【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日から2022年12月31日まで)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、ウィズコロナの中で経済活動の回復を期待する動きがある一方、中国のロックダウンや長期化するウクライナ情勢、世界的に加速するインフレなどの影響により、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような状況の中で、当社グループは「ひとの命を守る。ひとの暮らしを守る。ひとを育む環境を守る。わたしたちは、世界中の人々がいつまでも安心して快適に暮らすことのできる社会づくりに貢献していきます。」という経営理念のもとで、激変するグローバル環境に対応しながら、国内外市場での継続的な事業の拡大と堅固な収益基盤を確立するため、これまでに培ってきた技術とノウハウを結集した画期的で魅力的な新商品の開発、高品質で効率的な生産、販売力の強化、流通チャネルの拡大に取り組むと共に、商品アイテムの見直し、製造原価の低減、在庫の適正化、製品価値に基づいた適正価格での販売、広告宣伝費や販売推進費等のマーケティング費用を含めた販管費の効率的運用等の課題に努めてまいりました。
その結果、連結売上高は前年同期比24.8%増の463億93百万円(為替変動の影響を除くと14.4%増)となりました。
国内売上は、最盛期の5月・6月の気温が平年より低い日が続き、主力の殺虫剤市場が前年を割り込んだ結果、前年同期比10.0%減の179億10百万円となりました。一方、海外売上は、東南アジア各国の売上が前期を上回ったこと、欧州の連結子会社が連結に加わったことに加え、円貨ベースでは円安の影響を大きく受けた結果、前年同期比65.0%増の284億82百万円(為替変動の影響を除くと42.5%増)となりました。
次に、売上原価は、前年同期比64億96百万円増加し331億51百万円、売上原価率は71.5%となり、前年同期より0.2ポイント減となりました。売上総利益は132億42百万円(前年同期比26.0%増)となりました。
販管費につきましては、連結子会社が増加したことから人件費などの経費が増加したことに加えて、前期に引き続いて原油価格の高騰により運賃コストがアップしたことから運送費が増加した結果、前年同期比28.0%増の126億87百万円となりました。
これらの結果、営業利益は5億54百万円(前年同期比7.2%減)、経常利益は8億3百万円(前年同期比8.7%減)となりました。なお特別損失として役員退職慰労金を計上したことに加えて、フマキラー単体の税金費用が増加したことから、親会社株主に帰属する四半期純損失は7億61百万円(前年同期は4億22百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
①日本
殺虫剤部門では、天候条件や前期までの巣籠り需要の反動減などにより、国内の殺虫剤市場の需要が落ち込んだことからシーズンを通じて前年を割り込みました。当社もその影響を受けて売上が減少しました。返品は昨年に比べて減少しましたが、売上高は83億85百万円(前年同期比21億59百万円減、20.5%減)となりました。
家庭用品部門は、主力のアルコール除菌剤の売上が前期並みとなった結果、家庭用品合計の売上高は15億98百万円(前年同期比33百万円増、2.1%増)となりました。
園芸用品部門は、主力の除草剤の売上が引き続き堅調に推移した一方で、殺虫剤同様に天候条件が悪く、加えて巣籠り需要の反動減があったことから家庭菜園等で使用されている不快害虫用殺虫剤の売上が減少した結果、園芸用品合計の売上高は、29億94百万円(前年同期比1億48百万円減、4.7%減)となりました。
防疫剤部門の売上高は、13億92百万円(前年同期比48百万円増、3.6%増)となりました。
その他の部門の売上高は、子会社のフマキラー・トータルシステム㈱のシロアリ施工工事が好調で、42億46百万円(前年同期比3億46百万円増、8.9%増)となりました。
なお、外部顧客に対する売上高は、186億18百万円(前年同期比18億80百万円減、9.2%減)で、セグメント損失は16億77百万円(前年同期は9億20百万円のセグメント損失)となりました。
②東南アジア
東南アジア各国の売上は現地通貨ベースで前期を上回り、さらに円安の影響も受けたため、外部顧客に対する売上高は205億11百万円(前年同期比45億85百万円増、28.8%増)となりました。また、セグメント利益は15億14百万円(前年同期比2億37百万円増、18.6%増)となりました。
③欧州
前連結会計年度末より、Zapi Industrie Chimiche S.p.A.、第1四半期連結会計期間より、FUMAKILLA EUROPE S.R.L.が連結対象となったことから、外部顧客に対する売上高は61億8百万円となりました。また、セグメント利益は5億28百万円となりました。
④その他
インドとメキシコを中心に販売し、外部顧客に対する売上高は11億55百万円(前年同期比4億15百万円増、56.1%増)となりました。また、セグメント利益は18百万円(前年同期は33百万円のセグメント損失)となりました。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの変更を行っております。詳細は「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表」の注記事項「(セグメント情報等)」をご覧ください。
当社グループの業績は、殺虫剤や花粉対策商品、園芸用品など季節商品の売上構成比が高いため、天候によって大きく影響を受けます。主力商品である殺虫剤については、国内の需要期である夏季に向けた製造・出荷が年前半に集中するため、第4四半期連結会計期間から第1四半期連結会計期間の売上高が高くなる一方、需要期を過ぎた第3四半期連結会計期間においては返品が発生する等、季節により売上高や営業損益が偏る季節変動要因があります。
(2)資産、負債及び純資産の状況
当第3四半期連結会計期間末における総資産額は、前連結会計年度末に比べて24億27百万円減少し、517億94百万円となりました。主な要因は棚卸資産が10億68百万円、建物及び構築物(純額)が70百万円、機械装置及び運搬具(純額)が4億37百万円増加した一方で、売掛金が43億31百万円、投資有価証券が1億91百万円減少したこと等によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末と比べて35億15百万円減少し、296億77百万円となりました。主な要因は未払金が1億90百万円、退職給付に係る負債が1億4百万円増加した一方で、支払手形及び買掛金が5億36百万円、電子記録債務が15億68百万円、短期借入金が18億11百万円、賞与引当金が2億7百万円、返金負債が3億49百万円減少したこと等によるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比べて10億88百万円増加し、221億16百万円となりました。主な要因は、その他有価証券評価差額金が1億8百万円、為替換算調整勘定が18億21百万円、非支配株主持分が2億84百万円増加した一方で、利益剰余金が11億37百万円減少したこと等によるものであります。
自己資本比率は3.2ポイント増加し、38.7%となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、7億31百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。