【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により厳しい状況が続く中、政府の経済支援策の効果などもあり、個人消費、企業収益ともに一旦持ち直しの動きが見られました。しかしながら、同感染症の再拡大による緊急事態宣言の再発出により個人消費が弱含みの動きを見せるなど、景気の先行きは予断を許さない状況が依然として続いています。
国内エネルギー業界においては、年度初めに大きく下落していた原油価格・プロパンCPは、同感染症のワクチン普及への期待感やOPECプラスの協調減産などが相場を下支えし上昇基調で推移した結果、先行して回復したプロパンCPに続き、年度末には原油価格についても同感染症拡大前の水準に回復しました。国内需要においては、寒波の影響もあり下期は堅調に推移したものの、全体としては、少子高齢化の進展、省エネ機器の普及やライフスタイルの変化などにより、減少傾向が継続しています。
このような環境の中、当社グループは、当連結会計年度より第二次中期経営計画をスタートさせ、ROE6.0%以上とする定量目標と3つの定性目標(①資本効率の改善、②持続的成長を実現する投資の実行、③社員の考え方・慣習・行動様式の変革)を達成するための取り組みを進めてきました。
具体的には、資本効率の改善に向け、当社が保有する東京都品川区の固定資産を譲渡したことに加え、ミライフ西日本株式会社が運営する愛媛県新居浜市の営業拠点を事業譲渡しました。持続的成長を実現する投資の実行としては、新型マイクロ風車関連事業やシェアサイクル事業など新規事業への継続投資を実行しました。また、社員の考え方・慣習・行動様式の変革に向けては、2020年11月に社長直下のグループ改革推進室を新設するなど、風土改革プロジェクトを本格開始しました。
その結果、当連結会計年度の業績については、売上高2,171億22百万円(前年同期比8.4%減)、営業利益29億35百万円(前年同期比19.6%増)、経常利益30億23百万円(前年同期比37.2%増)となりました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に特別利益として計上した投資有価証券売却益の反動減等もあり、27億17百万円(前年同期比9.1%減)となりました。また、当連結会計年度のROEは5.5%となりましたが、引き続き、第二次中期経営計画における目標数値であるROE6.0%以上を持続的に生み出す事業構造を確立すべく、資本効率の向上に取り組んでいきます。
セグメント別の事業の経過及び成果は以下のとおりです。
『エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)』においては、主力の「LPガス・灯油販売」において、営業権買収等のМ&Aを中心とする収益基盤の強化と拡大に取り組んできましたが、買収案件が想定を下回りました。また、原油価格やプロパンCPの低下による販売単価の下落に加えて、夏場の平均気温が平年と比較して高かったことなどによる販売数量の減少により、減収となりました。その一方、利益面に関しては、寒冷地を中心に差益が改善したことなどにより、前年同期比で大幅な増益となりました。
なお、当連結会計年度より、西日本エリアにおいても家庭向け電力販売事業を開始したほか、関東エリアでは水回りリフォーム専門店を新たに2店舗オープンするなど、新たな収益源確保に向けた取り組みも推進しました。
以上の結果、当連結会計年度におけるエネルギー卸・小売周辺事業の売上高は629億94百万円(前年同期比12.8%減)、営業利益は9億63百万円(前年同期比25.7%増)となりました。
『エネルギーソリューション事業(BtoB事業)』においては、主力の石油事業で、同感染症拡大による産業用エネルギー等の需要低迷があったものの、春先の低温や年末年始の寒波到来などから需要が増加し、前連結会計年度を上回る販売数量を確保しました。その一方、原油価格やプロパンCPの低下に伴う販売単価の下落により、減収を余儀なくされました。利益面に関しては、原油市況の変動に対応した仕入施策を徹底したことで差益を確保し、前年同期比増益で着地しました。
また、既存の石油販売施設の軽油出荷能力を増強したオイルスクエアの利用率が向上しており、強みを持つ灯油販売に加え、軽油販売にも注力しました。法人向けを中心とした電力販売事業では、契約電力量が伸長したほか、電源構成の最適化による原価低減に取り組んできました。なお、新規事業として推進している新型マイクロ風車関連事業においては、2021年3月より、埼玉県さいたま市で実証実験を開始するなど、本格販売開始に向けた取り組みにも注力しました。また、韓国にて参画した大型風力発電事業は、開発許可を待つ状況にあります。
以上の結果、当連結会計年度におけるエネルギーソリューション事業の売上高は1,359億98百万円(前年同期比8.8%減)、営業利益は8億92百万円(前年同期比8.8%増)となりました。
『非エネルギー及び海外事業』においては、自転車事業のシナネンサイクル株式会社は、同感染症拡大の影響で新入学等の需要が当第1四半期にずれ込んだことなどから販売が順調に推移したほか、プライベートブランド車の拡販や不採算店舗の閉店を進めるなど収益力の改善に努めました。
シェアサイクル事業のシナネンモビリティPLUS株式会社は、大手ホームセンターやスーパーマーケットなど新たな連携先の拡大や地方自治体との実証実験等により、首都圏を中心にシェアサイクルサービス「ダイチャリ」の拠点開発を推進しました。また、2020年10月に小田急グループとの取り組みとして、世田谷エリアの駅周辺にてMaaS(注)の実現に向けた実証実験を開始しました。なお、2021年3月末現在、ステーション数は1,800カ所を超え、設置自転車数も8,200台超へ増加するなど、シェアサイクル事業者として、国内有数の規模となっています。
環境・リサイクル事業のシナネンエコワーク株式会社は、同感染症拡大の影響で建設工事が中断するなど建築廃材の発生が減少傾向にある中、コスト抑制など収益確保の施策が奏功しました。
抗菌事業の株式会社シナネンゼオミックは、世界的な同感染症拡大を受けて、北米のマスク・手術衣向け抗菌剤の受注が大幅に拡大するなど、好調に推移しました。下期に北米向け需要は一段落したものの、急増した国内外からの問い合わせに対応すべく、設備を増強し増産体制を整えました。また、展示会への出店などマーケティング活動を強化し、認知度の向上及び販路の開拓・拡大に努めてきました。
システム事業の株式会社ミノスは、主力のLPガス販売管理システムの安定的な貢献に加え、電力自由化に対応した顧客管理システム(電力CIS)の利用件数が大幅に伸長するなど、好調に推移しました。また、開発の内製化率を高めるなどコストコントロールを進め、生産性の向上に向けた取り組みを実行しています。
建物維持管理事業の中核となるタカラビルメン株式会社は、同感染症拡大に伴い管理する施設の休業があったものの、病院等向けの感染症対策消毒の受注が増加するなど、全体としては前期並みの売上水準を確保しました。その一方、人員確保に向けた取り組みとして、労務環境の改善を進めました。
ブラジルのバイオマス事業では、多年草CAPIMを活用した民生用炭の販売を行っていますが、ブラジルでの同感染症拡大が継続しており、低調に推移しました。同事業に関しては、第二次中期経営計画で進めている事業の選択と集中の一環として、今後の事業計画の評価を行った結果、当社の投資基準を上回る収益が見込めないと判断し、株式譲渡により、2021年度内に同事業から撤退することを決定しました。
以上の結果、当連結会計年度における非エネルギー及び海外事業の売上高は177億81百万円(前年同期比15.4%増)、営業利益は2億43百万円(前連結会計年度は営業損失50百万円)となりました。
(注)MaaSとは、Mobility As A Serviceの略で、車や人の移動に関するデータを活用することで需要供給を最適化し、移動に関する社会課題の解決を目指すサービスのこと。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、97億65百万円(前年同期比32.2%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は、79億47百万円(前年同期は5億69百万円の収入)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益が47億25百万円、減価償却費が28億58百万円、固定資産売却益が21億66百万円、売上債権の増加が27億55百万円、及び仕入債務の増加が61億71百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果得られた資金は、36百万円(前年同期は10億94百万円の支出)となりました。この主な要因は、固定資産の売却による収入21億87百万円、固定資産の取得による支出26億65百万円、長期貸付金の回収による収入2億6百万円、事業譲渡による収入3億15百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は、55億4百万円(前年同期は7億78百万円の支出)となりました。この主な要因は、短期借入金の減少額32億32百万円、長期借入金の返済による支出14億91百万円及び、配当金の支払額8億16百万円等によるものです。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりです。
2018年3月期
2019年3月期
2020年3月期
2021年3月期
自己資本比率(%)
50.3
51.6
53.1
52.9
時価ベースの自己資本比率(%)
30.3
25.1
31.4
34.2
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)
2.0
1.8
18.2
0.7
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)
43.5
44.6
5.1
65.4
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
a.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
b.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式を除く)により算出しています。
c.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用し、利払いは同計算書の利息の支払額を使用しています。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーの合計額を対象としています。
③ 生産、受注及び販売の実績
販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前年同期比増減率(%)
エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)
62,994
△12.8
エネルギーソリューション事業(BtoB事業)
135,998
△8.8
非エネルギー及び海外事業
17,781
15.4
その他・調整額
347
66.4
連結合計
217,122
△8.4
(注)上記金額には、消費税等が含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 概観
当社では、2014年8月に経済産業省より公表されたいわゆる「伊藤レポート」を契機に、資本効率を意識した企業価値経営への転換を図り、長期的な株主価値の向上に資するべきと考えています。そこで、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの動向を検討する上では、ROE(自己資本利益率)を重要な経営指標として位置付け、第二次中期経営計画においてもROE6.0%以上を定量目標として掲げています。
重要な経営指標の推移は下記のとおりです。
ROE向上に向けては、ROEの構成要素のうち、収益性と効率性の改善を優先的に取り組むこととしています。第二次中期経営計画においても、資本効率の改善を定性目標の1つとして掲げ、既存事業の利益率の向上策に加え、低効率資産の活用・売却のほか、事業の選択と集中を強力に推進しています。なお、ROEの構成要素を2017年3月期(比較基準年:第一次中期経営計画前年度)と比較すると、2021年3月期は当社が保有する固定資産の譲渡に伴う特別利益の計上もあり当期純利益率が高まり、収益性は向上しました。また、効率性(総資産回転率)も改善した一方、財務レバレッジは低下し、2021年3月期のROEは5.5%となりました。引き続き、第二次中期経営計画における目標数値であるROE6.0%以上を持続的に生み出す事業構造を確立すべく、企業価値の向上に取り組んでいきます。
② 経営者による財政状態の分析
流動資産
当連結会計年度末における流動資産の残高は496億25百万円となり、前連結会計年度末と比較して53億1百万円増加いたしました。
増加した主な要因は、当社が保有する東京都品川区の固定資産の売却等により、現金及び預金が23億10百万円、年度末にかけて販売単価が上昇したこと等により、受取手形及び売掛金の売上債権が27億53百万円増加したことによるものです。
固定資産
当連結会計年度末における固定資産の残高は472億9百万円となり、前連結会計年度末と比較して9億21百万円増加いたしました。
増加した主な要因は、東京都品川区に建設中の新社屋等の建設仮勘定が13億33百万円増加したことによるものです。
流動負債
当連結会計年度末における流動負債の残高は355億7百万円となり、前連結会計年度末と比較して40億72百万円増加いたしました。
増加した主な要因は、返済による短期借入金の減少が33億27百万円あった一方で、仕入単価が上昇したこと等により、支払手形及び買掛金が61億71百万円増加したことによるものです。
固定負債
当連結会計年度末における固定負債の残高は94億21百万円となり、前連結会計年度末と比較して9億33百万円減少いたしました。
減少した主な要因は、長期借入金が11億円減少したことによるものです。
純資産
当連結会計年度末における純資産は、利益剰余金の配当により8億15百万円減少した一方で、その他有価証券評価差額金が前連結会計年度末と比較して12億66百万円増加したこと、親会社株主に帰属する当期純利益が27億17百万円であったことから、前連結会計年度末と比較して30億83百万増加したため、519億5百万円となりました。
以上により、自己資本比率は前期と比較して0.2ポイント減少し、52.9%となりました。
③ 経営者による経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度における経営成績は、売上高2,171億22百万円(前年同期比8.4%減)、営業利益29億35百万円(前年同期比19.6%増)、経常利益30億23百万円(前年同期比37.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益27億17百万円(前年同期比9.1%減)となりました。
売上高
当連結会計年度及び前連結会計年度におけるセグメント別の売上高及びその増減は以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度
当連結会計年度
増減
エネルギー卸・小売周辺事業
72,271
62,994
△9,277
エネルギーソリューション事業
149,141
135,998
△13,142
非エネルギー及び海外事業
15,415
17,781
2,366
その他・調整額
208
347
138
連結合計
237,036
217,122
△19,914
エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)の売上高は629億94百万円(前年同期比12.8%の減少)となりました。これは主に、夏場の平均気温が平年と比較して高かったことなどによる販売数量の減少に加え、原油価格やプロパンCPの下落による主力の石油類・ガスの販売単価が低下したことによります。
エネルギーソリューション事業(BtoB事業)の売上高は1,359億98百万円(前年同期比8.8%の減少)となりました。堅調な灯油を中心に石油類の販売数量は前年同期を上回ったものの、BtoC事業と同様に原油価格等の低下に伴う販売単価の下落が、主な要因です。
非エネルギー及び海外事業の売上高は177億81百万円(前年同期比15.4%の増加)となりました。これは主に、2020年3月にグループ化した株式会社サンフィールの貢献に加え、シェアサイクル事業におけるステーションと自転車数の増加と利用率の向上、抗菌事業における北米向け抗菌剤の好調な販売によります。
その他・調整額の売上高は3億47百万円(前年同期比66.4%の増加)となりました。これは主に、東京都港区の旧本社ビルの賃貸を開始したことによります。
売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は338億40百万円(前年同期比3.3%の増加)となりました。これは主に、主力の石油類・ガスの差益が改善したことによります。
販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は309億5百万円(前年同期比1.9%の増加)となりました。これは主に、新たにグループ化した株式会社サンフィールを中心に人件費が増加したことに加え、新規事業(シェアサイクル事業・小型風力発電システム販売事業など)における支払手数料が増加したことによります。
営業利益
当連結会計年度及び前連結会計年度におけるセグメント別の営業利益及びその増減は以下のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度
当連結会計年度
増減
エネルギー卸・小売周辺事業
766
963
196
エネルギーソリューション事業
819
892
72
非エネルギー及び海外事業
△50
243
293
その他・調整額
918
836
△81
連結合計
2,454
2,935
481
エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)の営業利益は9億63百万円(前年同期比25.7%の増加)となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症拡大により営業活動が変化したことで営業関連費用が減少したことに加え、販売数量の低下に伴い物流費が減少したことによります。
エネルギーソリューション事業(BtoB事業)の営業利益は8億92百万円(前年同期比8.8%の増加)となりました。これは主に、原油市況の変動に対応した仕入施策を徹底したことで石油類の差益を確保したことによります。
非エネルギー及び海外事業の営業利益は2億43百万円(前連結会計年度は営業損失50百万円)となりました。営業利益が増加した主な要因は、抗菌事業における北米向け抗菌剤の好調な販売に伴う大幅増益に加え、システム事業において電力CIS(電力自由化に対応した顧客管理システム)が堅調に推移したことによります。
その他・調整額の営業利益は8億36百万円(前年同期比8.9%の減少)となりました。これは主に、当社の人件費の増加によります。
営業外収益及び営業外費用
当連結会計年度の営業外収益は6億32百万円(前年同期比12.0%の減少)となりました。これは主に、保険返戻金の減少によります。
また、当連結会計年度の営業外費用は5億43百万円(前年同期比43.8%の減少)となりました。これは主に、貸倒引当金繰入額の減少とデリバティブ損失の減少によります。
経常利益
上記の結果、当連結会計年度の経常利益は30億23百万円(前年同期比37.2%の増加)となりました。
特別利益及び特別損失
当連結会計年度の特別利益は、当社が保有する東京都品川区の固定資産の売却益を21億57百万円計上したこと等により、25億58百万円(前年同期比16.3%の減少)となりました。特別利益が減少した主な要因は、前期あった投資有価証券売却益の消失に加え、前期グループ化した三河品川燃料株式会社の株式の段階取得に係る差益が消失したことによります。
また、当連結会計年度の特別損失は8億56百万円(前年同期比215.8%の増加)となりました。これは主に、ブラジルのバイオマス事業撤退に伴う事業整理損の計上によります。
税金等調整前当期純利益
上記の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は47億25百万円(前年同期比5.2%の減少)となりました。
法人税等
当連結会計年度の法人税等は20億19百万円で、前連結会計年度の19億88百万円とほぼ同額となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は27億17百万円(前年同期比9.1%の減少)となりました。
④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る状況
ⅰ キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況・分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要② キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
ⅱ 資金需要
当社グループでは、今後、第二次中期経営計画に掲げる「資本効率の改善」や「持続的成長を実現する投資の実行」のため、M&Aや営業権の買収、国内外での再生可能エネルギー事業や小型風力発電システム販売事業等の新規事業開発のための積極投資など、継続的な資金需要が見込まれています。それらを実行するための資金調達にあたりましては、韓国の大型陸上風力発電事業ではプロジェクトファイナンスによる資金調達を進めるほか、社債の発行、新たな借入金、自己株式の活用等の状況に応じて多様な資金調達ができるよう体制を整えています。
ⅲ 財務政策
当社グループは現在、運転資金については、当社および一部の連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入し、各社における余剰資金を当社へ集中し一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っています。借入による資金調達に関しては、一時的な不足資金は、金融機関からの短期借入を行っております。また長期的な資金の需要に対しては必要に応じて金融機関からの長期借入等を行っています。
⑤ 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況をもとに、種々の見積りと仮定を行っていますが、それらは連結財務諸表に影響を及ぼします。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。
なお、新型コロナウイルス感染症による当連結会計年度における影響は、エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)の業務用エネルギー、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)の産業用エネルギー、環境・リサイクル事業、建物維持管理事業においてマイナス影響があった一方、エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)の家庭用エネルギー、抗菌事業、シェアサイクル事業においてプラス影響がありましたが、グループ全体としては限定的な影響にとどまりました。
会計上の見積りを行うに際し、同感染症拡大が今後の見通しに与える影響について検討した結果、当社グループの主力事業は、生活に必要なエネルギーの供給事業のため消費量が大きく変動することが少なく、グループ全体としての影響は限定的であり、見積りに重要な影響を与える変動は見込んでいません。
繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益が変動する可能性があります。
固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
貸倒引当金
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収の可能性を勘案し回収不能見込額を計上しています。
取引先の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。