【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において判断したものであります。
(1)経営成績に関する説明
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の第8波が懸念される中、日米当局の金利政策の影響による為替相場の乱高下、世界的インフレの高進、半導体部品を含む電子部品等の調達困難、欧米諸国及び中国の景気減速、さらにロシアのウクライナ侵攻長期化等により、先行き不透明な状況で推移しました。
このような経済環境のもと、当社グループにおいては環境変化に機動的に即応し、効率性や採算性を考慮した社内体制の強化・整備を図り、利益重視の経営を推進いたしました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は233億1千8百万円(前年同期比1.6%増)となり、営業利益は48億7千1百万円(前年同期比2.8%減)、経常利益は51億1千万円(前年同期比3.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は38億2千3百万円(前年同期比0.4%増)となりました。
① セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(セキュリティ機器)
セキュリティ機器につきましては、マンション向けの自社更新及び新規獲得が堅調に推移したことに加え、法人向け販売も好調であったことから、売上高は69億2千6百万円(前年同期比1.5%増)、セグメント利益は28億8千1百万円(前年同期比0.9%増)となりました。
(カード機器及びその他事務用機器)
カード機器及びその他事務用機器につきましては、カード機器の主要販売先である病院向け及び金融機関向けの営業活動が堅調に推移しましたが、米国孫会社のCard Technology Corporation、及び英国孫会社のNBS Technologies Limitedの株式を2022年6月にMatica Fintec社に売却した関係で、売上高は15億6千2百万円(前年同期比22.2%減)、セグメント利益は4億4百万円(前年同期比1.2%減)となりました。
(情報機器)
情報機器につきましては、半導体部品を含む電子部品等の調達困難及び小型カッティングマシンの主要販売先である欧米諸国の景気減速等の影響により、売上高は83億円(前年同期比3.9%減)、セグメント利益は11億6千2百万円(前年同期比16.8%減)となりました。
(設計事業)
設計事業につきましては、収益の中心が耐震診断から構造設計に移る中で、売上高は22億8千4百万円(前年同期比2.0%増)、セグメント利益は1億2千4百万円(前年同期比0.2%増)と堅調に推移しました。
(その他)
その他につきましては、売上高は42億4千3百万円(前年同期比30.6%増)、セグメント利益は2億3千3百万円(前年同期比9.5%減)となりました。
② 当第2四半期連結会計期間末の財政状態は次のとおりであります。
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて17億1千9百万円増加し、771億3千7百万円となりました。主な要因は、流動資産における現金及び預金10億2千万円減少、商品及び製品17億6千7百万円増加、受取手形、売掛金及び契約資産14億1百万円増加、その他に含めている未収入金22億3千万円減少、固定資産における投資有価証券14億4百万円増加等であり、その増減の理由としては、グラフテックにおける在庫の増加、M&A案件の対価である株式の受領等が挙げられます。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べて1億3千7百万円減少し、139億4千3百万円となりました。主な要因は、流動負債における未払法人税9億1千8百万円減少、支払手形及び買掛金7億5千3百万円増加等であり、その増減の理由としては、法人税の支払、在庫増加に伴う買掛金増加等があげられます。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて18億5千6百万円増加し、631億9千3百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益38億2千3百万円の計上、配当金16億5千7百万円の計上、前連結会計年度末比の円高に伴う為替換算調整勘定1億5千1百万円減少等であります。この結果、自己資本比率は81.6%と、前連結会計年度末の81.2%を上回る水準となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して14億6千7百万円減少し349億6千8百万円となり、これらに新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額4億4千5百万円を加え354億1千3百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2億8千4百万円(前年同四半期は33億5百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益52億5千6百万円、減価償却費4億3千7百万円、仕入債務の増加額8億3千4百万円等の資金の増加に対して、売上債権の増加額14億1千7百万円、棚卸資産の増加額21億1千4百万円、法人税等の支払額24億2千1百万円等の資金の減少があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は2千8百万円(前年同四半期は4億2百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入6億4千万円、関係会社株式の取得による支出3億4千1百万円、貸付による支出2億5千9百万円、有形固定資産の取得による支出2億4千5百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は16億5千9百万円(前年同四半期は11億7千7百万円の支出)となりました、これは主に、配当金の支払額16億5千5百万円の支出があったことによるものであります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、3億3千9百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因
当第2四半期連結累計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因について、重要な変更はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金は基本的に内部資金により充当しております。当グループは装置産業ではないため、多額の設備投資は必要ではなく、長期借入金による設備投資資金の調達は現在のところ必要でない状況となっております。
今後につきましては、当グループにシナジー効果をもたらすM&A等の資金や次世代のIoT関係への投資、あわせて株主の皆さまへの還元などにつきましても、必要に応じて実施してまいります。
当グループは基本的には、無借金経営を行いつつ内部留保を厚くすることが安定した経営に貢献するものと考えておりますが、成長に向けてのM&Aの強化の検討等においては、大型のM&A案件などにより多額の資金が必要となった場合は、長期借入も視野に入れてまいります。