成長のための体制づくりとマネジメント力の強化を積極的に進めるとともに、リユース市場でのニーズの高まりに応える事で、収益の改善に努めてまいりました。具体的には、コア事業の成長・スピンオフ事業の成長・海外事業の成長を通じたオーガニックな成長及び前連結会計年度に本格化したインオーガニック事業成長を進めました。営業政策面では、前連結会計年度に引き続き、ネット通販の強化、専門ジャンル強化、高粗利率ジャンル強化による粗利率改善等を進めました。店舗政策面では、2022年6月に、平塚梅屋事業所・雑色事業所を移転統合した「ワットマンテック・スタイル ワットマン OSC湘南シティ店」をオープンいたしました。また、ワットマンタイランドにおいてwarehouse(倉庫)型店舗への集約を進め、2022年4月にWATTMANN Lam Luk Ka 店をオープンし、当第3四半期末時点でタイ王国内の全4店舗すべてwarehouse型となりました。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年と比べ17億円(46.4%)増収の53億64百万円となりました。これは株式会社ホビーサーチを中心とした開閉店売上が前年同期と比べ15億6百万円(191.8%)増収の22億92百万円、および既存店売上が1億93百万円(6.7%)増収により30億72百万円となったことによります。オーガニック事業における商品カテゴリー別売上高は、電化製品等が前年と比べ53百万円(9.0%)増収の6億44百万円、服飾等が1億27百万円(14.0%)増収の10億40百万円、パッケージメディア(本・CD/DVD・ゲーム)が45百万円(6.7%)減収の6億39百万円、ホビーが専門業態(ワットマンホビー・ゲームステーション(GS))のスタートにより98百万円(22.2%)増収の5億43百万円、その他は各種専門業態(ワットマンSC(スポ・キャン)・ワットマンカメラ)のスタート等により82百万円(18.2%)増収の5億40百万円となりました。またホビーサーチにおける商品カテゴリー別売上高は、ホビーが前年と比べ13億82百万円(240.3%)増収の19億57百万円となりました。売上総利益は、売上増収に伴い前年と比べ4億12百万円(19.8%)増益の24億87百万円、売上総利益率46.4%となりました。既存店は80百万円(4.4%)増益の19億31百万円、開閉店は3億31百万円(147.3%)増益の5億56百万円となりました。オーガニック事業における商品カテゴリー別の売上総利益については、電化製品等が前年と比べ44百万円(11.6%)増益の4億28百万円、服飾等が57百万円(9.9%)増益の6億32百万円、パッケージメディア(本・CD/DVD・ゲーム)が26百万円(5.9%)減益の4億17百万円、ホビーが29百万円(14.1%)増益の2億38百万円、その他は33百万円(9.3%)増益の3億98百万円となりました。またホビーサーチにおける商品カテゴリー別売上総利益は、ホビーが前年と比べ2億73百万円(273.1%)増益の3億73百万円となりました。販売費及び一般管理費においては、前年同期に計上されたM&A費用が減少したものの、主にホビーサーチ社連結による経費増加により、前年と比べ1億97百万円(10.2%)増加し21億37百万円となりました。既存店では27百万円(1.7%)増加し16億85百万円、開閉店では主に上述のホビーサーチ社連結等により1億70百万円(60.5%)増加の4億52百万円となりました。上記の結果、営業利益は、前年と比べ2億14百万円(157.1%)増益の3億50百万円となりました。既存店は53百万円(27.5%)増益の営業利益2億46百万円、開閉店は1億60百万円増益の営業利益1億4百万円となりました。経常損益は前年同期と比べて2億10百万円(153.8%)増益の3億47百万円となりました。経常利益以下については、平塚梅屋事業所立退等に伴う受取補償金45百万円の計上により、税金等調整前四半期純利益が前年と比べ2億39百万円(162.6%)増益の3億86百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億61百万円(228.7%)増益の2億32百万円となりました。セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
①リユース事業リユース事業セグメントにおいてはタイ王国と国内の新店開店と既存店増収により、外部顧客への売上高は前年に比べ3億16百万円(前年比110.3%)増収の34億6百万円、セグメント利益は売上増加により前年に比べ69百万円(前年比140.0%)増益の2億42百万円となりました。②新品EC事業新品EC事業においては外部顧客への売上高は前年に比べ13億82百万円(前年比340.3%)増収の19億57百万円、セグメント利益は前年に比べ1億44百万円増益の1億8百万円となりました。なお、上記記述においては2021年3月以前より同一業態で営業中の事業所を既存店、その他事業所を開閉店としております。
(2)財政状態の分析(流動資産)当第3四半期連結会計期間末における流動資産の残高は、31億24百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億57百万円増加しております。これは、現金及び預金が1億98百万円、商品が1億41百万円増加したことなどが主な要因であります。(固定資産)当第3四半期連結会計期間末における固定資産の残高は、14億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億29百万円減少しております。これは、敷金及び保証金が80百万円、のれんが21百万円減少したことなどが主な要因であります。この結果、総資産は45億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億28百万円の増加となりました。(流動負債)当第3四半期連結会計期間末における流動負債の残高は、12億77百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億24百万円増加しております。これは、買掛金が82百万円、未払法人税等が76百万円、その他流動負債が82百万円それぞれ増加したこと等が主な要因であります。(固定負債)当第3四半期連結会計期間末における固定負債の残高は5億14百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億64百万円減少しております。 これは、長期借入金が92百万円、その他固定負債が76百万円減少したことなどが主な要因であります。この結果、負債合計は17億92百万円となり、前連結会計年度末に比べ60百万円の増加となりました。(純資産) 当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は、27億55百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億67百万円増加しております。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益が2億32百万円計上されたこと、配当金が87百万円あったこと等により利益剰余金が1億45百万円増加したことが主な要因であります。これらの結果、自己資本比率が60.1%となりました。
(3)経営方針・経営戦略等当社グループは、中期的な企業価値向上に向け、2018年3月期より「基盤構築フェーズ」として既存事業の基盤強化を図っております。基盤強化に際しては、中期的に利益を増大するための「攻め」と、中期的かつ継続的に利益を確保するための「守り」両面の強化をへて、リユース業の競争優位の源泉である買取力(仕入力)を強化する体制、多様な商品を効率的に買取、商品化、販売、輸出のサイクルを高速回転させる体制を確立させました。前連結会計年度に引続き、2023年3月期においても、オーガニック成長戦略として、従前より進めている利益構造改革を引き続き推進し、強い経営基盤の構築に努めるとともに、インオーガニックとしてホビーサーチ事業の成長を戦略に付加し、企業価値の向上を進めてまいります。
オーガニック成長戦略コア事業(総合リユース事業)・スピンオフ事業・海外事業の3つから構成される成長戦略。基盤構築フェーズを経て利益構造改革が順調に進捗しており、引き続き生産性の向上に努めてまいります。インオーガニック成長戦略2021年7月に子会社化したホビーサーチ事業の成長戦略。まずは喫緊課題の解決後、早期に成長に向けた舵取りを行ってまいります。これらの成長戦略を強力に推進することにより、更なる飛躍を図り、企業価値の向上へ繋げてまいります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動該当事項はありません。
(6)従業員数当第3四半期連結累計期間において、従業員の著しい増減はありません。
(7)仕入及び販売の実績当第3四半期連結累計期間において、仕入及び販売実績の著しい変動はありません。
(8)主要な設備当第3四半期連結累計期間において、主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。
(9)経営成績に重要な影響を与える要因当社グループのリユース事業のブックオフ業態は、ブックオフコーポレーション株式会社とのフランチャイズ契約によるものです。今後の出店エリアとして神奈川県東部及び東京都内を視野に入れておりますが、ブックオフ業態の出店に関してはフランチャイザーの承認が必要であります。