【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、行動制限の緩和等により社会経済活動が正常化に向かう動きは見受けられるものの、世界的なインフレや金融引締めから海外景気が下振れするリスクがあり、国内景気への影響が懸念される等、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境の中、当社グループはIPディベロッパー戦略をさらに加速し、グローバル展開とIP創出体制の構築に注力してまいりました。2023年3月に「2023 Bushiroad Expo Asia」in Hong Kongを開催、現地のユーザーのみならずショップ・ディベロッパーの方々を招いた大規模なイベントを開催し、ブシロードの存在感をアピールしました。「2023 Bushiroad Expo Asia」はこの後もアジア5都市で開催予定です。また、同月に開催された「AnimeJapan 2023」へも出展しており、15周年を迎えたTCG(トレーディングカードゲーム)「ヴァイスシュヴァルツ」と、2022年11月にスタートした「ヴァイスシュヴァルツブラウ」のカード展示を行いました。
なお、2023年4月25日付の当社リリース「フィットネスクラブ事業からの撤退に伴う連結子会社における会社分割(新設分割)及び新設会社株式の譲渡並びに特別損失の計上に関するお知らせ」に記載の通り、当社グループは2023年6月期をもってフィットネスクラブ事業から撤退することを決定しております。また、同日付の「当社連結子会社の会社分割(新設分割)による子会社設立に関するお知らせ」においてIP創出を主目的とした新会社「ブシロードワークス」を2023年7月に設立することを決定、IP創出の質・量ともにさらに向上させていくことを目指します。
その結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高35,156,482千円(前年同四半期比21.1%増)、営業利益2,037,185千円(前年同四半期比3.5%増)、経常利益2,689,645千円(前年同四半期比16.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,243,226千円(前年同四半期比38.9%減)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。なお、セグメント売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。
なお、第1四半期連結会計期間より、下記の通り報告セグメントを変更しており、前年同期の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
1.エンターテイメント事業
①TCG(トレーディングカードゲーム)ユニット
「ヴァイスシュヴァルツ」は2023年3月に15周年を迎え、長い歴史を持つキャラクターカードゲームとして確固たる地位を確立しつつあります。当四半期には「ヘブンバーンズレッド」「ホロライブプロダクション Vol.2」など6つ、「Reバース for you」では「東方Project vol.2」など4つの大型カード商品を発売。「カードファイト!! ヴァンガード」では大型商品を1つ、「Shadowverse EVOLVE(シャドウバース エボルヴ)」では1つの大型カード商品を発売いたしました。「ヴァイスシュヴァルツブラウ」では「ちいかわ」「すとぷり」など4つの大型商品を発売いたしました。
TCGの市場は2022年度に続き大きく拡大しております。当社商品の売れ行きも国内外ともに好調であるため、TCGユニット売上としては前年同期よりも大きく伸長しておりますが、前期第4四半期や当期第1四半期よりも大型カード商品の発売が少なく、前四半期対比では同水準での推移となりました。
②デジタルコンテンツユニット
モバイルゲームでは「バンドリ!ガールズバンドパーティ!」がリリース6周年を迎え、多岐に渡る追加や変更が行われる超大型アップデートを実施いたしました。一方で「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」がサービス終了する中、「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル2 MIRACLE LIVE!」の2023年4月リリースを発表いたしました。
コンソールゲームは新規のタイトルリリースは無かったものの、「カードファイト!! ヴァンガード ディアデイズ」では追加ダウンロードコンテンツが発売されました。
モバイルゲームは既存タイトルの見直しを実施しコンテンツの再燃や、新規タイトルリリースに備えるとともに、コンソールゲームは、非運営型のゲームでありながら各種コンテンツのダウンロード販売が継続していくことが期待されます。
③BI(Bushiroad International)ユニット
BIユニットはTCGユニットとデジタルコンテンツユニットに重複して属しております。
英語版「ヴァイスシュヴァルツ」では、「Kaguya-sama: Love Is War?」や「Date A Live Vol.2」などを発売いたしました。英語版「カードファイト!! ヴァンガード」では2つの大型カード商品を発売いたしました。また英語版「Shadowverse EVOLVE(シャドウバース エボルヴ)」の2023年6月リリースが決定いたしました。
デジタルコンテンツにおいては各タイトル堅調に推移し、英語版「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」は実装曲数が累計400曲を突破いたしました。
④ライブエンタメユニット
㈱ブシロードミュージックでは、2月4日(土)・5日(日)に有明アリーナにて「BanG Dream! 11th☆LIVE」や、舞台「少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE-#4 Climax」など、ライブやイベントを多数開催しました。一方、パッケージ商品においては、当初の計画から一部スケジュールの変更が生じたため、軟調な結果となりました。
㈱劇団飛行船では、開催中止となった公演もあり、当第3四半期においては軟調な結果となりました。一昨年取得したイベントホール「飛行船シアター」の利用は前四半期に続き増加傾向にあります。
⑤MD(マーチャンダイジング)ユニット
MDについては、「ブルーロック」や「モブサイコ100」などの催事事業が好調であったものの、第2四半期に続き利益率の低い製品の販売ペースを落とす対応を行っており、依然として売上は軟調に推移しております。一方で、出版編集については、TCGに関連する書籍や雑誌の販売が好調に推移するなど、ユニット間での連携が効果的に働きました。
「Wonder Festival 2023 Winter」や「ジャパンアミューズメントエキスポ2023」に出展し、来期より展開するフィギュアブランド「PalVerse(パルバース)」と商品化作品の発表を行うなど、今後の事業回復・拡大に向けた下準備に取り組みました。
⑥アドユニット
㈱ブシロードムーブでは、代理店事業として、VTuber事務所「ホロライブプロダクション」の大型イベント『hololive SUPER EXPO 2023』の運営・制作協力、アジア最大規模のアウトドア・レジャーイベント『ジャパンキャンピングカーショー2023』の実行委員会を担当するなど、複数のイベントに携わり好調に推移しました。
また、声優が出演するリアルイベントや音楽ライブ等の開催が活発化していることを受け、声優事務所「響」に所属する声優の稼働も増加いたしました。
これらの結果、エンターテイメント事業は、売上高29,983,493千円(前年同四半期比20.0%増)、セグメント利益1,880,304千円(前年同四半期比10.3%減)となりました。
2.スポーツ&ヘルスケア事業
新日本プロレスリング㈱では2023年1月4日に「アントニオ猪木追悼大会 WRESTLE KINGDOM 17 in 東京ドーム ~闘魂よ、永遠に~」を開催、前年同日に東京ドームで開催した大会の2倍の観客を動員し、当第3四半期連結累計期間の売上高及び営業利益に大きく貢献いたしました。新日本プロレス・スターダムが開催する各大会の観客動員数は、イベント会場の制限緩和も手伝い、引き続き増加傾向にあります。一方で、北海道を中心にフィットネスクラブを運営する㈱ブシロードウェルビー単体としてはエネルギー価格高騰の影響で運営コストが膨らみ、営業損失が拡大しました。
これらの結果、スポーツ&ヘルスケア事業は、売上高5,172,988千円(前年同四半期比28.2%増)、セグメント利益156,880千円(前年同四半期はセグメント損失127,927千円)となりました。
財政状態は次のとおりであります。
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における総資産は45,815,558千円となり、前連結会計年度末に比べ2,094,545千円増加致しました。これは主に投資有価証券が1,939,696千円増加したことによるものです。
また、減損損失を計上したことにより有形固定資産が318,560千円及び無形固定資産が1,511千円減少しております。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は24,703,369千円となり、前連結会計年度末に比べ2,824,825千円減少致しました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が100,627千円、1年内償還予定の社債が400,000千円、長期借入金が438,001千円、社債が1,400,000千円増加した一方で、転換社債型新株予約権付社債が4,000,000千円、未払法人税等が1,045,830千円減少したことによるものです。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は21,112,189千円となり、前連結会計年度末に比べ4,919,370千円増加致しました。これは主に配当金の支払いにより利益剰余金が291,664千円減少した一方で、転換社債型新株予約権付社債の新株予約権の権利行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ2,000,000千円、新株予約権(ストック・オプション)の権利行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ26,706千円、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が1,243,226千円増加したことによるものです。
また自己株式の消却により利益剰余金が2,325,717千円減少し、自己株式が2,325,717千円減少(株主資本の増加)しております。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
また、新型コロナウイルス感染拡大に伴う会計上の見積りについては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しています。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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