【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において判断したものであります。
(1)経営成績に関する説明
当第1四半期連結会計期間におけるわが国経済は、海外からの入国制限の緩和など社会環境の正常化を受けて個人消費や設備投資は継続的に持ち直し、企業収益も総じて改善されるなど景気に緩やかな回復基調が見受けられました。一方、原材料やエネルギー価格をはじめとした諸物価の上昇や地政学的リスクの高まり、中国経済の停滞などの景気の下振れリスクは存在しており、不確実性は極めて高く不透明な状況が続いております。
このような経済環境のもと、当社グループにおいては環境変化に機動的に即応し、効率性や採算性を考慮した社内体制の強化・整備を図り、利益重視の経営を推進いたしました。
この結果、当第1四半期連結会計期間の売上高は119億7千3百万円(前年同期比10.9%増)となり、営業利益は23億5千3百万円(前年同期比4.2%増)、経常利益は26億9千5百万円(前年同期比2.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は17億9千9百万円(前年同期比11.4%減)となりました。
① セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(セキュリティ機器)
セキュリティ機器につきましては、マンション向けの自社更新及び新規獲得が堅調に推移し、また官公庁や金融機関を中心に大型案件を獲得したことにより、売上高は36億1千4百万円(前年同期比4.9%増)、セグメント利益は14億7千9百万円(前年同期比3.1%増)となりました。
(カード機器及びその他事務用機器)
カード機器及びその他の事務用機器につきましては、カード機器の主要販売先である病院向けの営業活動が堅調に推移したことにより、売上高は7億4千5百万円(前年同期比7.5%増)、セグメント利益は1億7千万円(前年同期比9.4%増)となりました。
(情報機器)
情報機器につきましては、業務用カッティングマシンは販売先である企業の設備投資の持ち直しと半導体不足の影響が解消され回復しましたが、個人向けカッティングマシンが新旧製品交代の切り換え時期にあたり、売上高は39億5千3百万円(前年同期比1.9%増)、セグメント利益は3億3千7百万円(前年同期比30.4%減)となりました。
(設計事業)
設計事業につきましては、ゼネコンからの構造専門設計を安定的に受注したことにより、売上高は11億4千1百万円(前年同期比8.1%増)、セグメント利益は5千万円(前年同期比157.3%増)と堅調に推移しました。
(その他)
その他につきましては、売上高は25億1千8百万円(前年同期比46.3%増)、セグメント利益は3億7千2百万円(前年同期比170.5%増)となりました。
② 当第1四半期連結会計期間末の財政状態は次のとおりであります。
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて14億4千7百万円増加し、819億7千2百万円となりました。主な要因は、流動資産における現金及び預金26億5千4百万円減少、受取手形、売掛金及び契約資産12億3千3百万円増加、商品及び製品11億1千5百万円増加、その他に含めている未収法人税5億8千8百万円増加、固定資産における有形固定資産その他に含めている工具器具備品8億2千8百万円増加等であり、その増減の理由としては、情報機器事業における在庫の増加及び新製品製造に伴う固定資産の増加等が挙げられます。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べて14億2千3百万円増加し、146億7千6百万円となりました。主な要因は、流動負債における未払法人税8億2千6百万円減少、支払手形及び買掛金9億8千8百万円増加、賞与引当金4億2千1百万円増加、その他に含めている前受金5億8千2百万円増加等であり、その増減の理由としては、法人税の支払、在庫増加に伴う買掛金増加等が挙げられます。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて2千4百万円増加し、672億9千5百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益17億9千9百万円の計上、配当金21億3千1百万円の計上、円安に伴う為替換算調整勘定3億7千万円増加等であります。この結果、自己資本比率は81.7%と、前連結会計年度末の83.2%と同水準となりました。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1億7千5百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因
当第1四半期連結累計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因について、重要な変更はありません。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金は基本的に内部資金により充当しております。当グループは装置産業ではないため、多額の設備投資は必要ではなく、長期借入金による設備投資資金の調達は現在のところ必要でない状況となっております。
今後につきましては、当グループにシナジー効果をもたらすM&A等の資金や次世代のIoT関係への投資、あわせて株主の皆さまへの還元などにつきましても、必要に応じて実施してまいります。
当グループは基本的には、無借金経営を行いつつ内部留保を厚くすることが安定した経営に貢献するものと考えておりますが、成長に向けてのM&Aの強化の検討等においては、大型のM&A案件などにより多額の資金が必要となった場合は、長期借入も視野に入れてまいります。