【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍における行動制限の緩和やワクチン接種の普及等により新型コロナウイルス感染症の抑制と社会経済活動の両立の動きが見られた一方、ロシア・ウクライナ情勢による地政学的リスクが長期化していることやエネルギー資源の価格高騰を背景としたインフレ圧力の上昇もみられ、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況下、当社グループは2022年4月の創業70周年という大きな節目を機に、次の10年後の80周年に「目指すべき姿」、すなわちミダックグループ10年ビジョン『Challenge 80th』を策定しました。
当社グループは今後、『Challenge 80th』の実現に向け、5ヶ年の中期経営計画を2次にわたって推し進めてまいります。そして2027年3月期までの第1次中期経営計画期間は、「成長加速のための基盤づくり」として、既存施設における受託量の強化を図るとともに、第1次中期経営計画の初年度にあたる2023年3月期においては、将来を見据え、最終処分場における長期的な搬入効率の改善を目的とした整備を実施いたしました。加えて、大幅に増加した最終処分場の処理能力を最大限に活かすべく、広域営業を積極的に展開するとともに、同地域に2ヶ所となった管理型最終処分場の役割を明確に分け、各中間処理施設との連携強化及び効率的な運用を推進することにより受注単価の向上に励みました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,567百万円増加し、21,607百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ119百万円増加し、10,623百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,447百万円増加し、10,983百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高7,771百万円(前年同期比21.8%増)、営業利益2,755百万円(同21.7%増)、経常利益2,692百万円(同23.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,685百万円(同31.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
廃棄物処分事業は、売上高6,934百万円(同25.1%増)、セグメント利益3,586百万円(同32.1%増)となりました。
収集運搬事業は、売上高710百万円(同1.4%増)、セグメント利益96百万円(同16.6%減)となりました。
仲介管理事業は、売上高126百万円(同7.3%減)、セグメント利益79百万円(同54.1%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、法人税等の支払額が1,018百万円(前年同期比7.6%増)と支出が増加した一方で、有形固定資産の取得による支出1,972百万円(前年同期比32.4%減)と支出が減少し、税金等調整前当期純利益の計上2,692百万円(同23.0%増)があったことにより前連結会計年度末に比べ646百万円増加し、当連結会計年度末には6,540百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,849百万円(前年同期比57.6%増)となりました。
これは主に、収入要因として税金等調整前当期純利益2,692百万円、減価償却費564百万円、のれん償却額240百万円、支出要因として法人税等の支払額1,018百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,243百万円(同42.6%減)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出1,972百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出185百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は39百万円(同98.9%減)となりました。
これは主に、収入要因として長期借入れによる収入4,600百万円、支出要因として短期借入金の純減額3,593百万円、長期借入金の返済による支出651百万円等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの生産実績の内容は、販売実績とほぼ一致しているため、c.販売実績をご参照下さい。また、当社グループにおける生産実績とは、廃棄物の処理実績を意味します。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
廃棄物処分事業
6,959,517
125.9
25,373
-
収集運搬事業
710,626
101.4
-
-
仲介管理事業
128,784
95.5
3,406
220.0
合計
7,798,928
122.6
28,779
1,858.0
(注)1.受注残高は、連結会計年度末現在における搬入済みの処理受託廃棄物等の受託金額で計上しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
廃棄物処分事業(千円)
6,934,144
125.1
収集運搬事業(千円)
710,626
101.4
仲介管理事業(千円)
126,927
92.7
合計(千円)
7,771,698
121.8
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の主要な販売先がないため相手先別の記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は7,833百万円となり、前連結会計年度末に比べ704百万円増加しました。これは主に、現金及び預金の増加額646百万円等によるものであります。また、固定資産は13,773百万円となり、前連結会計年度末に比べ863百万円増加しました。これは主に、土地の増加額366百万円、建物及び構築物の増加額272百万円等によるものであります。
この結果、総資産は、21,607百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,567百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は3,929百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,520百万円減少しました。これは主に、短期借入金の減少額3,593百万円等によるものであります。また、固定負債は6,693百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,640百万円増加しました。これは主に、長期借入金の増加額3,573百万円等によるものであります。
この結果、負債合計は、10,623百万円となり、前連結会計年度末に比べ119百万円増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は10,983百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,447百万円増加しました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと等による利益剰余金の増加額1,547百万円等によるものであります。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、連結子会社の株式会社ミダックにおいて、新規管理型最終処分場(奥山の杜クリーンセンター)の稼働が通期に亘って寄与したことや、M&Aにより新たにグループに加わった株式会社柳産業(現・株式会社ミダックこなん)の業績も寄与したことにより、7,771百万円(前年同期比21.8%増)となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は4,628百万円(同17.8%増)となり、売上高に対する比率は59.6%となりました。
売上原価は、新規管理型最終処分場(奥山の杜クリーンセンター)が通期に亘って稼働をしたことにより、増加となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は2,755百万円(同21.7%増)となり、売上高に対する比率は35.5%となりました。
販売費及び一般管理費は、株式会社柳産業(現・株式会社ミダックこなん)が当社グループに加わったこと及び品川オフィス開設に伴う地代家賃等により、増加となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は2,692百万円(同23.0%増)となり、売上高に対する比率は34.6%となりました。
営業外損益におきましては、長期借入金等の増加により支払利息が増加しました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1,685百万円(同31.2%増)となり、売上高に対する比率は21.7%となりました。増益により法人税、住民税及び事業税が増加しました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、連結子会社の株式会社ミダックにおいて、新規管理型最終処分場(奥山の杜クリーンセンター)の稼働が通期に亘って寄与したことや、M&Aにより新たにグループに加わった株式会社柳産業(現・株式会社ミダックこなん)の業績も寄与した結果、増収増益となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、前述の「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成状況
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 目標とする経営指標」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における経常利益率は34.6%、ROEは16.4%となりました。いずれの指標におきましても、目標とする経営指標を上回りました。今後におきましても、引き続きこれらの指標を上回ることができるよう取り組んでまいります。
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(廃棄物処分事業) 最終処分場を運営する連結子会社の株式会社ミダックにおいて、新規管理型最終処分場(奥山の杜クリーンセンター)の稼働が開始されたことや、2021年10月に新たにグループに加わった株式会社ミダックこなん(旧商号:株式会社柳産業)によって、建設廃棄物の中間処理ルートが新たに構築されたこと等により受託量は増加しました。以上の結果、売上高は6,934百万円(前年同期比25.1%増)となり、セグメント利益は3,586百万円(同32.1%増)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ676百万円増加の9,912百万円となりました。
(収集運搬事業) 産業廃棄物においては、一部取引を仲介管理事業へ切替えたことによる減少はありましたが、既存先への営業を注力することにより受託量は前期並みの推移となりました。また、一般廃棄物においても、新型コロナウイルス感染症の影響により一部既存取引先の減少は見られましたが、新規開拓に注力した結果、受託量は前期並みの推移となりました。
なお、2022年4月1日付の会社分割で一般廃棄物の収集運搬事業を承継した株式会社ミダックライナーの新設に伴い、販売費及び一般管理費が増加したため、セグメント利益は減少いたしました。以上の結果、売上高は710百万円(同1.4%増)となり、セグメント利益は96百万円(同16.6%減)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ91百万円増加の210百万円となりました。
(仲介管理事業) 定期案件及び大型案件の減少により、売上高は減少推移しております。また、内部売上を加味したセグメント利益は、2022年4月1日付の会社分割による持株会社体制への移行に伴う内部売上高の減少を主因に減益となりました。以上の結果、売上高は126百万円(同7.3%減)となり、セグメント利益は79百万円(同54.1%減)となりました。
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ38百万円減少の248百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・
フローの状況」に記載のとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業活動のための適切な資金確保及び適切な流動性の維持を図るにあたり、営業活動で得られた資金により設備投資の資金をまかなうことを基本方針としております。
当社グループは、手元流動性等の水準から、十分な流動性を確保していると考えておりますが、この資金を効率的な拡大再生産に振り向けていくことが経営課題であると認識しております。
なお、当社グループは、現在取引している金融機関と良好な関係を築いております。
今後の重要な資本的支出の予定につきましては、基本的に自己資金を財源とする予定でありますが、新規最終処分場の計画につきましては、大規模かつ稼働までに一定期間を要することから、金融機関からの借入金によって資金を調達する予定であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。
当社グループでは、固定資産の減損会計及び繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りについて、将来経営計画を重要な仮定として用いるとともに、財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき実施しております。なお、廃棄物処理業は、国民生活を維持し経済を支える必要不可欠な社会インフラであり、公衆衛生の観点や医療活動の円滑化のために、新型コロナウイルス感染症に係る感染性廃棄物等を適正に処理しつつ、それ以外の廃棄物の処理についても安定的に業務を継続することが求められています。また、当社グループは、多数の処理施設や許可を保有していることにより幅広い顧客基盤を築いていることから、新型コロナウイルス感染症の拡大が著しく進み、大多数の業種において廃棄物排出量が減少しない限り、業績に重要な影響を受けないとの見通しに基づき、会計上の見積りを行っております。
最終処分場維持管理引当金は、廃棄物最終処分場埋立終了後の維持管理費等の支出に備えるため、将来の発生見積額を基礎として当連結会計年度負担額を計上しております。なお、「廃棄物処理法」及びその関係法令等に改廃が行われた場合や、新たな法規制、条例等の制定による規制強化があった場合には、当該引当金の見積額に影響を及ぼす可能性があります。また、操業終了後の処分場は徹底した遵法体制の下に維持管理していく方針でありますが、万一天災地変や人的過失によって汚染物質が浸出する事態が発生した場合においては、当該引当金の見積額に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
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