【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症にかかる行動制限が解除されるなど、経済活動の正常化が進みましたが、一方でロシアによるウクライナ侵攻の長期化による国際情勢の不安定化、また、円安の進行や原材料価格の高騰、物価上昇による個人消費への影響が懸念されるなど、先行きは極めて不透明な状況となっております。
このような経営環境下において、当社としましては、コーポレート・ビジョンである「Diversity with Brilliance」を引き続き忠実に推進し、ジュエリーチェーンのパイオニアとしての豊富な実績を基に、お客様にご満足いただける質の高い接客技術の向上、顧客ニーズにあった魅力的な商品開発力の強化、粗利率の改善などへの積極的な取組みにより、いかなる環境の変化にも対応できる強固な事業基盤の構築に努めております。
以上の結果、当事業年度の売上高は7,617百万円(前年同期比4.8%増)、営業利益は932百万円(前年同期比
20.2%増)、経常利益919百万円(前年同期比13.9%増)、当期純利益545百万円(前年同期比17.6%増)となりま
した。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末と比べ278百万円減少し、1,869百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動による資金の増加は893百万円(前期は864百万円の増加)となりました。これは
主に、税引前当期純利益の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動による資金の減少は201百万円(前期は98百万円の減少)となりました。これは
主に、有形固定資産の取得による支出101百万円並びに無形固定資産の取得による支出70百万円があったことに
よるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動による資金の減少は970百万円(前期は1,099百万円の減少)となりました。これ
は主に、短期借入金の返済による支出500百万円並びに配当金の支払いによる支出470百万円があったことによる
ものであります。
なお、当社のキャッシュ・フロー指標は、次のとおりであります。
2023年3月期
2022年3月期
2021年3月期
2020年3月期
自己資本比率
60.4%
57.8%
67.1%
66.9%
時価ベースの自己資本比率
129.1%
172.4%
130.3%
93.5%
キャッシュ・フロー対有利子負債比率
1.1
1.7
1.3
2.6
インタレスト・カバレッジ・レシオ
41.0
42.9
49.6
21.8
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済普通株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
※キャッシュ・フローはキャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
③販売及び仕入の実績
販売実績
セグメントの名称
当事業年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金 額(百万円)
前年同期比(%)
宝飾事業
ダイヤ指輪
1,281
106.2
その他の指輪
851
99.8
ネックレス
2,401
98.9
装身具その他宝石
3,082
110.7
合計
7,617
104.8
仕入実績
セグメントの名称
当事業年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金 額(百万円)
前年同期比(%)
宝飾事業
ダイヤ指輪
585
106.0
その他の指輪
432
101.4
ネックレス
1,171
102.4
装身具その他宝石
1,899
109.2
合計
4,088
105.9
(注)金額は、実際仕入額によって表示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月30日)現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 (重要な会計方針)」に記載されているとおりであります。
当社の財務諸表の作成においては、損益又は資産の状況に影響を与える見積り、判断を必要としております。過去の実績やその時点で入手可能な情報を基に、合理的と考えられるさまざまな要因を考慮した上で、継続的に見積り、判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社では、見積り及び判断に影響を及ぼす重要な会計方針として以下のものがあると考えております。
貸倒引当金の計上基準
当社は、売上債権等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。将来、顧客の財政状態が悪化し、支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
棚卸資産の評価基準
当社の棚卸資産の評価方法は、主として個別法による原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)でありますが、収益性の低下及び長期滞留化した商品に対して、「棚卸資産の評価に関する会計基準」に基づき、当社で定めた基準により評価減を計上しております。そのため、将来の市場状況や販売価格の下落等により、追加の評価減が必要となる可能性があります。
投資有価証券の減損処理
当社は、投資有価証券を保有しておりますが、評価方法は、市場価格のない株式等以外については決算期末日の市場価格等に基づく時価法を、市場価格のない株式等については移動平均法による原価法を採用しております。市場価格のない株式等以外は、決算期末日の市場価格等が取得価額に比べて50%以上下落している場合、又は30%以上50%未満の範囲での下落が過去2年間にわたり継続している等の当社の定めた基準に基づき、下落が一時的でないものと判断される場合に減損処理を行っております。市場価格のない株式等は、合理的な評価基準に基づき同様の処理を行っております。そのため、将来市況の悪化又は投資先企業の業績不振等により、減損処理が必要となる可能性があります。
繰延税金資産の回収可能性
当社は、繰延税金資産を将来の事業計画に基づく課税所得の発生時期及び金額によって見積もっており、回収可能性があると判断した金額を繰延税金資産として計上しております。当該見積りは、将来の不確実な経済条件及び当社の経営状況の影響を受ける可能性があり、見積り額が異なる場合には、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
固定資産の減損処理
当社は、固定資産について、店舗の営業活動から生ずる損益が、継続してマイナスとなっている場合、継続してマイナスとなる見込みである場合、又は、取締役会において退店の決議がある場合に減損の兆候があると判断しています。減損を識別した店舗については、減損テストを実施し、減損処理をしております。そのため、将来の不確実な経済条件及び当社の経営状況の影響を受ける等により減損損失が発生する可能性があります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度は、原材料価格の高騰や物価上昇による個人消費への影響が懸念される状況の下、顧客ニーズにあった魅力的な商品の開発、お客様にご満足いただける質の高い接客力の向上などの取組みにより、お客様数とお客様単価の増加を重要課題として取り組んでまいりました。
(店舗数)
当事業年度における店舗数は、ベリテ 80店舗(4店舗増)、マハラジャ・ダイヤモンド 3店舗、MiMiKaZaRi 1店舗、Velicia 15店舗となりました。
(お客様数)
当事業年度におけるお客様数は、前事業年度に比べ3.9%増加、既存店ベースで前事業年度に比べ1.6%減少いたしました。
(お客様単価)
当事業年度におけるお客様単価は、前事業年度に比べ1.0%減少、既存店ベースで前事業年度に比べ0.7%増加いたしました。
経営成績
当事業年度における経営成績の概況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。
財政状態
当事業年度末の総資産は、前事業年度末と比較して193百万円(2.6%)減少し、7,376百万円となりました。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は、前事業年度末と比べ311百万円(4.9%)減少し、6,043百万円となりました。これは主に、現金及び預金が278百万円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は、前事業年度末と比べ118百万円(9.7%)増加し、1,333百万円となりました。これは主に、無形固定資産が69百万円増加したことによるものであります。
(負債の部)
当事業年度末における負債合計の残高は、前事業年度末と比べ279百万円(8.7%)減少し、2,918百万円となりました。これは主に、短期借入金の減少によるものであります。
(純資産の部)
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末と比べ85百万円(2.0%)増加し、4,458百万円となりました。これは主に、当期純利益の計上による利益剰余金の増加によるものであります。
キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、1,869百万円となりました。 詳細は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
イ. 資金需要
設備投資、運転資金、借入金の返済及び利息の支払等であります。
ロ. 資金の源泉
営業活動によるキャッシュ・フローにより、必要とする資金を調達することが基本的な方針であります。