【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(経営成績等の状況の概要)当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況a.経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う行動制限が緩和されて以降、経済活動が徐々に正常化に向かい、景気回復への動きが見られた一方、世界的な資源価格の高騰により、依然として先行き不透明な状況が続いております。外食産業におきましても、行動制限の緩和等により外食需要が回復傾向にあるものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機にした売上高の減少、原材料価格の高騰、人手不足による店舗運営の圧迫及び原油価格の高騰等により依然として厳しい経営環境が続いております。このような状況下、当社グループは、新型コロナウイルスにおける感染症予防対策を行い、お客様に安心して店舗をご利用頂ける環境づくりに努めるとともに、事業環境の変化に順応するべく、ショッピングモール内のフードコート等への出店を強化し、投資コスト削減となる新たな出店モデルを構築したほか、店舗労働時間の管理徹底による労務費の適正化等の取り組みを強化しております。このほか、「健康」と「季節」を感じていただく商材を使用した季節限定メニューや話題性の高いアジアンメニュー等、お客様の体験価値を向上させるメニュー開発に取り組んでおります。この結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は238億46百万円(前年同期比26.6%増)、営業利益2億71百万円(前年同期は営業損失5億94百万円)、経常利益3億54百万円(前年同期は経常損失5億32百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は2億76百万円(前年同期比85.5%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。① 国内直営事業国内直営事業においては、「冬の味覚を贅沢に堪能する期間限定の牡蠣フェアメニュー」や「麹のチカラで元気に腸活!こだわりの麹メニュー」等、定期的なフェアメニューの展開や大戸屋公式アプリにスタンプカード機能を追加する等リニューアルを行ったほか、テレビCM放映等の広告宣伝及び各種販売促進活動等を実施した結果、売上高は前連結会計年度より改善することとなりました。店舗展開につきましては、「大戸屋ごはん処」8店舗(福田屋宇都宮店、イオンモール日の出店、中山駅南口店、アリオ亀有店、イオン天王町店、横須賀モアーズシティ店、小平店、コトエ流山おおたかの森店)、「大戸屋おかず処」1店舗(調布パルコ店)の新規出店を行いました。また、国内直営事業でありました1店舗(新横浜二丁目店)を国内フランチャイズ事業とした一方、国内フランチャイズ事業でありました4店舗(淵野辺店、ポーラ名古屋店、所沢プロぺ通り店、小山ゆうえんハーヴェストウォーク店)を国内直営事業としました。また、3店舗(新吉祥寺店、モラージュ菖蒲店、渋谷公園通り店)を閉店いたしました。これにより、当連結会計年度末における国内直営事業に係る稼働店舗数は「大戸屋ごはん処」138店舗、その他4店舗となりました。以上の結果、国内直営事業の当連結会計年度の売上高は133億49百万円(前年同期比23.7%増)、セグメント損失は3億97百万円(前年同期は7億28百万円の損失)となりました。
② 国内フランチャイズ事業国内フランチャイズ事業においても、国内直営事業同様に定期的なフェアメニューの展開、大戸屋公式アプリのリニューアルやテレビCM放映等の広告宣伝及び各種販売促進活動等を実施した結果、売上高・セグメント利益ともに前連結会計年度より改善することとなりました。店舗展開につきましては、「大戸屋ごはん処」6店舗(イオンモール秋田店、イオンモール倉敷店、ヒューマックス成田店、半田市役所リコリス店、碧南市役所店、松江学園通り店)の新規出店を行いました。また、国内フランチャイズ事業でありました4店舗(淵野辺店、ポーラ名古屋店、所沢プロぺ通り店、小山ゆうえんハーヴェストウォーク店)を国内直営事業とした一方、国内直営事業でありました1店舗(新横浜二丁目店)を国内フランチャイズ事業としました。また、3店舗(福岡西新店、仙台MTビル店、BiViつくば店)を閉店いたしました。これにより、当連結会計年度末における国内フランチャイズ事業に係る稼働店舗数は「大戸屋ごはん処」169店舗となりました。以上の結果、国内フランチャイズ事業の当連結会計年度の売上高は71億4百万円(前年同期比27.8%増)、セグメント利益は12億60百万円(前年同期比46.9%増)となりました。 ③ 海外直営事業海外直営事業においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、厳しい環境が続きました。ただし、地域によって差はあるものの店内飲食の制限等の規制緩和があったこと等から売上高は前連結会計年度より改善することとなりました。当連結会計年度末における海外直営事業に係る稼働店舗数11店舗(香港大戸屋有限公司が香港において5店舗、OOTOYA ASIA PACIFIC PTE. LTD.がシンガポール共和国において1店舗、AMERICA OOTOYA INC.が米国ニューヨーク州において4店舗、M OOTOYA (THAILAND) CO., LTD.がタイ王国において1店舗)を展開しております。以上の結果、海外直営事業の当連結会計年度の売上高は27億9百万円(前年同期比27.9%増)、セグメント損失は1億48百万円(前年同期は2億44百万円の損失)となりました。 ④ 海外フランチャイズ事業海外フランチャイズ事業においては、新型コロナウイルス感染症の感染者数が減少し、店内飲食の制限等の規制緩和があったこと等から回復傾向にあり、売上高・セグメント利益ともに前連結会計年度より改善することとなりました。当連結会計年度末における海外フランチャイズ事業に係る稼働店舗数101店舗(タイ王国において47店舗、台湾において44店舗、インドネシア共和国において9店舗、中国上海市において1店舗)を展開しております。以上の結果、海外フランチャイズ事業の当連結会計年度の売上高は2億72百万円(前年同期比65.8%増)、セグメント利益は1億15百万円(前年同期比56.9%増)となりました。 ⑤ その他その他は、タイ王国におけるプライベートブランド商品の輸入・販売事業であり、当連結会計年度末現在、THREE FOREST (THAILAND) CO., LTD.及びM OOTOYA(THAILAND)CO., LTD.がプライベートブランド商品の輸入・販売をタイ王国で行っております。 その他の当連結会計年度の売上高は4億10百万円(外部顧客に対する売上高。前年同期比109.3%増)、セグメント利益は79百万円(前年同期比822.4%増)となりました。
b.財政状態当連結会計年度末の資産合計は96億2百万円(前連結会計年度末比2.1%減)となりました。当連結会計年度末の流動資産は、現金及び預金39億44百万円を主なものとして56億61百万円(前連結会計年度末比6.6%減)、固定資産は、店舗等の有形固定資産12億9百万円と敷金及び保証金16億97百万円を主なものとして39億41百万円(同5.2%増)となりました。これは主に、現金及び預金が3億84百万円減少したことによるものです。
当連結会計年度末の負債合計は58億88百万円(前連結会計年度末比7.9%減)となりました。当連結会計年度末の流動負債は、買掛金9億73百万円、1年内返済予定の長期借入金6億40百万円及び未払金10億58百万円を主なものとして34億75百万円(前連結会計年度末比3.4%増)、固定負債は、長期借入金10億円、資産除去債務7億81百万円を主なものとして24億13百万円(同20.4%減)となりました。これは主に、長期借入金が6億40百万円減少したことによるものです。
当連結会計年度末の純資産は、37億14百万円(前連結会計年度末比8.8%増)となり、自己資本比率は37.4%となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益2億76百万円の計上により利益剰余金が増加したことによるものです。
(2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動により7億26百万円を獲得し、投資活動により4億78百万円を使用し、財務活動により7億73百万円を使用した結果、39億40百万円(前連結会計年度末比8.9%減)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。 ① 営業活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における営業活動の結果、増加した資金は7億26百万円(前年同期は23億54百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益4億40百万円を計上し、助成金の受取額3億69百万円があったためであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は4億78百万円(前年同期は1億60百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出4億92百万円があったためであります。 ③ 財務活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における財務活動の結果、使用した資金は7億73百万円(前年同期は15億92百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出6億40百万円があったためであります。
(3)生産、受注及び販売の実績
a.生産実績及び受注実績当社グループは、生産活動を行っていないため該当事項はありません。
b.食材等仕入実績当連結会計年度における食材等仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前年同期比(%)
国内直営事業
4,107
131.0
国内フランチャイズ事業
5,357
126.0
海外直営事業
655
138.7
海外フランチャイズ事業
2
7.3
その他
268
305.1
合計
10,392
130.2
c.販売実績① 販売方法当社グループは、主に大戸屋ごはん処等の直営店舗を展開し、また、フランチャイズ店舗からロイヤルティ等の収入を得ております。 ② 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 (セグメント別販売実績)
セグメントの名称
金額(百万円)
前年同期比(%)
国内直営事業
13,349
123.7
国内フランチャイズ事業
7,104
127.8
海外直営事業
2,709
127.9
海外フランチャイズ事業
272
165.8
その他
410
204.0
合計
23,846
126.6
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、過去の実績等を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績について当連結会計年度につきましては、行動制限の緩和等により外食需要が回復傾向にあるものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機にした売上高の減少、原材料価格の高騰、人手不足による店舗運営の圧迫及び原油価格の高騰等により依然として厳しい経営環境が続いております。このような状況下、当社グループは「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりの経営成績となりました。当連結会計年度につきましては、国内直営事業での133億49百万円(前年同期比23.7%増)、国内フランチャイズ事業での71億4百万円(同27.8%増)、海外直営事業での27億9百万円(同27.9%増)、海外フランチャイズ事業での2億72百万円(同65.8%増)及びその他事業での4億10百万円を合わせて、売上高238億46百万円(同26.6%増)を獲得した一方、コロワイドグループとの共同購買の実施及び仕入管理の徹底等により商品原価を抑制しましたが、売上原価は103億76百万円(同30.1%増)、売上総利益で134億70百万円(同24.0%増)となりました。給与及び手当55億74百万円(同15.0%増)、地代家賃19億39百万円(同8.9%増)を主とする販売費及び一般管理費は総額131億98百万円(同15.1%増)となり、営業利益2億71百万円(前年同期は営業損失5億94百万円)となりました。営業外収益及び営業外費用はそれぞれ1億23百万円(同19.9%増)及び40百万円(同0.5%減)となり、経常利益3億54百万円(前年同期は経常損失5億32百万円)となりました。特別利益は1億53百万円(同93.4%減)、特別損失68百万円(同77.5%減)となり、法人税等の負担額1億28百万円(前年同期は法人税等の負担額△4億23百万円)及び非支配株主に帰属する当期純利益34百万円(同343.8%増)となった結果、親会社株主に帰属する当期純利益2億76百万円(同85.5%減)となりました。 b.財政状態について当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2億6百万円減少し、96億2百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ4億円減少し、56億61百万円となりました。これは現金及び預金が3億84百万円減少したことが主な要因です。また、固定資産は前連結会計年度末に比べ1億94百万円増加し、39億41百万円となりました。これは有形固定資産が前連結会計年度末に比べ2億25百万円増加したことが主な要因です。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ5億5百万円減少し、58億88百万円となりました。流動負債は前連結会計年度末に比べ1億14百万円増加し、34億75百万円となりました。これは買掛金が1億78百万円増加したことが主な要因です。また、固定負債は前連結会計年度末に比べ6億19百万円減少し、24億13百万円となりました。これは長期借入金が6億40百万円減少したことが主な要因です。当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益2億76百万円を計上したことにより、前連結会計年度末に比べ2億99百万円増加し、37億14百万円となりました。
c.資本の財源及び資金の流動性について当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの資金需要の主なものは、新規出店及び既存店改装等に係る投資であり、投資活動によるキャッシュ・フローに示した有形固定資産の取得、無形固定資産の取得、長期前払費用の取得及び敷金及び保証金の差入による支出総計5億58百万円であります。これら資金の源泉は、財務活動により獲得した資金であります。当連結会計年度末の借入金等の状況は以下のとおりであります。
区分
当連結会計年度末残高(百万円)
返済スケジュール
1年以内(百万円)
1年超2年以内(百万円)
2年超3年以内(百万円)
1年内に返済予定の長期借入金
640
640
―
―
長期借入金(1年以内に返済予定のものを除く。)
1,000
400
400
1年以内に返済予定のリース債務
4
4
―
―
リース債務(1年以内に返済予定のものを除く。)
3
―
2
1
合計
1,647
644
402
401
d.経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
e.経営者の問題認識と今後の方針について経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。