【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大とそれに対応する企業活動の自粛や緊急事態宣言の発出により、急速な悪化が続く厳しい状況で始まりました。夏以降は緩やかに経済活動が再開しつつありましたが、より感染力の高い変異株の発生が報告されており、依然として予断を許さない状況が続いております。また、世界経済においては、一部に回復の兆しがみられるものの、新型コロナウイルス感染症の影響によって経済活動は低迷し、米中対立についても改善の兆しが見えず、先行き不透明な状況が続いております。 このような状況の中、当社グループは、持続可能な社会に向け、高付加価値空間創造企業として、高い省エネ性能に加え、顧客価値を創造する光の質を高めた新製品の開発、製造及び販売に注力して参りました。また、製造部門において継続した品質改善活動及び原価低減活動を行うとともに全社的な販売費及び一般管理費の抑制に努めて参りました。この結果、当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
財政状態の状況(流動資産)当連結会計年度末における流動資産は、28,495百万円(前連結会計年度末比1,153百万円の増加)となりました。(固定資産)当連結会計年度末における固定資産は、22,052百万円(前連結会計年度末比856百万円の減少)となりました。(流動負債)当連結会計年度末における流動負債は、14,096百万円(前連結会計年度末比51百万円の減少)となりました。(固定負債)当連結会計年度末における固定負債は、12,908百万円(前連結会計年度末比883百万円の減少)となりました。(純資産)当連結会計年度末における純資産合計は、23,541百万円(前連結会計年度末比1,231百万円の増加)となりました。
経営成績の状況(売上高)当連結会計年度における売上高は、35,417百万円(前連結会計年度比9.6%の減収)となりました。(営業利益)当連結会計年度における営業利益は、1,907百万円(前連結会計年度比24.9%の減益)となりました。(経常利益)当連結会計年度における経常利益は、1,948百万円(前連結会計年度比24.0%の減益)となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、1,277百万円(前連結会計年度比33.4%の減益)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(照明器具関連事業)照明器具関連事業の売上高は29,565百万円(前連結会計年度比11.3%の減収)(セグメント間取引含む。以下同じ。)となり、セグメント利益(営業利益。以下同じ。)は2,058百万円(前連結会計年度比32.8%の減益)となりました。
(環境関連事業)環境関連事業の売上高は8,474百万円(前連結会計年度比9.4%の増収)となり、セグメント利益は655百万円(前連結会計年度比67.0%の増益)となりました。
(インテリア家具事業)インテリア家具事業の売上高は1,085百万円(前連結会計年度比34.0%の減収)となり、セグメント損失は35百万円(前連結会計年度比53百万円のセグメント利益)となりました。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物は、9,885百万円(前連結会計年度は8,797百万円)となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、5,844百万円の増加(前連結会計年度は2,779百万円の増加)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、2,484百万円の減少(前連結会計年度は2,250百万円の減少)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、2,332百万円の減少(前連結会計年度は2,002百万円の減少)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(百万円)
前年同期比(%)
照明器具関連事業
5,479
△1.1
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.金額は製造原価としております。3.金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)は主に需要予測に基づく見込生産方式を採用しているため、該当事項はありません。
c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前年同期比(%)
照明器具関連事業
25,904
△13.3
環境関連事業
8,427
9.7
インテリア家具事業
1,085
△32.2
合計
35,417
△9.6
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、新型コロナウイルス感染症の拡大による建築需要及び設備投資需要の低下の影響を受ける結果となりました。新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を合理的に算出することが困難なことから業績予想を未定としてスタートしましたが、第2四半期までの動向を踏まえ、2020年10月30日に業績予想として売上高31,500百万円、営業利益350百万円、経常利益450百万円及び親会社株主に帰属する当期純利益50百万円を公表し、その達成のため、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い事業活動が制限される中、リモートによる活動を推進し、高付加価値空間創造企業として、高い省エネ性能に加え、顧客価値を創造する光の質を高めた新製品の開発、製造及び販売に注力して参りました。新型コロナウイルス感染症の影響により設備投資需要が大きく抑制されることを想定しておりましたが、国内における食品スーパーを始めとする流通店舗等の底堅い設備投資需要及び英国での堅調な販売に支えられ、当連結会計年度における売上高は、35,417百万円(前連結会計年度比9.6%の減収、業績予想比12.4%の増収)となりました。また、製造部門における継続した品質改善活動及び原価低減活動並びに全社的な販売費及び一般管理費の抑制に努めた結果、営業利益は1,907百万円(前連結会計年度比24.9%の減益、業績予想比444.8%の増益)、経常利益は1,948百万円(前連結会計年度比24.0%の減益、業績予想比332.8%の増益)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,277百万円(前連結会計年度比33.4%の減益、業績予想比2,454.0%の増益)となりました。
2021年3月期
(2020年10月30日公表の業績予想)
2021年3月期(実績)
増減
増減率(%)
売上高(百万円)
31,500
35,417
3,917
12.4
営業利益(百万円)
350
1,907
1,557
444.8
経常利益(百万円)
450
1,948
1,498
332.8
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)
50
1,277
1,227
2,454.0
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。(照明器具関連事業)当セグメントにおきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い事業活動が制限される中、業務用LED照明器具分野で業界トップクラスの品揃えを実現し、高いブランドイメージの確立に努めました。国内市場においては、「LEDZ Pro.4」カタログを発刊し、無線照明コントロールシステム「Smart LEDZ Fit/Fit Plus」及び無線調光調色器具「Tunable LEDZ」の販売促進に注力しました。既存照明器具の取り換え需要に加え、新設の商業施設やオフィス等の大型施設向け需要の取込を強化し、リモート営業等を取り入れて販売活動を推進しました。また、自然の光、カラー演出、色味調整の三役を1台で備えた次世代無線調光調色器具シリーズ「Synca」を発表し、ショールームにおける実機プレゼンテーション及びオンラインイベント等を開催することで新たな光による価値提案を進めました。海外市場においては、深刻な都市封鎖の影響を受けて経済活動の停滞が発生する中、リモート営業を積極活用し、既存顧客の深耕に努めるとともにアジア向け「sync」製品による高級建築市場の開拓を進めました。この結果、売上高は29,565百万円(前連結会計年度比11.3%の減収)(セグメント間取引含む。以下同じ。)となり、セグメント利益(営業利益。以下同じ。)は2,058百万円(前連結会計年度比32.8%の減益)となりました。
(環境関連事業)当セグメントにおきましては、消費電力削減だけでなく目的に合わせた光環境を整備することにより、快適な空間づくりについての総合的な提案活動を強化しました。また、コロナ禍でのオンライン提案による取り組みを推進し、食品スーパーを始めとする流通店舗を中心とした販売活動を展開しました。当社グループの提供する消費電力削減効果の高い高効率LED照明器具及び顧客の商品・サービスにあわせた空間づくりが可能な制御機器が高い評価を得てレンタル契約実績及び機器販売実績ともに前連結会計年度比で増加いたしました。この結果、売上高は8,474百万円(前連結会計年度比9.4%の増収)となり、セグメント利益は655百万円(前連結会計年度比67.0%の増益)となりました。
(インテリア家具事業)当セグメントにおきましては、建築士及びインテリアデザイナー等へ向けて新たに発刊した総合カタログ「AbitaStyle 11」を配布し、積極的な販売促進活動を展開するとともに、照明器具関連事業との協業による新規顧客の開拓に努めました。加えて、コロナ禍の中、オフィスにおける環境や働き方改革への需要の高まりを受けて、オフィス関連のディーラー及びサプライヤー向けの営業強化及び商品開発を推進しました。また、市場の落ち込みの影響を受けながらも物流網の拡大を図るとともに配送費用を削減し、費用対効果の検証徹底によるコストダウン等に努めました。この結果、売上高は1,085百万円(前連結会計年度比34.0%の減収)となり、セグメント損失は35百万円(前連結会計年度は53百万円のセグメント利益)となりました。
財政状態に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。当社グループの当連結会計年度末における自己資本比率は46.6%(前連結会計年度末比2.2ポイントの増加)となり、当連結会計年度末における1株当たり純資産額は1,592円88銭(前連結会計年度末比83円34銭の増加)となりました。(資産)当連結会計年度末の資産合計は、50,547百万円(前連結会計年度末比296百万円の増加)となりました。主な要因は、「現金及び預金」の増加1,266百万円、「有形固定資産」の減少868百万円及び「商品及び製品」の減少16百万円によるものであります。(負債)当連結会計年度末の負債合計は、27,005百万円(前連結会計年度末比934百万円の減少)となりました。主な要因は、「支払手形及び買掛金」の増加54百万円、「未払金」の増加313百万円、「その他流動負債(未払費用等)」の増加654百万円及び「有利子負債」の減少1,976百万円によるものであります。(純資産)当連結会計年度末の純資産合計は、23,541百万円(前連結会計年度末比1,231百万円の増加)となりました。主な要因は、「親会社株主に帰属する当期純利益」の計上1,277百万円、「為替換算調整勘定」の増加261百万円及び「配当金の支払い」による減少332百万円によるものであります。
経営成績及び財政状態等に重要な影響を与える要因当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの運転資金の需要は、原材料の仕入及び製造費用並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新製品のための設備投資が中心となっております。当社グループは、これらの事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金の需要につきましては、自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資等の長期資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入金を基本としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、不確実性の高い事象であることを踏まえ、少なくとも2022年3月期中は一定程度の影響があるものと仮定して会計上の見積りを行っております。過去の実績及び当該取引の状況に照らして、合理的と考える見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。