【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(1) 経営成績の状況 当社グループの主力セグメントであるクリエイタープラットフォーム事業(CP事業)が属するインターネット広告市場におきましては、「2022年 日本の広告費」(株式会社電通)によると、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大、ウクライナ情勢、物価高騰など国内外の様々な影響を受けつつも、社会のデジタル化を背景に好調な「インターネット広告費」の成長に国内広告市場全体が支えられ、2022年のインターネット広告媒体費は2兆4,801億円、前年比115%と2年連続での2桁成長となりました。 このような環境下、当社グループは、2022年11月に自動車関連事業を行うエフ・アイ・ティー・パシフィック株式会社を連結子会社とし、多様な収益ポートフォリオの構築による事業拡大を図ってまいりました。 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は6,072,191千円(前期比8.9%増)、営業利益は568,912千円(前期比10.8%減)、経常利益は566,466千円(前期比11.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は280,198千円(前期比37.8%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a.クリエイタープラットフォーム事業(CP事業)CP事業におきましては、当連結会計年度中の事業譲受等により、金融・投資関連メディア「庶民のIPO」や「決算が読めるようになるノート」などの運営を追加する一方で、一部のメディア・サービスを終了し、適時事業ポートフォリオの入れ替えを図っております。ネット広告売上※1は、運用型広告における各種規制や単価下落の影響もあり、1,660,936千円(前期比5.5%減)となりました。一方で、当連結会計年度中に連結子会社化したエフ・アイ・ティー・パシフィック株式会社の業績が寄与したデータ・コンテンツ提供売上※2は2,351,871千円(前期比32.5%増)、システム売上※3は946,625千円(前期比29.9%増)となりました。出版ビジネス売上※4では、522,175千円(前期比9.8%減)となり、巣ごもり需要の反動やコスト高の影響を受け、低調に推移いたしました。以上の結果、当セグメント売上高は5,431,575千円(前期比13.2%増)、セグメント利益(営業利益)は440,263千円(前期比8.8%減)となりました。
b.クリエイターソリューション事業(CS事業)CS事業におきましては、リサーチソリューション、ECソリューションともに前期と比較して粗利率の高い大型案件の受注が少なく、売上・利益ともに減少となりました。以上の結果、当セグメント売上高は640,615千円(前期比17.3%減)、セグメント利益(営業利益)は128,648千円(前期比17.2%減)となりました。
※1 ネット広告売上とは主に以下による広告売上・運用型広告:アドネットワーク(異なる複数の広告媒体を束ねてネットワーク配信する仕組み)による売上・アフィリエイト広告:成果報酬型のインターネット広告。商品購入や資料請求などの、最終成果またはクリックが発生した件数に応じて広告費用を支払う・提案型広告:Webメディア側による企画・提案または顧客の要望に基づいて制作する広告・純広告:バナー広告、メール広告など※2 データ・コンテンツ提供売上とは、主にEC物販、記事提供、データ販売、コンテンツ提供、その他各種商品・サービスの販売による売上※3 システム売上とは、主にメディア向け・EC向けのシステム及びデータセンター管理用システムの提供、運営支援による売上※4 出版ビジネス売上とは、主に雑誌販売による売上
この結果、売上高は6,072,191千円(前連結会計年度5,574,194千円)となり、497,996千円の増加(前期比8.9%増)、営業利益は568,912千円(前連結会計年度638,042千円)となり、69,130千円の減少(前期比10.8%減)となりました。
経常利益当連結会計年度における営業外収益は、16,444千円(前連結会計年度44,349千円)となり、27,905千円の減少(前期比62.9%減)となりました。主な要因は、為替差益の計上額が19,096千円減少したこと等によるものであります。また営業外費用は、18,890千円(前連結会計年度44,067千円)となり、25,177千円の減少(前期比57.1%減)となりました。主な要因は、持分法による投資損失の計上額が17,905千円減少したこと等によるものであります。この結果、経常利益は566,466千円(前連結会計年度638,324千円)となり、71,858千円の減少(前期比11.3%減)となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益当連結会計年度においては、投資有価証券償還益39,999千円の特別利益を計上した一方で、減損損失84,518千円および投資有価証券評価損28,842千円の特別損失を計上しました。また、法人税、住民税及び事業税125,413千円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は280,198千円(前連結会計年度450,764千円)となり、170,565千円の減少(前期比37.8%減)となりました。
(2) 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における総資産は5,661,746千円(前連結会計年度末5,169,407千円)となり、492,339千円の増加となりました。主な要因は、当連結会計年度のM&A等によりのれん等の無形固定資産合計が314,808千円増加したこと、戦略的な出資等により投資有価証券が149,281千円増加したこと等によるものであります。
(負債)当連結会計年度末における負債合計は1,488,983千円(前連結会計年度末1,340,708千円)となり、148,275千円の増加となりました。これは主に、第2四半期連結会計期間においてエフ・アイ・ティー・パシフィック株式会社の株式を取得し、連結の範囲に含めたこと等によるものであります。
(純資産)当連結会計年度末における純資産合計は4,172,762千円(前連結会計年度末3,828,699千円)であり、344,063千円の増加となりました。主な要因は、利益剰余金が280,198千円増加したこと、その他有価証券評価差額金が51,613千円増加したこと、非支配株主持分が47,909千円増加したことおよび自己株式が48,095千円増加したこと等によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における当社グループの現金及び現金同等物は2,836,591千円と前連結会計年度末と比べ68,703千円の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは353,670千円の増加となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益493,104千円、減価償却費72,089千円、のれん償却額76,208千円の計上の一方で、未払費用の増減額(△は減少)△116,366千円、法人税等の支払額234,186千円等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは159,457千円の減少となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出99,905千円、無形固定資産の取得による支出36,630千円、有形固定資産の取得による支出23,037千円等によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは266,146千円の減少となりました。これは主に、自己株式の取得による支出120,192千円、長期借入金の返済による支出134,258千円等によるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性について)当社グループの運転資金及び設備・投融資資金は、主に営業活動によるキャッシュ・フローを原資としておりますが、必要な場合には金融機関からの借入を行っております。また、資金の流動性の確保のため、取引金融機関と当座貸越契約を締結しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りや判断を行う必要があります。過去の実績や現在の状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表を作成するにあたって、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
(5) 生産、受注及び販売の実績① 生産実績及び受注実績当社グループはインターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、また受注生産形態をとらない事業が中心であるため、セグメントごとに生産の規模及び受注の規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
② 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
CP事業
5,431,575
113.17
CS事業
640,615
82.70
合計
6,072,191
108.93
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