【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第2四半期累計期間における我が国経済は、長期化する国際情勢の不安感を背景としたインフレ懸念により、停滞感の漂う経済環境下で推移いたしました。一方、木材価格は2021年からウッドショックと呼ばれる価格急騰が発生したものの、当第1四半期から沈静化したことにより木材価格は前年比30%程度下落し、木材供給環境は落ち着きを取り戻しつつあります。住宅業界におきましては、資材価格の値上がり等に起因する住宅価格の高騰や長期金利引き上げへの警戒感から、新設住宅着工戸数は低水準で推移しており、特に持家(戸建て注文住宅)の新設住宅着工戸数は、7月が前年同月比7.8%減、8月が同5.9%減、9月が同12.3%減となり、22ヵ月連続での減少となりました。
また、2022年6月通常国会において決議されました建築基準法の一部改正につきましては、具体的な内容が順次示され、2025年より木造住宅の省エネルギー性能の確保が義務となり、その基準は、従来の基準より高度な省エネルギー性能基準が提示されました。木造における確認申請基準(4号特例)の改定内容が発表され、木造住宅における簡易設計(壁量計算)の基準強化(必要壁量の増加)が公表されました。
木造建築の確認審査基準が厳格化される中、当社は創業以来、法律で義務化されていない木造住宅の構造計算(木造耐震化)と省エネルギー設計を主業務としており、2025年以降のニーズ増大に対応すべく、社内体制の整備をすすめております。
各分野の結果は、以下の通りです。
<住宅分野>
当第2四半期連結累計期間のSE構法出荷数は459棟(前年同期比27.1%減)となりました。また、木材相場の下落により住宅1棟平均単価は5.5百万円(前年同期比10.9%減)となり、その結果、売上高は2,535百万円(前年同期比35.1%減)となりました。
また、SE構法登録施工店は新規に14社加入し、606社となりました。
<大規模木造建築(非住宅)分野>
当第2四半期連結累計期間のSE構法出荷数は66棟(前年同期比57.1%増)となり、引き続き好調に推移いたしました。
また、SE構法以外の大規模木造建築設計を扱う株式会社木構造デザインでは、継続的なプロモーション活動により、当第2四半期連結累計期間の構造計算出荷数が37棟(前年同期比117.6%増)となり、当社におけるSE構法の構造計算出荷数72棟(前年同期比26.3%増)とあわせて、非住宅木造建築物の構造計算数は109棟(前年同期比47.3%増)と大きく増加いたしました。
加えて、昨年の10月に大断面集成材加工や特殊加工、大規模木造建築の施工力に強みを持つ株式会社翠豊をグループ化したことにより大規模木造建築分野における事業領域が拡大し、当第2四半期連結累計期間の売上高は1,522百万円(前年同期比167.6%増)となりました。
<環境設計分野>
2021年4月より説明義務化となった住宅の省エネ性能に対して、補助金の受給に関するコンサルティング業務と合わせてサービス提供することにより、木造住宅、集合住宅及び非住宅木造物件向けの一次エネルギー計算書の出荷数は1,569件(前年同期比19.3%増)となり、売上高は129百万円(前年同期比27.6%増)となりました。また、今期より非住宅向け省エネ認定(ZEB認定)のサポート事業を開始しております。
<子会社及び関連会社>
当社の持分法適用関連会社である株式会社MUJI HOUSEは、戸建て住宅販売においてウッドショックによる影響を受け、当第2四半期連結累計期間では赤字を計上しております。一方、成長分野に向けた取り組みとして木造店舗建築(非住宅分野)への進出をいたしました。親会社である株式会社良品計画とともに、2023年5月に農林水産省と「木材利用拡大に関する建築物木材利用促進協定」を締結し、店舗の木造化を推進していくこととなりました。株式会社MUJI HOUSEによる木造店舗は、SE構法の利用を予定しており、省エネ計算等の環境設計による脱炭素化を目指しております。これまでに培った木造建築に関する知見を活かして、株式会社良品計画のLCA(ライフサイクルアセスメント)向上に寄与するとともに、株式会社MUJI HOUSEによる木造店舗建築の普及促進に向けた取り組みを推進してまいります。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は4,220百万円(前年同期比8.8%減)、売上総利益は1,126百万円(前年同期比1.8%増)となりました。営業利益は販管費が増加(前年同期比27.1%増)したことにより、前年同期比90.3%減の23百万円となりました。
経常利益は、株式会社MUJI HOUSEによる持分法投資損失が発生したことから、前年同期比96.6%減の8百万円となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、当社単体の法人税額(23百万円)が連結の経常利益を上回ったことにより、4百万円の損失(前年同期比165百万円減)となり、売上高営業利益率は0.6%、ROE(自己資本当四半期純利益率)は△0.2%となりました。
(2)財政状態の状況
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における資産は6,115,977千円となり、前連結会計年度末に比べ733,347千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が359,559千円、売掛金、電子記録債権、有償支給未収入金が288,648千円、仕掛品が93,210千円減少したこと等によるものです。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は3,982,399千円となり、前連結会計年度末に比べ603,906千円減少いたしました。これは主に買掛金、電子記録債務が324,613千円、未払金が180,537千円、短期借入金及び長期借入金が40,413千円減少したこと等によるものです。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は2,133,577千円となり、前連結会計年度末に比べ129,441千円減少いたしました。これは親会社株主に帰属する四半期純損失が4,071千円であったことに加えて、第28期配当金118,700千円の支払等によるものです。
この結果、連結ベースの自己資本比率31.4%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当四半期純利益が11,254千円であったものの、固定資産の取得による支出のほか、関係会社株式の取得、配当金の支払等により、前連結会計年度末に比べ359,860千円減少し、当第2四半期連結会計期間末には2,491,234千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は54,605千円となりました。これは主に、増加要因として税金等調整前当四半期純利益が11,254千円、減価償却費が98,104千円、売上債権の減少が261,303千円、減少要因として仕入債務の減少324,613千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は217,450千円となりました。これは主に、大規模木造建築の加工機、構造計算
システムの機能追加等、固定資産の取得による支出158,615千円、関係会社株式の取得130,000千円、移転に伴
う敷金保証金の返金61,724千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は179,822千円となりました。これは、配当金の支払額118,488千円、短期借入金、長期借入金の返済40,413千円等によるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、74,232千円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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