【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年9月30日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和等から景気は緩やかながら持ち直しの動きがみられましたが、円安による物価の上昇や資源・エネルギー価格の上昇等が続き、経済への影響が懸念される状況で推移しました。世界経済におきましては、長期化している半導体不足やロシアによるウクライナ侵攻、インフレを背景とした各国の利上げ、中国でのゼロコロナ政策による行動制限などの影響により、先行き不透明な状況が続いています。当社グループの主要な市場におきましては、世界的な半導体不足のために企業における部材確保が進んだ結果、部品調達の調整や製品の在庫消化の動きが広がっています。一方で、PC・タブレット関連製品や液晶ディスプレイ等など個人向けデジタルデバイス関連製品、企業の設備投資やシステム投資に関連する製品・サービスへの需要は底堅く推移しております。このような状況のもと、当社は、デジタル分野において他企業との連携やM&Aを進めることでコンソーシアム(共同体)を形成し、これを拡大することでシナジーを創出し企業価値を高めていくことを柱とする「デジタルコンソーシアム構想」を成長戦略として位置付け、「デジタルコンソーシアムで未来の社会を創造する」というビジョンを推進しております。これらの結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は11,634百万円(前年同期比1.1%増)となりました。利益につきましては、営業利益は408百万円(前年同期比21.0%増)、経常利益は587百万円(前年同期比77.0%増)となったほか、親会社株主に帰属する四半期純利益は348百万円(前年同期比15.7%増)となりました。
セグメント別の業績につきましては、次のとおりであります。
①メモリーモジュール事業主要製品のDIMM(Dual Inline Memory Module)及びSSD(Solid State Drive)の主要調達部材である半導体メモリー製品のDRAM、NANDの取引価格につきましては、新型スマートフォンやPC、サーバーなどを取り扱う大手メーカーで在庫・生産の調整が進んだことを背景に、取引価格が下落し始めました。世界的な半導体不足の影響で進んでいた顧客企業各社における部材確保が一服し、主力製品である産業用途向けメモリーモジュール、個人用PC用途向けメモリーモジュールともに、在庫調整により需要は減少傾向にあるものの、当第2四半期連結累計期間におきましては、利益率の高い自社ブランドであるメモリーモジュール製品の販売が安定的に推移しました。これらの結果、メモリーモジュール事業のセグメント売上高は5,249百万円(前年同期比6.0%減)、セグメント利益は473百万円(前年同期比33.9%増)となりました。
②テレワークソリューション事業当第2四半期連結累計期間におきましては、「Webex」「BlueJeans」「Zoom」等のライセンス、ウェブカメラや高機能ヘッドセット等デジタル会議用途向け周辺機器が引き続き堅調に推移しました。オフィスへの出社とテレワーク等を併用する「ハイブリッドワーク」においての活用が期待される会議室等への据え置きタイプのデジタル会議専用端末の需要は顕在化しはじめておりますが、全体としてテレワーク関連機器への需要が弱含みで推移したほか、世界的な半導体不足による製品納期の遅延等が続いたことから、販売戦略や営業体制の見直し、販管費の削減等を進めました。これらの結果、テレワークソリューション事業のセグメント売上高は958百万円(前年同期比27.9%減)、セグメント損失は47百万円(前年同期はセグメント利益18百万円)となりました。
③デジタルデバイス周辺機器事業eスポーツ関連では、ヘッドセットなどの新製品を投入したことで、市場での存在感を示しながら堅調な販売実績となったほか、液晶ディスプレイやスマートフォン・タブレット周辺機器の販売も堅調に推移しました。その一方で、円安による製品調達コストの上昇、輸入及び国内物流コストの高騰、競合他社との競争激化等による粗利率の低下が継続したことから、一部製品の販売価格改定や利益率の高い製品の販売強化等による利益率の向上とともに、販管費の削減等を行いました。これらの結果、デジタルデバイス周辺機器事業のセグメント売上高は3,248百万円(前年同期比8.4%増)、セグメント損失は53百万円(前年同期はセグメント損失53百万円)となりました。
④デバイスプログラミング・ディスプレイソリューション事業当第2四半期連結累計期間におきましては、ROM書込みサービスでは日本サムスン株式会社、株式会社トーメンデバイスと共同で実施する国内大手メーカーに向けたプロジェクトが計画を上回る進捗となり、また今後の需要拡大に備えるために横浜市にある社屋建て替えを決定するなど、更なる事業拡大の動きを開始しました。デバイスプログラミング関連では、アミューズメント関連メーカーへのデバイスプログラマの納入、車載メーカーへのオートハンドラの納入、海外向け変換アダプタ関連の販売が堅調に推移し、計画を上回る結果となりました。ディスプレイソリューション関連では、超薄型サイネージ「WiCanvas」の大手ショッピングモール、店舗、展示場への導入や、非接触赤外線センサー「ディスプレア」の量産出荷があり、当初の計画を上回って堅調に推移しました。これらの結果、デバイスプログラミング・ディスプレイソリューション事業のセグメント売上高は866百万円(前年同期比1.9%増)、セグメント利益は259百万円(前年同期比21.5%増)となりました。
⑤システム開発事業2022年7月1日付の株式会社パイオニア・ソフト及び株式会社イーアイティーの合併により、従業員約200人を擁する株式会社クレイトソリューションズが発足しました。主力ビジネスである技術支援型(人材派遣型)案件においては、システム開発市場における旺盛な技術人材ニーズの継続を背景に、主要取引先における技術者の最適・重点配置の進展、技術者のテレワーク比率の高止まり、効率化による諸費用の削減等の要因により、営業利益率が大きく向上しました。また、受託開発案件においても、主要業務であるERP(基幹業務システム)の導入支援・保守案件が現場での生産性向上により順調に推移しており、受託開発の比率を引き上げるべく、新たなERP製品の取扱いについての準備も進めています。これらの結果、システム開発事業のセグメント売上高は990百万円(前年同期比64.8%増)、セグメント利益は90百万円(前年同期比120.9%増)となりました。
⑥その他事業その他事業では、Webサイトの構築や広告の制作プロデュース及びマーケティングのコンサルティング事業、システム構築や技術者派遣事業、高性能2眼カメラセンサーの開発・推進を行うインテリジェント・ステレオカメラ(ISC)事業、企業の買収等の斡旋や仲介及びこれらに関する財務コンサルティング事業、太陽光発電等の環境エレクトロニクス関連事業、モバイルアクセサリの販売事業、ソフトウェアやハードウェアの設計・開発を行うエレクトロニクス設計事業などの様々な事業を手掛けております。当第2四半期連結累計期間におきましては、エレクトロニクス設計事業が堅調に推移したほか、Webサイト構築での新規案件獲得が業績に大きく寄与いたしました。ISC事業では、半導体不足による部品調達遅延の影響で量産型商品の出荷が遅れているものの、引き続きアプリケーションソフト開発を進めるほか、複数の大手企業との実証実験を含めた研究開発に注力しております。これらの結果、その他事業のセグメント売上高は589百万円(前年同期比144.2%増)、セグメント利益は43百万円(前年同期はセグメント損失6百万円)となりました。
(資産) 流動資産は、前連結会計年度末に比べて0.8%減少し、12,784百万円となりました。これは、現金及び預金が573百万円増加したものの、受取手形、売掛金及び契約資産が865百万円減少したことなどによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて0.0%減少し、2,472百万円となりました。これは主に、のれん償却及び減価償却費の計上等により有形固定資産及び無形固定資産が109百万円減少したものの、敷金及び保証金が127百万円増加したことなどによるものであります。この結果、資産合計は前連結会計年度末に比べて0.7%減少し、15,257百万円となりました。
(負債) 流動負債は、前連結会計年度末に比べて1.7%減少し、9,536百万円となりました。これは、短期借入金が600百万円増加したものの、支払手形及び買掛金が622百万円減少したことなどによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて14.5%減少し、1,451百万円となりました。これは、長期借入金が206百万円減少したことなどによるものです。この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて3.6%減少し、10,988百万円となりました。
(純資産)純資産合計は、前連結会計年度末に比べて7.7%増加し、4,269百万円となりました。これは、当第2四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益を348百万円計上したことなどによるものです。
(2)キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて32.9%増加して3,196百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、437百万円の収入(前年同期は908百万円の支出)となりました。主な要因は、棚卸資産の増加で252百万円、仕入債務の減少で622百万円それぞれ減少したものの、税金等調整前四半期純利益で556百万円、売上債権及び契約資産の減少で865百万円それぞれ増加したことによります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、168百万円の支出(前年同期は80百万円の収入)となりました。主な要因は、保険積立金の解約による収入で43百万円増加したものの、有形固定資産の取得による支出で74百万円、敷金及び保証金の差入による支出で88百万円それぞれ減少したことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、217百万円の収入(前年同期は888百万円の収入)となりました。主な要因は、長期借入金の返済により239百万円減少したものの、短期借入金が600百万円増加したことによります。
(3)経営方針・経営戦略等 当第2四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等についての重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は5百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。