【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における総資産は2,127,327千円となり、前連結会計年度末に比べ586,782千円増加しました。これは主に、現金及び預金、売掛金の増加に伴い流動資産が580,040千円増加したことによるものであります。
(負債)当連結会計年度末における負債は1,346,802千円となり、前連結会計年度末に比べ174,265千円増加しました。これは主に、未払法人税等、未払消費税等の増加に伴い流動負債が472,077千円増加したことによるものであります。
(純資産)当連結会計年度末における純資産は780,524千円となり、前連結会計年度末に比べ412,517千円増加しました。これは主に、利益剰余金が412,182千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。この結果、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明において増減額及び前期比(%)を記載せずに説明しております。
当連結会計年度(2022年1月1日~2022年12月31日)におけるわが国経済は、ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあり、持ち直しの動きが見られております。ただし、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっています。また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響にも十分注意する必要がある状況が続いています。
人材サービス業界においては、2022年平均の有効求人倍率は1.28倍で、前年に比べて0.15ポイント上昇しており、持ち直しの動きが見られております。新卒採用市場においても、厚生労働省と文部科学省による令和5年3月大学等卒業予定者の就職内定状況調査(令和4年12月1日現在)では、大学生の就職内定率が84.4%と前年同期を1.4ポイント上回り、持ち直しの動きが見られております。
このような経営環境の中、当社グループは「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時にスポーツが持つ可能性を様々なフィールドで発揮し、個人、法人、地域社会そして日本の発展に貢献すること」という経営理念のもと、スポーツ人財(※1)がスポーツを通じて培った素養を活かし、競技以外のビジネスというフィールドで輝けるよう、最適な企業と結びつけることに取り組んでまいりました。(※1.スポ―ツに打ち込んだ経験を通じて社会・企業が求める高い価値を身につけた人財。新卒者においては、現役体育会学生、大学スポーツサークル・高校部活・クラブチーム等での競技経験者。既卒者においては、体育会出身者及び現役アスリートも含めたスポーツに打ち込んだ経験を持つ社会人。)
当社グループの主要3事業である、新卒者向けイベント事業、新卒者向け人財紹介事業、既卒者向け人財紹介事業については以下のとおりであります。
新卒者向けイベント事業の当連結会計年度における売上高は1,129,062千円となり、過去最高となりました。イベント開催数は前期実績を上回りました。販売枠数は、営業活動の見直しによる企業のイベント出展ニーズの早期取り込みにより前期実績を大きく上回り、イベント開催数の増加率以上の伸展となりました。2024年3月卒向けイベントへの企業の出展ニーズは強く、受注進捗は2023年3月卒向けを上回る推移となっております。新卒者向け人財紹介事業の当連結会計年度における売上高は844,101千円となり、過去最高となりました。 2023年3月卒ユニーク紹介学生数(企業に紹介した重複しない学生数)は、就職活動の早期化の影響により早期に内定を獲得する学生数が増加し、就職活動中の学生数が前期比減少傾向にあったため、前期実績を下回りました。カバー率(登録者の内、面談対応により、アナログな関係が構築できている登録者の比率)も同様の要因により前期実績を下回りました。ユニーク紹介企業数(学生に紹介した重複しない企業数)は、昨年下半期からの契約締結先の掘り起こしや新規顧客企業獲得等の営業施策により、前期実績を大幅に上回りました。就職活動が早期化した一方、企業の採用需要が底堅く、ユニーク紹介企業数の増加に伴い、成約率は前期実績を上回りました。その結果、成約人数が前期実績を上回り、売上高は前期比で大きく増加しました。2023年3月卒学生向けスポナビ2023の登録者数は、2022年12月末時点で、2022年3月卒学生向けスポナビ2022の登録者数の前期実績とほぼ同水準となりました。2023年3月卒学生向けのスポチャレ累計登録者数及びユニーク紹介学生数は、2022年12月末時点でともに2022年3月卒の前期実績を大幅に上回りました。既卒者向け人財紹介事業の当連結会計年度における売上高は777,221千円と、企業の採用需要において持ち直しの動きが継続したことにより過去最高となりました。ユニーク紹介人財数(企業に紹介した重複しない人財数)は前期実績を上回り、高い水準を維持しています。ユニーク紹介企業数についても、前期実績を大幅に上回りました。その結果、成約率が前期実績を上回り、成約人数の増加に寄与しました。新規登録者数は、第1、第2四半期と前年同期比で下回ったものの、第3四半期に続き第4四半期も前年同期実績を上回り、前期実績とほぼ同水準となりました。
売上原価に関しては、スポナビアスリート(デュアルキャリア)事業の成長に伴い、派遣労務費が前期比で増加しました。営業利益及び経常利益に関しては、売上高が過去最高となったことに加え、販売費及び一般管理費が前期とほぼ同水準となったため、過去最高となりました。人件費については、新卒社員24名を迎え入れた一方、利益体質への改善に向けた一環で中途採用ペースを抑制したこと等により前期実績と同水準となりました。広告宣伝費は登録者数獲得のため前期比で増加しました。営業拠点の拡充に伴い先行投資となっていた地代・家賃増加のインパクトが減少したことに加え、業務委託費・採用費等の減少によって、販売費及び一般管理費の増加が抑制されました。
この結果、当連結会計年度における売上高は2,866,214千円、営業利益は637,002千円、経常利益は634,239千円、親会社株主に帰属する当期純利益は412,318千円となりました。
なお、当社グループはスポーツ人財採用支援事業の単一セグメントであるため、セグメントごと記載はしておりません。
③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は1,448,007千円となり、前連結会計年度末に比べ482,358千円増加しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における営業活動の結果、増加した資金は609,537千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上634,239千円によるものです
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における投資活動の結果、減少した資金は7,100千円となりました。これは主に、オフィスのレイアウト変更や拡充に伴う有形固定資産の取得による支出3,287千円、敷金及び保証金の差入による支出3,903千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当連結会計年度における財務活動の結果、減少した資金は120,077千円となりました。これは主に、長期借入による収入100,000千円、長期借入金の返済による支出219,300千円によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績 当社グループは、受注生産形態をとる事業を行っていないため、生産規模及び受注規模を金額及び数量で示す記載をしておりません。
事業別の販売実績については次のとおりであります。
区分
売上高(千円)
新卒者向けイベント売上高
1,129,062
新卒者向け人財紹介売上高
844,101
既卒者向け人財紹介売上高
777,221
その他売上高
115,828
合計
2,866,214
(注)1.上記の金額には返金負債、売上戻り高を含んでおります。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する
割合が10%以上の相手先がいないため、記載を省略しております。
3.当社グループはスポーツ人財採用支援事業の単一セグメントであるため、セグメントごと記載はしてお
りません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、経営者による会計方針の採用、資産・負債及び収益・費用の計上に影響を及ぼす見積り及び予測を必要としております。経営者は過去の実績値や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っておりますが、見積り及び予測には不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。 当社グループの財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。この結果、前連結会計年度と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明において増減額及び前期比(%)を記載せずに説明しております。
当連結会計年度(2022年1月1日~2022年12月31日)におけるわが国経済は、ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあり、持ち直しの動きが見られました。人材サービス業界においては、2022年平均の有効求人倍率は1.28倍で、前年に比べて0.15ポイント上昇し、持ち直しの動きが見られた1年となりました。 当社グループにおいては、前述の経営成績の状況に記載した通り、主要3事業全てにおいて売上高が過去最高となりました。営業利益及び経常利益に関しても、売上高が過去最高となったことに加え、販売費及び一般管理費が前期とほぼ同水準となったため、過去最高となりました。この結果、売上高は2,866,214千円、営業利益は637,002千円、経常利益は634,239千円、親会社株主に帰属する当期純利益は412,318千円となりました。 今後、費用に関しては、成長のための人員増強により人件費を増加、また、登録者数獲得のため広告効率を注視しながら広告宣伝費を増加するものの、適切な費用コントロールを行いながら、売上高経常利益率20%以上を維持し、引き続き筋肉質な経営を目指してまいります。なお、2023年12月期通期の連結業績予想につきましては、下記の通り、2023年2月13日公表いたしました業績予想から変更はありません。
区分
当連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
翌連結会計年度連結業績予想(自 2023年1月1日
至 2023年12月31日)
増減
増減率(%)
売上高(千円)
2,866,214
3,186,825
320,610
11.2
営業利益(千円)
637,002
680,074
43,071
6.8
経常利益(千円)
634,239
677,406
43,167
6.8
親会社株主に帰属する当期純利益(千円)
412,318
440,314
27,996
6.8
(注)上記連結業績見通しに関する注意事項世界的な金融引締めや物価上昇、また、金融資本市場の変動等の影響に注意する状況は続くものの、ウィズコロナの下、各種政策の効果もあり、雇用情勢の持ち直しが今後も継続すると想定しております。 上記に記載した業績予想については、現時点で入手可能な情報に基づいており、実際の業績等は様々な要因により予想数値と異なる可能性があります。
なお、当社グループはスポーツ人財採用支援事業の単一セグメントであるため、セグメントごと記載はしておりません。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析 キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの資金需要の主なものは、採用費及び人件費、会員獲得を主な目的とした広告宣伝費に加え、拠点開設に係る有形固定資産等への投資等があります。これらの資金需要に対しては、営業活動から得た自己資金を充当することを基本としながら、必要に応じて追加の資金調達を実施いたします。具体的には短期の運転資金については自己資金や金融機関からの短期借越枠にて充当し、長期の設備投資等については金融機関からの長期借入金により充当いたします。 なお、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化していたことから現預金水準を高め、当社グループの財務的な安定性を高めることを目的として、長期借入で総額100,000千円の資金調達を行いました。手元流動性の目安としては月商平均に対して3か月程度から6か月程度の範囲を想定しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について 当社グループは、スポーツ人財採用支援事業を展開するにあたり、組織体制の強化及び質の高いスポーツ人財採用支援サービスを提供することで、各地域における大学をはじめとした教育機関との良好な関係を構築・連携を図っていく方針でありますが、必要とする従業員の採用及び十分な人数の確保ができない場合又は十分な研修等を実施できない場合は、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があると考えております。 また、従業員の人為的なミス又は不測の事態の発生等による訴訟が生じた場合、個人情報の流出等により当社の信用が著しく低下した場合に、経営成績に重要な影響を与えると考えております。 この対応策として、優秀な従業員の積極的な採用を行い、研修等を通じて、経営理念及び行動指針を浸透させるとともに、質の高いスポーツ人財採用支援サービスを提供するよう従業員に対する指導、教育体制の充実を図っております。
⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。一般に公正妥当と認められる連結財務諸表の作成においては、期末日における資産及び負債の報告額や、報告対象期間中の収益及び費用の報告額に影響する判断及び見積りを行うことが求められております。当社グループの連結財務諸表作成においては、過去の実績等を勘案し合理的に判断及び見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。 連結財務諸表に関して、認識している特に重要な見積りを伴う会計方針は、以下のとおりであります。
(a)返金負債当社グループは、新卒人財の紹介において求職者が内定を辞退した場合及び既卒人財の紹介において入社者が早期退職をした場合に紹介先企業から収受した紹介手数料を返金する制度を設けております。当該返金の支払いに備えるため、将来における返金見込額を返金負債として計上しており、将来における返金見込額は期末時点における返金実績率に基づき算出しております。返金実績率の算定にあたっては、過去の実積をもとに慎重に算定を行っておりますが、経営環境等の諸前提の変化により、返金の見積りにおいて想定していなかった返金の発生や、返金の実績が引当金の額を下回った場合は、当社グループの業績が変動する可能性があります。
(b)繰延税金資産当社グループは、将来の利益計画に基づいた課税所得の見積りを行い、将来減算一時差異等に対して繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が取り崩され、税金費用が計上される可能性があります。
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