【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症における行動制限の段階的な緩和により、経済活動において回復の動きが見受けられるものの、エネルギーや原材料の価格高騰に加え、急激な円安や世界的な金融引き締めによる金融市場の変動等により、依然として景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。
当社グループに関連する事業環境におきましては、設備投資においては持ち直しの動きが続き、公共投資も底堅い動きを維持していますが、電線事業およびポリマテック事業の業界におきましては材料価格やユーティリティ価格の高騰を受け厳しい状況が続いております。また、電熱線事業におきましては自動車関連分野では回復傾向がみられましたが、未だに需要低迷は続いており、加えて製造分野での過剰在庫の調整も続いている状況です。
このような状況の中、当社グループにおきましては、ESG(環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance))を経営方針の中核に据え、4S(新)運動(新分野開拓・新製品創出・新顧客増強・新グローバル戦略推進)を推進し中長期的、持続的な成長を目指しております。また、原材料・サプライチェーンの見直しによるコストダウン、工場の生産性向上、品質の維持による生産力強化にも取り組んでおります。
また、第3四半期会計期間より、ポリマテック事業での新しい取り扱い製品として、LED照明の販売を開始いたします。なお、この製品の下期での売上高は約100百万円を見込んでおります。
利益面におきましては、材料価格やユーティリティ価格の高騰により、営業利益と経常利益が前年同期比で減益となりました。一方、特別利益として新たな子会社の取得に伴う負ののれん発生益を計上いたしました。
その結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は4,877百万円(前年同期比0.0%増)、営業損失は0百万円(前年同期は営業利益95百万円)、経常利益は35百万円(前年同期比75.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は94百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失107百万円)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
[電線]
電線事業の主要な市場である建設・電販は小幅な増加にとどまり、加えて銅建値が高値で推移していることや、原材料やエネルギー価格の高騰、人手不足の継続といった懸念材料は残ったままであり、予断を許さない状況でありました。
このような状況の中、展示会の開催等も増加したことで対面での営業活動が活発となり、案件獲得等によりゴム電線、プラスチック電線ともに販売量は増加いたしました。国内銅価格は昨年より高値の1,264千円/トン(期平均)で推移し、売上高は3,513百万円(前年同期比5.3%増)となりました。
利益面におきましては、銅価格の変動に伴う価格改正、高付加価値製品の販売強化、継続的な経費削減、生産性向上、材料関係のコストダウン等に取り組みましたが、市場価格の下落、為替の影響等によりセグメント利益は14百万円(前年同期比40.5%減)となりました。
[ポリマテック]
ポリマテック事業におきましては、主力製品である住宅関連部材に関して新設住宅着工戸数の減少の影響を受け、厳しい状況で推移しました。
このような状況の中、営業面では新規案件獲得に向けて、住宅建材以外の業界への積極的な営業活動を行いましたが、特に高機能チューブ製品の海外向け製品の落ち込みが大きく、売上高は934百万円(前年同期比0.4%減)となりました。
製造面では生産量が減少する中、生産性の改善を行い、工程中不良は前年同期比22%減と改善されました。しかし、昨今の人件費の上昇に加え、人材確保が困難な状況となっていることから、さらなる生産性の改善が必要となります。
利益面におきましては、今年6月より取り組んでいる在庫削減の成果が出始めており、在庫量を一定の水準で管理し続けておりますが、販売量と生産量の減少の影響を受け、セグメント損失は26百万円(前年同期はセグメント利益2百万円)となりました。
また、第3四半期会計期間より、ポリマテック事業での新しい取り扱い製品として、LED照明の販売を開始いたします。なお、この製品の下期での売上高は約100百万円を見込んでおります。製造面では、さらなる工程中不良の低減および生産性の向上による製造原価の低減に取り組んでまいります。
[電熱線]
電熱線・抵抗線事業に関連する経営環境におきましては、自動車関連は回復の兆しが見えつつあるものの、家電関連、産業機器関連、住設関連は中国を中心とした世界経済の失速感からの需要低迷が続いております。加えて、エンドユーザーおよび流通、部品メーカー等各段階での過剰在庫の調整が続いているとともに、在庫消化の足取りも重い状況となっております。そのような状況を受け、売上高は429百万円(前年同期比28.8%減)となりました。
利益面におきましては、受注減少による原価高や中国景気の減速による需要減が意識されたことによりニッケル価格が下落したことの影響を受け、セグメント利益は12百万円(前年同期比82.4%減)となりました。
今後におきましては、世界経済の回復への足取りが重いことや製造業での過剰在庫調整の長期化等、厳しい状況が予想されますが、引き続き自動車のEV化やカーボンニュートラルの進展を背景に、拡大が見込めるマーケットでの新規開拓を進めるとともに、その為の取扱鋼種および関連部材の取扱拡大に引き続き注力いたします。また、品質・信頼性の向上や生産性向上と原価低減を図り、業績の向上に努めてまいります。
②財政状態の分析
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は7,517百万円となり、前連結会計年度末と比べ9百万円増加しました。これは主に受取手形及び売掛金が176百万円減少しましたが、現金及び預金が101百万円、商品及び製品が79百万円増加したことによるものであります。固定資産は4,556百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,113百万円増加しました。これは主に土地が902百万円、投資有価証券が41百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は12,073百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,122百万円増加しました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は3,408百万円となり、前連結会計年度末に比べ43百万円増加しました。これは主に電子記録債務が197百万円減少しましたが、短期借入金が162百万円、1年内返済予定の長期借入金が85百万円増加したことによるものであります。固定負債は2,202百万円となり、前連結会計年度末に比べ688百万円増加しました。これは主に長期借入金が454百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は5,610百万円となり、前連結会計年度末に比べ732百万円増加しました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は6,462百万円となり、前連結会計年度末に比べ390百万円増加しました。これは主に資本剰余金が301百万円、利益剰余金が37百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は53.5%(前連結会計年度末は55.5%)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より91百万円増加し、当第2四半期連結会計期間末には1,707百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は12百万円の獲得(前年同期は40百万円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益111百万円(前年同期は税金等調整前四半期純損失112百万円)や負ののれん発生益76百万円(前年同期は該当なし)、売上債権の減少242百万円(前年同期は104百万円の増加)、仕入債務の減少224百万円(前年同期は47百万円の増加)によるものであります。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は234百万円の使用(前年同期は80百万円の獲得)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出192百万円(前年同期は36百万円の支出)および連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出38百万円(前年同期は該当なし)によるものであります。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は324百万円の獲得(前年同期は444百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の純増額159百万円(前年同期は470百万円の純増)、長期借入れによる収入454百万円(前年同期は250百万円の収入)および長期借入金の返済による支出198百万円(前年同期は176百万円の支出)によるものであります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は0百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分
析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。