【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が長く続いておりましたが、年度末にかけて感染拡大が落ち着くとともに、政府の対応も変化したことにより、経済社会活動の正常化の動きがみられました。その一方で、エネルギーや原材料価格の高騰やウクライナ情勢の長期化等により、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。当社グループが事業活動を展開するインターネット関連事業及び通信事業におきましては、企業の競争力強化や業務効率化を目的としたDX(デジタル・トランスフォーメーション)推進の動きが加速していることにより、ICT(情報通信技術)への投資需要は引き続き高い状態にあります。また、調剤薬局及びその周辺事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による発熱以外の受診抑制に加え、薬価改定・調剤報酬改定による影響もあり、業界を取り巻く環境は厳しさを増しております。このような環境のもと、当連結会計年度の経営成績としましては、売上高が9,422百万円(前年同期比20.0%減)となりました。利益面におきましては、営業利益が368百万円(前年同期比58.3%減)、経常利益が399百万円(前年同期比55.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益21百万円(前年同期比96.6%減)となりました。
各セグメントの経営成績は、次のとおりであります。なお、前連結会計年度において、「その他」に含まれていたSophia Asia-Pacific,Limited及び株式会社エムオーを清算したことに伴い、当連結会計年度より「その他」の区分を廃止しております。[インターネット関連事業]営業活動の強化により、SES事業の売上高が大きく増加したほか、インフラ構築支援サービスやオフィスソリューションサービスが好調に推移しました。また、顧客の情報システム部支援サービスやメールセキュリティサービスの新規顧客が増加するとともに、不動産事業者向けクラウドサービスにおいて、AIやRPAを活用したオプション機能を追加する顧客が増加しました。これらの結果、インターネット関連事業の売上高は前年同期比で増加し、1,561百万円(前年同期比26.6%増)、セグメント利益も前年同期比で増加し、137百万円(同13.6%増)となりました。[通信事業]MVNO(※1)事業は上半期までは堅調に推移しましたが、下半期において、次期以降の事業拡大を目指して営業プロセスや運営体制の見直しを行ったため、当連結会計年度の売上高は前年同期比で減少しました。FVNO(※2)事業については、着信課金サービス(※3)に関する取引を6月途中から停止し、9月末日をもって当該サービスから撤退しました。(※4)これにより、通信事業の売上高は984百万円(前年同期比72.7%減)、セグメント損失は21百万円(前年同期は483百万円のセグメント利益)となりました。[調剤薬局及びその周辺事業]度重なる新型コロナウイルス感染症拡大の波の中、患者様の安全確保に注力して事業活動を行ったことにより、処方箋枚数は増加したものの、薬価改定や新型コロナウイルス感染症の発熱外来増加により処方箋単価が減少しました。そのため、第4四半期連結会計期間において、新型コロナウイルス感染症の影響による受診抑制の緩和、花粉症の例年に無い流行、及び前期や当期に開局した新店の売上増加により、売上高が前年同期比で増加に転じたものの、通期の売上高は前年同期比でわずかに減少し、6,898百万円(前年同期比1.5%減)となりました。セグメント利益は、薬剤師の確保に伴う人件費や新店舗の費用等の増加により、前年同期比で減少し、280百万円(同28.2%減)となりました。なお、当連結会計年度中に2店舗を新規開局、1店舗を休局したことにより、当連結会計年度末における当社グループの調剤薬局総数は、57店舗となりました。
(※1) Mobile Virtual Network Operatorの略。自社で無線通信回線設備を持たず、他の移動体通信事業 者から借りてあるいは再販を受けて移動体通信サービスを提供する事業者。(※2) Fixed Virtual Network Operatorの略。自社で固定回線のネットワークを持たず、他の事業者か ら借りてあるいは再販を受けて固定通信サービスを提供する事業者。(※3) 着信トラフィック集客により通信キャリアからインセンティブを受け取るビジネスモデル。(※4) 電気通信事業法に基づき通信の秘密を保証しつつ、正常でない取引に係る通信を排除することが 技術的に極めて困難であることから、サプライチェーンに潜むリスクを確実に排除してステーク ホルダーの皆さまからの信頼回復を図るため、着信課金サービスから完全に撤退したものです。
財政状態については、次のとおりであります。(資産の状況) 当連結会計年度末における流動資産は3,985百万円となり、前連結会計年度末に比べ565百万円減少いたしました。これは主に現金及び預金が321百万円減少したこと及び売掛金が342百万円減少したことによるものであります。固定資産は3,418百万円となり、前連結会計年度末に比べ625百万円減少いたしました。これは主にのれんが461百万円減少したこと及び繰延税金資産が105百万円減少したことによるものであります。 この結果、総資産は、7,404百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,190百万円減少いたしました。
(負債) 当連結会計年度末における流動負債は2,915百万円となり、前連結会計年度末に比べ615百万円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が427百万円減少したこと及び1年内返済予定の長期借入金が93百万円減少したことによるものであります。固定負債は2,462百万円となり、前連結会計年度末に比べ596百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が540百万円減少したことによるものであります。 この結果、負債合計は、5,378百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,212百万円減少いたしました。
(純資産) 当連結会計年度末における純資産は2,025百万円となり、前連結会計年度末に比べ21百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が21百万円増加したことによるものであります。 この結果、自己資本比率は27.4%(前連結会計年度末は23.3%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ321百万円減少し、2,017百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は411百万円(前年同期は1,068百万円の獲得)となりました。これは、税金等調整前当期純利益231百万円、のれん償却額369百万円及び売上債権の減少342百万円等による資金の増加と、仕入債務の減少427百万円及び法人税等の支払額178百万円等による資金の減少が主な要因であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は38百万円(前年同期は150百万円の使用)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出34百万円等が主な要因であります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は693百万円(前年同期は696百万円の使用)となりました。これは、長期借入金の返済による支出634百万円等が主な要因であります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績該当事項はありません。
b. 商品仕入実績当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
インターネット関連事業(千円)
101,139
176.6
通信事業(千円)
16,283
35.5
調剤薬局及びその周辺事業(千円)
4,354,278
99.5
合計(千円)
4,471,701
99.9
(注) 1.金額は仕入価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.金額は仕入値引控除前の金額であります。
c. 受注状況当社グループは概ね受注から役務提供までの期間が短いため、受注状況に関する記載を省略しております。
d. 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
インターネット関連事業(千円)
1,552,745
127.6
通信事業(千円)
980,446
27.5
調剤薬局及びその周辺事業(千円)
6,888,933
98.5
合計(千円)
9,422,125
80.0
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.当連結会計年度において、通信事業の販売実績に著しい変動がありました。これは、通信事業のうち、一部の事業について、2022年6月途中から停止し、同年9月末日をもって当該サービスから撤退したことによります。内容につきましては、① 財政状態及び経営成績の状況[通信事業]をご参照ください。3.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
楽天コミュニケーションズ㈱
1,929,027
16.4
―
―
4.当連結会計年度における楽天コミュニケーションズ㈱に対する販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.固定資産の減損固定資産については、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損処理の要否を検討しております。資産計上したサーバ等のハードウエアやサービスの提供に用いるソフトウエア、開発仕掛中のソフトウエア、また、調剤薬局及びその周辺事業における保険調剤システム、及びのれん等について、開発コストの増加や事業環境の悪化等で当初想定した投資回収が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、固定資産の減損処理を実施する可能性があります。
b.繰延税金資産繰延税金資産は毎期、過去の課税所得の推移や将来の課税所得の見込等を勘案し、回収可能性を慎重に検討し計上しております。回収の実現性が低いと判断した場合には適正と考えられる金額へ減額する可能性があります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループは、事業運営上必要な資金を確保するとともに、経営環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持する事を基本方針としております。長期資金需要につきましては、金融機関からの借入等、金利コストの最小化を図れるような調達方法を検討しております。短期資金需要につきましては、金融機関からの短期借入を基本としております。また、M&Aにかかる資金需要につきましては、主に金融機関からの長期借入金で調達しております。なお、当連結会計年度末における社債、借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は3,276百万円、現金及び現金同等物の残高は2,017百万円となりました。
⑥ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループでは、安定経営を基に企業価値の継続的な向上を高めるためには、本業の収益力の指標として営業利益率を重視しております。中長期の売上高営業利益率の目標は8.0%としております。また、財務基盤強化の指標として自己資本比率の向上を目指しています。これは、当社グループは、総資産における有利子負債を返済し、財務体質の改善に努める必要があると考えているためです。中長期の自己資本比率の目標は30%としております。当連結会計年度におけるこれらの指標は、売上高営業利益率は3.9%(前連結会計年度は7.5%)、自己資本比率は27.4%(前連結会計年度は23.3%)となりました。
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