【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、行動制限の緩和等により経済社会活動が正常化に向かう一方で、ロシア・ウクライナ戦争の長期化等による資源価格や原材料価格の高騰、日米の金融政策の相違等を背景とした急速な円安の進行など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境の中、当社グループは2022年8月に中期4ヵ年経営計画を発表し、2026年6月期に売上1,000億円、営業利益120億円達成という将来の展望を示しました。経営戦略としましては「IPディベロッパー2.0」として「Global Mega Character Platform戦略」を打ち出し、IPプラットフォームとして世界的に展開を広げ、IPへの接点の多様化とグローバルな顧客開拓に努めてまいります。中期4ヵ年経営計画の開始に当たっては従来の部門制からユニット制へと移行し、各ユニット長への権限移譲を行ってグループ連携・総合力を底上げするといった社内組織の変更・整備を進めました。
当第1四半期連結累計期間においては前期に引き続きTCGユニットが業績を牽引し、四半期として過去最高の売上となりました。一方、利益面では、デジタルコンテンツユニットにおいて中期4ヵ年経営計画達成のための先行投資として複数のゲームを開発中のため研究開発費が増加しております。また、世界的な経済活動の再開に伴って国内・海外ともリアルイベントを多数開催していることによるイベント関連費用及び物流費等の増加も影響し、前年同期比で減益となりました。
その結果、当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高12,340,365千円(前年同四半期比17.7%増)、営業利益867,044千円(前年同四半期比34.4%減)、経常利益1,186,926千円(前年同四半期比28.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益643,707千円(前年同四半期比43.4%減)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。なお、セグメント売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。
なお、当第1四半期連結会計期間より、下記の通り報告セグメントを変更しており、前年同期の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
1.エンターテイメント事業
①TCG(トレーディングカードゲーム)ユニット
「ヴァイスシュヴァルツ」ではトライアルデッキ「Monsters, Inc.」「Cars」、カムバックブースター「STAR WARS」といった世界的IPの商品を多数発売しました。また、2022年9月の戦略発表会で「アズールレーン」など多数のタイトルの参戦を発表しました。「カードファイト!! ヴァンガード」ではアニメ「カードファイト!! ヴァンガード will+Dress」の最終回に合わせて、ブースターパック「烈火翠嵐」を発売しました。「Reバース for you」では新日本プロレスのトライアルデッキ6種類とブースターパック第2弾を、プロレス大会G1 CLIMAX 32の開幕日である7月16日に合わせて同時発売しました。「Shadowverse EVOLVE(シャドウバース エボルヴ)」では初のコラボパック「ウマ娘 プリティーダービー」を発売しました。
以上の結果、TCGユニットは四半期として過去最高の売上となりました。
②デジタルコンテンツユニット
「戦姫絶唱シンフォギアXD UNLIMITED」では「結城友奈は勇者である-大満開の章-」とのコラボイベントを、「D4DJ Groovy Mix」では「NieR:Automata」とのコラボイベントを行いました。「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS」は2022年9月に3周年を迎え、記念の施策を多数実施いたしました。
また、2022年9月にベルサール秋葉原で開催されたスクフェスシリーズ感謝祭2022にて、「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル2 MIRACLE LIVE!」の制作決定を発表しました。
③BI(Bushiroad International)ユニット
BIユニットはTCGユニットとデジタルコンテンツユニットに重複して属しております。
英語版「ヴァイスシュヴァルツ」では、日本語版でも人気を博した「The Quintessential Quintuplets 2(五等分の花嫁∬)」や、英語版限定タイトルとなる「Attack On Titan: Final Season(進撃の巨人 The Final Season)」などを発売しました。英語版「カードファイト!! ヴァンガード」では「V Clan Collection Vol.5」・「V Clan Collection Vol.6」や、コラボ商品の「Record of Ragnarok(終末のワルキューレ)」・「SHAMAN KING」を発売しました。
デジタルコンテンツにおいては、英語版「ヴァンガードZERO」がアニメ「カードファイト!! ヴァンガード will+Dress」の放送に支えられ堅調に推移しました。英語版「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」では「ホロライブプロダクション」とのコラボイベントを実施しました。
④ライブエンタメユニット
㈱ブシロードミュージックでは、舞台 Lyrical Lily「千リ!の道も一歩から」をはじめ、アサルトリリィSummer LIVE 「voller Blüte」や「BanG Dream! 10th☆LIVE」など、多数の音楽ライブ・舞台を開催いたしました。
㈱劇団飛行船では、「デリシャスパーティ♡プリキュア ドリームステージ♪」の公演を2022年7月より開催し、公演・物販ともに好評を博しています。前連結会計年度では新型コロナウイルス感染症の影響を色濃く受けておりましたが、単体では四半期として過去最高の売上高を記録、営業利益としても黒字転換いたしました。
⑤MD(マーチャンダイジング)ユニット
売上については、2022年9月に有明アリーナにて開催した「BanG Dream! 10th☆LIVE」をはじめ、ライブグッズ売上が回復傾向にあります。一方、利益面では、カプセルトイを中心に海外で製造している製品において、円安や輸送費・材料費の高騰が大きく影響を受けております。
また、中期計画達成に向けてカプセルトイを始めとした立体物制作の内製化を進めており、制作速度の向上やコスト低減を図っております。
⑥アドユニット
㈱ブシロードムーブでは、グループ外部の案件増加により売上が大きく伸長しました。特に中国クライアント事業と他社アニメプロデュース事業が牽引し、第1四半期はグループ外売上比率が40%を超えました。企画・キャスティング・楽曲&MV制作・運営・配信を一貫して行った「Identity V 第五人格」の4周年リアルイベントや、東京ゲームショウ2022において企画・製作・運営を行った「ハリー・ポッター:魔法の覚醒」の試遊ブースはともに盛況のうちに終了しました。
また、「黒の召喚士」や「組長娘と世話係」などの他社アニメの放送枠、プロモーション、音響も出資により委員会に参画することでプロデュース側に立っており、利益率が高い仕事に昇華することが出来ています。
これらの結果、エンターテイメント事業は、売上高10,772,140千円(前年同四半期比15.7%増)、セグメント利益832,293千円(前年同四半期比41.2%減)となりました。
2.スポーツ&ヘルスケア事業
新日本プロレスリング㈱では2022年7月16日から同年8月18日にかけて、「G1 CLIMAX 32」を開催いたしました。シリーズ全20大会合計の動員数は前年秋に開催した同シリーズから約70%増となり、観客動員数は回復傾向にあります。
女子プロレスブランド「スターダム」では2022年7月30日から同年10月1日にかけて全21大会の「5★STAR GP 2022」を開催し、シリーズ合計で18,998名を動員いたしました。2022年9月8日には、女性ファン向けトークイベント「あつまれスタジョ! Vol.1 ~AphroditE編~」を開催するなどファン層の開拓にも積極的に取り組んでおり、㈱ブシロードファイトとして4四半期連続で過去最高売上高を更新いたしました。
フィットネス事業を展開する㈱ブシロードウェルビーでは小中高生向けのプロレストレーニング講座を開催するなど、グループ間のシナジーを生かした新たな取り組みを行っております。
これらの結果、スポーツ&ヘルスケア事業は、売上高1,568,225千円(前年同四半期比33.9%増)、セグメント利益34,751千円(前年同四半期はセグメント損失94,083千円)となりました。
財政状態は次のとおりであります。
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における総資産は48,247,840千円となり、前連結会計年度末に比べ4,526,827千円増加致しました。これは主に現金及び預金が3,239,756千円及び売掛金が989,454千円増加したことによるものです。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における負債合計は27,519,169千円となり、前連結会計年度末に比べ9,024千円減少致しました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が370,508千円、1年内償還予定の社債が400,000千円、長期借入金が2,281,607千円、社債が1,600,000千円、買掛金が381,524千円増加した一方で、転換社債型新株予約権付社債が4,000,000千円及び未払法人税等が829,705千円減少したことによるものです。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産は20,728,670千円となり、前連結会計年度末に比べ4,535,851千円増加致しました。これは主に配当金の支払いにより利益剰余金が291,664千円減少した一方で、転換社債型新株予約権付社債の新株予約権の権利行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ2,000,000千円、新株予約権(ストック・オプション)の権利行使により資本金及び資本準備金がそれぞれ8,250千円、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が643,707千円増加したことによるものです。
また自己株式の消却により利益剰余金が2,325,680千円減少し、自己株式が2,325,680千円減少(株主資本の増加)しております。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
また、新型コロナウイルス感染拡大に伴う会計上の見積りについては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しています。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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