【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、底堅い内需により堅調に推移しておりましたが、10月に実施された消費税の増税、米中の貿易摩擦の高まり等により、足踏み感が強まりました。米中貿易摩擦が長期化する懸念や、保護主義の台頭による経済的な分断のリスク等により、世界経済は先行きの不透明感が増しており、加えて新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、各国の経済活動が停滞し、世界経済の減速懸念が強まる状況となりました。当連結会計年度における新型コロナウイルスの影響は限定的でありましたが、当社グループの主要取扱製品であるLED照明器具は、建築物等の照明設備であるため、今後、建築需要や企業の設備投資の動向が、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。このような状況の中、当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
財政状態の状況(流動資産)当連結会計年度末における流動資産は、27,341百万円(前連結会計年度末比577百万円の増加)となりました。(固定資産)当連結会計年度末における固定資産は、22,909百万円(前連結会計年度末比1,054百万円の減少)となりました。(流動負債)当連結会計年度末における流動負債は、14,148百万円(前連結会計年度末比820百万円の減少)となりました。(固定負債)当連結会計年度末における固定負債は、13,791百万円(前連結会計年度末比999百万円の減少)となりました。(純資産)当連結会計年度末における純資産合計は、22,310百万円(前連結会計年度末比1,343百万円の増加)となりました。
経営成績の状況(売上高)当連結会計年度における売上高は、39,171百万円(前連結会計年度比1.5%の減収)となりました。(営業利益)当連結会計年度における営業利益は、2,541百万円(前連結会計年度比7.9%の減益)となりました。(経常利益)当連結会計年度における経常利益は、2,562百万円(前連結会計年度比20.6%の減益)となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、1,917百万円(前連結会計年度比18.4%の減益)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(照明器具関連事業)照明器具関連事業の売上高は33,328百万円(前連結会計年度比0.4%の増収)(セグメント間取引含む。以下同じ。)となり、セグメント利益(営業利益。以下同じ。)は3,063百万円(前連結会計年度比3.6%の増益)となりました。
(環境関連事業)環境関連事業の売上高は7,746百万円(前連結会計年度比5.0%の減収)となり、セグメント利益は392百万円(前連結会計年度比37.9%の減益)となりました。
(インテリア家具事業)インテリア家具事業の売上高は1,643百万円(前連結会計年度比30.7%の減収)となり、セグメント利益は53百万円(前連結会計年度比61.6%の減益)となりました。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物は、8,797百万円(前連結会計年度は10,416百万円)となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、2,779百万円の増加(前連結会計年度は6,458百万円の増加)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、2,250百万円の減少(前連結会計年度は2,416百万円の減少)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、2,002百万円の減少(前連結会計年度は2,315百万円の減少)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(百万円)
前年同期比(%)
照明器具関連事業
5,538
1.8
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.金額は製造原価としております。3.金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)は主に需要予測に基づく見込生産方式を採用しているため、該当事項はありません。
c.販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前年同期比(%)
照明器具関連事業
29,887
1.8
環境関連事業
7,683
△4.4
インテリア家具事業
1,600
△32.5
合計
39,171
△1.5
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、業績予想として売上高39,200百万円、営業利益2,700百万円、経常利益2,400百万円及び親会社株主に帰属する当期純利益1,600百万円を公表し、その達成のため、高付加価値空間創造企業として、高い省エネ性能に加え、顧客価値を創造する光の質を高めた新製品の開発、製造および販売に注力して参りました。その結果、大口の設備投資案件における競争の激化もあり国内売上は伸び悩みましたが、海外において英国市場を中心に売上が堅調に推移したことにより、当連結会計年度における売上高は、39,171百万円(前連結会計年度比1.5%の減収、業績予想比0.1%の減収)となりました。また、製造部門における継続した品質改善活動及び原価低減活動並びに全社的な販売費及び一般管理費の抑制に努めた結果、営業利益は2,541百万円(前連結会計年度比7.9%の減益、業績予想比5.9%の減益)となりました。営業外収益において、主に為替先物予約契約の実行に伴う為替差益が発生したことにより、経常利益は2,562百万円(前連結会計年度比20.6%の減益、業績予想比6.8%の増益)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,917百万円(前連結会計年度比18.4%の減益、業績予想比19.8%の増益)となりました。
2020年3月期(業績予想)
2020年3月期(実績)
増減
増減率(%)
売上高(百万円)
39,200
39,171
△28
△0.1
営業利益(百万円)
2,700
2,541
△158
△5.9
経常利益(百万円)
2,400
2,562
162
6.8
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)
1,600
1,917
317
19.8
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。(照明器具関連事業)当セグメントにおきましては、業務用LED照明器具分野で業界トップクラスの品揃えを実現し、日本全国各都市のショールームを活用し積極的な販売活動を展開することで、業務用LED照明器具分野における高いブランドイメージの確立に努めました。既存照明器具の取り換え需要に加えて、新設の商業施設やオフィス等の大型施設向け需要の取込を目指して積極的に販売活動を推進しました。国内市場においては、「LEDZ Pro.3」カタログを発刊し、無線照明コントロールシステム「Smart LEDZ」の次世代機である「Smart LEDZ Fit/Fit Plus」及び無線調光調色器具「Tunable LEDZ」の販売促進に注力しました。海外市場においては、英国市場向け「S13」カタログ、アジア向け「sync2」カタログを発刊し、顧客密着型の営業を強化したことから英国市場を中心に売上高は堅調に推移しました。この結果、売上高は33,328百万円(前連結会計年度比0.4%の増収)(セグメント間取引含む。以下同じ。)となり、セグメント利益(営業利益。以下同じ。)は3,063百万円(前連結会計年度比3.6%の増益)となりました。
(環境関連事業)当セグメントにおきましては、消費電力削減だけでなく快適な空間づくりについての総合的な提案活動を強化し、食品スーパーを始めとする流通店舗を中心に販売活動を展開しました。当社グループの提供する消費電力削減効果の高い高効率LED照明器具及び顧客の商品・サービスにあわせた空間づくりが可能な制御機器が高い評価を得ましたが、流通店舗向けの需要が一巡したこともあり、レンタル契約実績、機器販売高は対前年同期比で減少しました。この結果、売上高は7,746百万円(前連結会計年度比5.0%の減収)となり、セグメント利益は392百万円(前連結会計年度比37.9%の減益)となりました。
(インテリア家具事業)当セグメントにおきましては、業務用家具に特化したカタログを建築士やインテリアデザイナー等に配布し積極的な販売促進活動を展開するだけでなく、従来の家具に加えて照明器具も合わせた販売促進活動を強化し、東京五輪に向けて需要が拡大するホテルやショールームなどの需要の取り込みに注力しました。更なるコストダウン、徹底的な物流合理化を推進し採算性の向上に努めました。この結果、売上高は1,643百万円(前連結会計年度比30.7%の減収)となり、セグメント利益は53百万円(前連結会計年度比61.6%の減益)となりました。
財政状態に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。当社グループの当連結会計年度末における自己資本比率は44.4%(前連結会計年度末比3.1ポイントの増加)となり、当連結会計年度末における1株当たり純資産額は1,509円54銭(前連結会計年度末比90円91銭の増加)となりました。(資産)当連結会計年度末の資産合計は、50,250百万円(前連結会計年度末比477百万円の減少)となりました。主な要因は、「現金及び預金」の減少1,619百万円、「有形固定資産」の減少989百万円及び「商品及び製品」の増加1,861百万円によるものであります。(負債)当連結会計年度末の負債合計は、27,940百万円(前連結会計年度末比1,820百万円の減少)となりました。主な要因は、「支払手形及び買掛金」の減少319百万円、「借入金」の減少1,319百万円及び「賞与引当金」の減少111百万円によるものであります。(純資産)当連結会計年度末の純資産合計は、22,310百万円(前連結会計年度末比1,343百万円の増加)となりました。主な要因は、「親会社株主に帰属する当期純利益」の計上1,917百万円、「配当金の支払い」による減少443百万円及び「為替換算調整勘定」の減少244百万円によるものであります。
経営成績及び財政状態等に重要な影響を与える要因当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの運転資金需要は、原材料の仕入及び製造費用並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新製品のための設備投資が中心となっております。当社グループは、これらの事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金需要につきましては、自己資金及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資等の長期資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入金を基本としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、たな卸資産の評価、有価証券の評価、貸倒引当金の計上及び退職給付に係る負債の計上等の重要な会計方針並びに税効果会計等に関して見積り及び判断を行っております。新型コロナウイルスの影響等不確実性が大きく将来の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。よって、過去の実績及び当該取引の状況に照らして、合理的と考える見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。(たな卸資産の評価方法)
当社グループは、たな卸資産の評価方法として原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しており、期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。また、滞留及び過剰在庫の内、陳腐化したたな卸資産については、適正な価値で評価されるように評価減の金額を見積っております。(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。 (固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。