【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の概況
①当期の経営成績の概況
(単位:百万円)
売上高
営業利益
経常利益
親会社株主に帰属する当期純利益
1株当たり当期純利益(円、銭)
当連結会計年度
12,795
2,320
2,290
1,482
72.70
前連結会計年度
10,624
1,652
1,604
1,073
52.60
前年同期間増減率(%)
20.4
40.4
42.8
38.1
38.2
当連結会計年度(2022年7月1日から2023年6月30日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症は5類感染症へ移行がなされ、外国人観光客の増加や各種イベントの開催が再開されつつあります。一方で国際情勢の不安や円安による物価高騰の影響があり、引き続き予断を許さない状況が続いております。
このような状況下で当社グループは、2023年3月17日に中期経営計画を発表しております。当該中期経営計画における中期ビジョン実現のため、Step1「すべての施設にWi-Fiを」、Step2「通信・再エネが作る未来インフラの実現」の2つのステップを軸に中期経営目標の達成に取り組んでまいります。
ホームユース事業は導入戸数が50万戸を突破、パートナー企業様も250社を超えました。特に新築案件の業績への貢献や利益率の高い案件の受注が進んでおります。そのため半導体不足や円安による機器の製造コストや回線利用料のコスト増加影響はあるものの、利益率も順調に推移いたしました。
ホームユース領域のマーケットは依然として開拓余地の大きい市場であり、IoT等のスマートホーム需要に対応したサービス等の新サービスの拡充も今後はさらに加速してまいります。
以上の結果、セグメント売上高9,600百万円(前年同期比17.9%増)、セグメント利益2,970百万円(前年同期比28.1%増)と増収増益になりました。
ビジネスユース事業におきましては、新型コロナウイルスによる影響も沈静化しつつあるため、商業施設向けWi-Fi、バスなどの交通機関向けWi-Fi、ホテル等の観光施設やイベント等の屋外向けWi-Fiサービスが回復傾向にあります。
また子会社である株式会社FG-Labでは得意先ごとの個別要望に対応した機器の開発案件を受託、当該機器の販売を行っております。
以上の結果、売上高1,512百万円(前年同期比21.5%増)、セグメント利益289百万円(前年同期比23.0%増)と増収増益になりました。
不動産事業におきましては、株式会社FGスマートアセット及び株式会社TMアセットにおいて不動産売買が業績に寄与いたしました。
以上の結果、売上高1,674百万円(前年同期比35.2%増)、セグメント利益136百万円(前年同期比130.5%増)と増収増益になりました。
その他事業におきましては、2021年7月1日に設立した連結子会社である株式会社オフグリッドラボの研究開発費の計上が主であります。
以上の結果、売上高は8百万円(前年同期は0百万円)、セグメント利益は1百万円(前年同期は△7百万円)となりました。なお、収益認識会計基準の適用による影響はありません。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高12,795百万円(前年同期比20.4%増)、営業利益2,320百万円(前年同期比40.4%増)、経常利益2,290百万円(前年同期比42.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,482百万円(前年同期比38.1%増)となりました。
②当期の財政状態の概況
前連結会計年度末
当連結会計年度末
増減率(%)
総資産
(百万円)
13,087
12,764
△2.5
純資産
(百万円)
3,279
4,758
45.1
自己資本比率
(%)
25.06
36.80
46.9
1株当たり純資産額
(円)
160.74
230.12
43.2
借入金の残高
(百万円)
6,500
4,622
△28.9
社債の残高
(百万円)
150
50
△66.7
(資産)
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度末比322百万円減少の12,764百万円となりました。これは固定資産が146百万円増加したものの、流動資産が469百万円減少したこと等によるものであります。
流動資産の減少は、現金及び預金が78百万円、売掛金210百万円、契約資産が19百万円増加したものの、販売用不動産が771百万円減少したことによるものであります。固定資産の増加は当社通信サービス提供用の通信設備が995百万円増加したものの、建物が377百万円、土地が209百万円、のれんが102百万円及び繰延税金資産が77百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末比1,802百万円減少の8,005百万円となりました。
これは主に、契約負債が320百万円、短期借入金が418百万円及び長期借入金(1年内返済予定含む)が1,460百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度末比1,479百万円増加の4,758百万円となりました。
これは主に利益剰余金が1,390百万円、非支配株主持分が42百万円増加したことによるものであります。
③当期のキャッシュ・フローの概況
(単位:百万円)
前期
当期
増減率(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー
2,295
4,296
87.2
投資活動によるキャッシュ・フロー
△2,626
△2,189
△16.6
財務活動によるキャッシュ・フロー
436
△2,027
-
現金及び現金同等物の増減額
107
78
△26.6
現金及び現金同等物の期首残高
2,196
2,303
4.9
現金及び現金同等物の期末残高
2,303
2,382
3.4
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は2,382百万円となり、前連結会計年度末比で78百万円増加しました。
当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は4,296百万円(前連結会計年度は2,295百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が2,171百万円及び減価償却費1,442百万円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は2,189百万円(前連結会計年度は2,626百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が2,413百万円及び有形固定資産の売却による収入254百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は2,027百万円(前連結会計年度は436百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入が728百万円となった一方、長期借入金の返済による支出が2,188百万円、社債の償還による支出が50百万円あったことによるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループで行う主な事業は、提供するサービスの性格上、受注から売上までの期間が短いことから、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における当社グループの販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前年同期比(%)
ホームユース事業
9,600
17.9
ビジネスユース事業
1,512
21.5
不動産事業
1,674
35.2
その他
8
25,892.9
合計
12,795
20.4
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2021年7月1日
至 2022年6月30日)
当連結会計年度
(自 2022年7月1日
至 2023年6月30日)
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
株式会社 USEN-NEXT LIVING PARTNERS
1,846
17.4
1,996
15.6
積水ハウス不動産東京株式会社
1,086
10.2
-
-
いちごオーナーズ株式会社
-
-
1,581
12.4
2.当連結会計年度における積水ハウス不動産東京株式会社と前連結会計年度におけるいちごオーナーズ株式会社の販売実績及び総販売実績に対する割合は100分の10未満であるため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析、検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容
当連結会計年度の業績は、売上高12,795百万円(前連結会計年度比20.4%増)となりました。売上原価は7,054百万円(前連結会計年度比21.9%増)、販売費及び一般管理費は3,421百万円(前連結会計年度比7.3%増)となり、営業利益2,320百万円(前連結会計年度比40.4%増)、経常利益2,290百万円(前連結会計年度比42.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,482百万円(前連結会計年度比38.1%増)となりました。
a. 売上高
売上高は12,795百万円(前連結会計年度比20.4%増)となりました。これは不動産販売が収益に大きく貢献したこと、また、小規模賃貸向けの新規サービス導入と継続サービス提供数が増加していることや新規パートナーの開拓による販路の拡大により、ホームユース事業の売上が堅調に伸張したことによるものであります。
b. 売上原価、売上総利益
売上原価は7,054百万円(前連結会計年度比21.9%増)となりました。これは主に、売上増加、円安や半導体機器不足による機器の製造コストの増加に伴う通信設備の減価償却費の増加及び通信トラフィックの増加による通信費の増加によるものであります。この結果、売上総利益5,741百万円(前連結会計年度比18.6%増)となりました。
c. 販売費及び一般管理費、営業利益
販売費及び一般管理費は3,421百万円(前連結会計年度比7.3%増)となりました。これは主に、事業規模拡大に伴い、人件費及び販売手数料等が増加したことによるものであります。この結果、営業利益2,320百万円(前連結会計年度比40.4%増)となりました。
d. 営業外収益、営業外費用及び経常利益
営業外収益及び営業外費用につきましては、重要な発生はありません。この結果、経常利益2,290百万円
(前連結会計年度比42.8%増)となりました。
e. 特別利益、特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益は24百万円(前年同期は0百万円)となりました。これは固定資産の売却益24百万円があったことによるものです。
特別損失は144百万円(前年同期比591.6%増)となりました。これは主に利用が終了した通信設備の除却損の計上及び減損損失の計上によるものであります。この結果、税金等調整前当期純利益は2,171百万円(前連結会計年度比37.1%増)となり、法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は1,482百万円(前連結会計年度比38.1%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概況 ③当期のキャッシュ・フローの概況」に記載のとおりであります。
b. 資金需要
当社グループの運転資金需要の主要なものは、売上高増加による仕入債務の支払いと売上債権の回収のサイトの差から発生するもの、通信機器及び販売用不動産などの棚卸資産の増加によるもの、及び有形固定資産である通信設備機器の取得に係る支払であります。その他、業容の拡大及び管理体制の充実による人件費の増加をはじめとした販売費及び一般管理費も資金需要増加要因の一つであります。
c. 財務政策
当社グループにおける増加運転資金につきましては、自己資金及び金融機関からの借入金により資金を調達することとしております。
③ 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積もりには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。
この連結財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表」の「注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、法的規制等様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当該リスクを分散・低減すべく、市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保育成し、ユーザーのニーズを的確に捉え最適な製品やサービスを最適なタイミングで提供してまいります。
⑤ 経営戦略の現状と見通し
当社グループは、ニッチな市場を自ら創出し、市場占有率を高めることによってプライスメーカーとなるという経営方針の下、ホームユース事業、ビジネスユース事業を中心に事業拡大に取り組んでまいりました。
当社グループ事業の継続的な発展を実現するため、今後も垂直統合型のビジネスモデルにより、パートナー企業を含めた営業体制を強化するとともに、サービス運用及び顧客サポートからのフィードバック情報に基づいた 新商品・新サービスの開発による差別化・高付加価値化の推進、Wi-Fiを活用した広告サービスの機能追加とマーケティングを強化し、さらなる拡販による事業拡大を図ってまいります。
これらの経営戦略方針の下、持続的な成長を目指すとともに、当社グループが成長・発展を指向する過程で、通信Wi-Fi市場の発展に寄与したいと考えております。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループが今後の業容を拡大し、よりよいサービスを継続的に提供していくためには、経営者は「第2事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために、経営者は常に各種ニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。
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