【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①
経営成績の状況当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され経済活動正常化へ動き出したものの、物価上昇の影響を受け、景気回復のペースは鈍いものとなりました。また、世界経済においては、ロシア・ウクライナ情勢長期化の影響による原材料及びエネルギー価格の高騰並びに米国における11月以降のインフレ鈍化観測による為替の急激な変動等、先行き不透明な状況となりました。このような状況の中、当社グループは、高付加価値空間創造企業として、持続可能でよりよい社会の実現を目指し、高い省エネ性能に加え、顧客価値を創造する光の質を高めた新製品の開発、製造及び販売に注力して参りました。業界に先駆け製品をLED化して以降、製品のエネルギー効率の継続的な改善は製造メーカーの責務と考え、さらなる高効率照明器具の開発を進めるとともに、“人と地球にやさしい未来の光”の創造に向けて、新しい価値の提供を進めております。また、製造部門においては、環境に配慮した製品の提供を目指し、継続した品質改善活動及び原価低減活動を行うとともに、全社的な販売費及び一般管理費の抑制に努めて参りましたが、為替の急激な変動及び原材料の高騰等の影響を受けました。この結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は、32,881百万円(前年同四半期比14.8%の増収)となり、営業利益は1,715百万円(前年同四半期比30.4%の減益)、経常利益は2,062百万円(前年同四半期比27.3%の減益)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,065百万円(前年同四半期比50.0%の減益)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。a. 照明器具関連事業当セグメントにおきましては、業務用LED照明器具分野で業界トップクラスの品揃えを実現し、高いブランドイメージの確立に努めました。国内市場については、「LEDZ Pro.5」カタログを発刊し、無線照明コントロールシステム「Smart LEDZ Fit/Fit Plus」及び無線調光調色器具「Tunable LEDZ」の販売促進に注力しました。電力料金の引き上げや電力需給の逼迫の懸念により節電要請が強まる環境下で、既存照明器具の取り換え需要に加え、新設の商業施設やオフィス等の大型施設向け需要の取込みを強化しました。また、自然の光、カラー演出、色味調整の三役を1台で備えた次世代無線調光調色器具シリーズ「Synca」の製品群を大幅に拡充し、東京事業所の体験型オフィス「Synca U/X Lab」を活用した積極的な販売活動を展開しました。2022年10月12日にプレスリリースいたしました通り、「Synca U/X Lab」は、2022年度グッドデザイン賞及びGrand Prix du Design Awardsを受賞しております。さらに、2022年10月13日にプレスリリースいたしました通り、建材メーカーと共同開発した「LED照明内蔵笠木」も2022年度グッドデザイン賞を受賞しております。海外市場については、英国において「S15」カタログを発刊し、顧客密着型の営業を強化しました。また、アジアでは、既存顧客の深耕に努めるとともにアジア向け製品「sync」と戦略商品「Synca」を活用した営業活動を推進し、設計事務所に対して高級建築市場の開拓を進めました。特にインドでは自社ショールームを開設し、高級住宅向けの営業を強化しました。この結果、売上高は29,597百万円(前年同四半期比16.6%の増収)(セグメント間取引含む。以下同じ。)となり、セグメント利益(営業利益。以下同じ。)は1,886百万円(前年同四半期比35.4%の減益)となりました。
b.
環境関連事業当セグメントにおきましては、流通店舗を中心にLED照明の更新提案に注力しました。昨今の急激な電気代の高騰及び初期型のLED照明のメンテナンス費用の課題を解決するため、既存LED照明から最新のLED照明への更新を提案し、店舗体験価値の向上及び消費電力の大幅な削減に貢献しました。ろうそくの光から青空の光まで多彩な光を再現できる「Synca」を活用することで、地域の特産品に合わせたカラーや、各売場ごとのイメージカラーを演出する等、照明によって今までにない楽しい雰囲気の売場づくりに貢献しました。また、営業活動においては動画を活用した展示会でのプレゼンテーションの再配信等、デジタルツールを活用することにも注力し、営業活動の効率向上に努めた結果、レンタル契約実績及び機器販売実績ともに対前年同四半期比で増加いたしました。この結果、売上高は6,098百万円(前年同四半期比16.2%の増収)となり、セグメント利益は580百万円(前年同四半期比58.8%の増益)となりました。
c.
インテリア家具事業当セグメントにおきましては、オフィス市場の開拓に注力し、同市場におけるブランド確立に向けた活動を展開しました。オリジナル家具の制作及び業者開拓、環境にやさしい素材を使った商品を提案しました。オフィスで使いやすいテーブル及びチェアを拡充し、他メーカーと共同制作したオリジナルスツール及び環境にやさしい素材を使った商材等を取り入れたカタログ「AbitaStyle 12 改定版」を2022年12月に発刊し、更なるAbitaStyleブランドの認知向上を図りました。また、国内受注生産品の強化によって納期短縮を図り、原材料及び物流コスト高騰等への対応として総コスト削減に取組みました。この結果、売上高は645百万円(前年同四半期比8.2%の減収)となり、セグメント損失は96百万円(前年同四半期は88百万円のセグメント損失)となりました。
②
財政状態の状況(資産)当第3四半期連結会計期間末における総資産は、57,426百万円(前連結会計年度末比1,830百万円の増加)となりました。主な要因は、「受取手形及び売掛金」の増加776百万円、「棚卸資産」の増加412百万円及び「有形固定資産」の増加383百万円によるものであります。(負債)当第3四半期連結会計期間末における負債は、26,465百万円(前連結会計年度末比887百万円の減少)となりました。主な要因は、「有利子負債」の増加225百万円及び「支払手形及び買掛金」の減少1,265百万円によるものであります。(純資産)当第3四半期連結会計期間末における純資産は、30,960百万円(前連結会計年度末比2,717百万円の増加)となりました。主な要因は、「親会社株主に帰属する四半期純利益」の計上1,065百万円、「為替換算調整勘定」の増加2,392百万円、「繰延ヘッジ損益」の減少313百万円及び「配当金の支払い」による減少443百万円によるものであります。
(2) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は、510百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。