【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①
経営成績の状況当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、物価上昇及び為替変動リスク等の不安要素を抱えつつも、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、経済活動の正常化が進展しました。世界経済においては、ロシア・ウクライナ情勢長期化の影響による原材料及びエネルギー価格の高騰並びに米国の金利動向に影響を受けた為替の急激な変動等、先行き不透明な状況となりました。このような状況の中、当社グループは、高付加価値空間創造企業として、持続可能でよりよい社会の実現を目指し、高い省エネ性能に加え、顧客価値を創造する光の質を高めた新製品の開発、製造及び販売に注力して参りました。業界に先駆け製品をLED化して以降、製品のエネルギー効率の継続的な改善は製造メーカーの責務と考え、さらなる高効率照明器具の開発を進めるとともに、サステナビリティ委員会を設置し、「人と地球にやさしい未来の光」の創造に向けて、サステナビリティ経営を推進しております。また、製造部門においては、環境に配慮した製品の提供を目指し、継続した品質改善活動及び原価低減活動を行うとともに、販売管理費の抑制に努めて参りました。この結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は、11,758百万円(前年同四半期比16.0%の増収)となり、営業利益は862百万円(前年同四半期比35.3%の増益)、経常利益は1,001百万円(前年同四半期比7.1%の増益)、親会社株主に帰属する四半期純利益は760百万円(前年同四半期比116.5%の増益)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。a. 照明器具関連事業当セグメントにおきましては、業務用LED照明器具分野で業界トップクラスの品揃えを実現し、高いブランドイメージの確立に努めました。国内市場については、無線照明コントロールシステム「Smart LEDZ Fit/Fit Plus」及び無線調光調色器具「Tunable LEDZ」の販売促進に注力しました。電気料金の高騰やサステナビリティに関する社会的要請の高まりを背景に、既存照明器具の取り換え需要に加え、新設の商業施設やオフィス等の大型施設向け需要の取込みを強化しました。また、自然の光、カラー演出、色味調整の三役を1台で備えた次世代無線調光調色器具シリーズ「Synca」の製品群を大幅に拡充し、東京事業所の体験型オフィスに引続き福岡営業所の体験型オフィス「Synca U/X Lab FUKUOKA」を活用した積極的な販売活動を展開しました。急激な円安の進行と原材料の高騰による売上原価への影響の対応として、価格改定を行うとともに、原価低減及び販売管理費削減の取組みを継続して進めました。海外市場については、英国において2023年5月に「S16」カタログを発刊し、顧客密着型の営業を強化しました。また、革新的なサービス・製品の提供を行ったとして、1965年から半世紀以上の歴史を持つ英国公式賞である「The King’s Awards(英国国王賞)」を受賞いたしました。さらに、アジアでは、高級建築市場顧客の需要に応える「sync」シリーズの継続した新商品リリースを通じ、同市場における高いブランドイメージの確立と認知度向上に努めました。2023年6月に「sync4」WEB版カタログをリリースし、引き続き既存顧客の深耕に努めるとともに高級建築市場の開拓を進めました。この結果、売上高は10,507百万円(前年同四半期比16.4%の増収)(セグメント間取引含む。以下同じ。)となり、セグメント利益(営業利益。以下同じ。)は1,036百万円(前年同四半期比47.7%の増益)となりました。
b.
環境関連事業当セグメントにおきましては、流通店舗を中心にLED照明の更新提案に注力しました。昨今の電気料金の高騰及び初期型LED照明のメンテナンス費用の課題を解決するため、既存LED照明から最新のLED照明への更新による消費電力の削減及び店舗体験価値の向上を提案しました。特に既存店のLED照明更新の提案では、朝昼夜と時間帯で光の色と明るさを変化できる調光調色照明に取り換えることで、居心地がよく且つ消費電力の削減にも考慮したソリューションとして高評価をいただき、調光調色及び次世代無線調光システム「Synca」の採用に繋がりました。また、営業活動においては動画を活用した展示会でのプレゼンテーションの再配信等、デジタルツールを活用することにも注力し、営業活動の効率向上に努めた結果、レンタル契約実績及び機器販売実績ともに堅調に推移しました。この結果、売上高は2,335百万円(前年同四半期比22.2%の増収)となり、セグメント利益は220百万円(前年同四半期比21.8%の増益)となりました。
c.
インテリア家具事業当セグメントにおきましては、オフィス市場の開拓に注力し、同市場におけるブランド確立に向けた活動を展開しました。オリジナル家具の制作及び業者開拓、環境にやさしい素材を使った商品を提案しました。オフィスで使いやすいテーブル及びチェアを拡充し、他メーカーと共同制作したオリジナルスツール及び環境にやさしい素材を使った商材等を取り入れたカタログ「AbitaStyle 12 改定版」を増刷し、更なるAbitaStyleブランドの認知向上を図りました。また、行動制限緩和による人流回復を受け、ホテル関連への販売活動を強化しました。さらに、オフィスの多様化によって音環境に関する問題も増えてきていることから吸音パネルの受注獲得に向けた活動も積極的に進めました。この結果、売上高は228百万円(前年同四半期比6.7%の増収)となり、セグメント損失は40百万円(前年同四半期は23百万円のセグメント損失)となりました。
②
財政状態の状況(資産)当第1四半期連結会計期間末における総資産は、59,771百万円(前連結会計年度末比2,428百万円の増加)となりました。主な要因は、「現金及び預金」の増加1,385百万円、「受取手形及び売掛金」の増加257百万円及び「棚卸資産」の増加531百万円によるものであります。(負債)当第1四半期連結会計期間末における負債は、26,756百万円(前連結会計年度末比948百万円の増加)となりました。主な要因は、「支払手形及び買掛金」の増加881百万円によるものであります。(純資産)当第1四半期連結会計期間末における純資産は、33,014百万円(前連結会計年度末比1,479百万円の増加)となりました。主な要因は、「親会社株主に帰属する四半期純利益」の計上760百万円、「繰延ヘッジ損益」の増加111百万円、「為替換算調整勘定」の増加814百万円及び「配当金の支払い」による減少221百万円によるものであります。
(2) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は、179百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。