【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。また、当社グループは、飲食事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
(1) 経営成績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、行動制限が緩和され、徐々に経済活動が回復する一方、7月以降の新型コロナウイルス感染症の第7波による感染者の急増により、再び景気の下振れが懸念される状況となりました。また、ロシアのウクライナへの軍事侵攻の長期化に起因するエネルギー価格や原材料価格の高騰、欧米の金融引き締めを背景とした円安の進行等により、先行き不透明な状況で推移しております。当社グループが属する外食産業におきましては、まん延防止等重点措置の解除以降は回復基調にあったものの、光熱費や原材料の高騰、物価の上昇による個人消費の落ち込み等により、厳しい経営環境が継続しております。このような状況の下、当第2四半期連結累計期間における当社グループの取組みといたしましては、当社の来店客数が新型コロナウイルス禍直前の2020年3月期と比べ70%台で推移していることから、集客課題を抽出し改善に努めております。1つ目に、新型コロナウイルス禍において経費削減を行う中で、人件費カットを進めてまいりました。目指す姿としては、店舗人員を少なくしながらも今までよりも良いサービスを提供し、お客様から、「サービスが良くなったね」、と言っていただくことです。しかし、そのためのトレーニングが追いついておらず、店舗のサービスについてのクレームを多くいただくようになってしまいました。これが来店客数の戻りが悪い原因ではないかと考えました。その対策として、①チェック表を用いきちんとした身だしなみを整えること、②店舗入口でのお迎えやお見送りの対応に意識して取り組むこと、③お客様をきちんとお迎えする体制をとること、に取り組みました。また、お客様より特に指摘をいただいておりましたサラダバーの補充やお済みの食器類の引き揚げ(バッシング)を徹底して行っていくことことで、「お客様を待たせない」、「不満足を与えない」を目指して取り組んでおります。商品品質の改善につきましては、毎月エリアマネージャーを集め、調理方法のチェックを行い、それに基づいたトレーニングを実施し、調理方法、仕入れ先、食材の見直し等を行いました。今後は店長も集め、調理トレーニングを継続して行っていくことで、どこの店舗でも同じ品質の商品が提供できるようにしてまいります。クリンリネス(清潔さ)の改善につきましては、特に店頭とサラダバー周辺の清掃に注力し、全店舗実施したことで、お客様からいただいておりました厳しいご指摘の声も半減しました。また、エリアマネージャーに対し、臨店時に上記事項がきちんと出来ているのかのチェックを行うこと、裏付けをとることを徹底して行い、そのトレーニングを随時実施してまいりました。2つ目に、新型コロナウイルス禍において不特定多数の方が触れてしまうサラダバーが嫌われてしまっているのではないかと考え、一部店舗において、ご自身で取りに行くサラダバーではなく、食べ放題ではありますが、テーブルにお持ちするスタイルのオーダーバイキング方式で提供するようにして、客数が戻ってくるのかを実験的に行ってまいります。「サラダバーの補充ができていない」、「周りが汚れている」、「サラダの鮮度が良くない」等、サラダバーにおいての課題を、注文が入ってから提供することで、より安心して好きなものを好きなだけ食べられるようにしてまいります。3つ目に、強力なマグネット商品となる商品の開発を行いました。連結子会社である株式会社あさくまサクセッションが運営するワヤン・バリ六本木店では、ランチタイムの目玉商品として、240グラムのハンバーグにライス及びスープ、ドリンクも付いた“ジャワハンバーグ”を税込980円で販売いたしました。粗利益率は通常の商品と比べ著しく低いですが、量でも価格でもお客様に驚いてもらう商品を提供することで、ランチタイムの客数が大幅に増え、2020年3月期第2四半期累計期間を超える売上高となっております。当社においても、マグネット商品を作り新規顧客層の拡大に取り組みました。一部店舗のみで販売しておりました見た目にも迫力のある300グラムの“BIGハンバーグ”サラダバー付きを税抜1,380円にて、全てのお客様におなか一杯食べてもらうため、全店舗に広げて販売を開始しました。一部店舗においては、250グラムの“ぶつ切りステーキ”サラダバー付きを税抜1,380円にて販売しております。また、ハンバーグの上に具を山盛りに盛り付けた“もりもりハンバーグ” サラダバー付きで税抜1,380円の販売を全店舗にて行い、サラダバーだけでなくお肉でも低価格でおなか一杯になってもらえるメニューの開発、提供を行いました。低価格・高原価率の商品の販売だけではなく、改めて、「ステーキといえばあさくま」と言われることを目指し、①アメリカでの格付けで最高ランクであるプライムランクの“リブアイ・ステーキ”を期間限定で販売、②一時グランドメニューからなくなり、お客様からまた食べたいと言われておりましたテンダーロインステーキを週末や期間限定で一部の店舗にて販売再開、③毎月の肉の日(29日)では、鉄板からはみ出しそうな1ポンド(453グラム)の厚切りサーロインステーキを販売するなど、メリハリのある商品・価格での商品政策を行っております。フェア商品におきましては、改めてすべてのスタッフがお客様に“商品の魅力をきちんと伝えられるようになる”をゴールにセールストレーニングを実施したことで、提供率が3倍になりました。また、どこの店舗でも、お客様にご利用してもらいやすくするために、一部のメニューに絞っていた店舗におきましても、他の店舗同様すべてのメニューを注文できるように変更いたしました。 新社長の下、これらの取組みを行ってまいりましたがまだ結果が伴わず、当社グループの当第2四半期連結累計期間における業績は、売上高が2,935,863千円(前年同四半期比20.2%増)、営業損失が29,918千円(前年同四半期は営業損失258,493千円)、経常損失が60,493千円(前年同四半期は経常利益257,078千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失が73,761千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益203,700千円)となりました。 また、当第2四半期連結累計期間における店舗展開につきましては、当社グループにおいて変動はなく、当第2四半期連結会計期間末現在における当社の店舗数は、直営店61店舗にFC店5店舗を加えて66店舗、株式会社あさくまサクセッションの直営店は10店舗で、当社グループの総店舗数は76店舗(FC店5店舗を含む)となっております。
(2) 財政状態の状況
(資産)流動資産は、前連結会計年度末に比べて679,229千円減少し、1,971,256千円となりました。主な要因は現金及び預金で465,874千円、未収入金で176,623千円それぞれ減少したことによります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて45,999千円減少し、1,180,190千円となりました。主な要因は有形固定資産で31,508千円減少したことによります。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて725,229千円減少し、3,151,446千円となりました。
(負債)流動負債は、前連結会計年度末に比べて547,118千円減少し、641,304千円となりました。主な要因は短期借入金で250,000千円、1年内返済予定の長期借入金で74,048千円、未払法人税等で138,548千円それぞれ減少したことによります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて74,142千円減少し、201,738千円となりました。主な要因は長期借入金で74,142千円減少したことによります。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて621,260千円減少し、843,042千円となりました。
(純資産)純資産は、前連結会計年度末に比べて103,969千円減少し、2,308,403千円となりました。主な要因は利益剰余金で73,761千円減少したこと、自己株式で30,722千円増加したことによります。この結果、自己資本比率は73.2%(前連結会計年度末は62.2%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の残高は1,531,218千円となりました。 当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果、得られた資金は87,261千円となりました。これは主に、税金等調整前四半期純損失58,693千円、減価償却費39,347千円、仕入債務の増減額53,657千円、法人税等の支払額162,641千円、助成金の受取額147,901千円を計上したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果、使用した資金は124,739千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出125,053千円、差入保証金の回収による収入10,214千円を計上したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果、使用した資金は428,397千円となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出250,000千円、長期借入金の返済による支出148,190千円、自己株式の取得による支出30,722千円を計上したこと等によるものであります。
(4) 経営方針・経営戦略等当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動該当事項はありません。
(7) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。