【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の売上高は6,168,316千円(前年同期比11.6%増)、営業利益は1,194,275千円(同18.3%増)、経常利益は1,312,572千円(同32.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は880,807千円(同32.9%増)となりました。
イ.売上高
新規顧客の獲得や既存顧客のサービス利用の受託業務が増加した結果、主にシステム利用料、健診事務代行サービスの処理件数、並びに特定保健指導件数が増加いたしました。また、健康保険組合の新規設立支援並びに既設健康保険組合からのBPOサービス等の受注が増加いたしました。
ロ.営業利益
経年に亘り継続してきたオペレーションの業務改善の結果による生産性向上を実現し、売上高営業利益率19.4%(前期比1.1%増)となりました。特に健診結果入力代行業務では、当連結会計年度では過去最高の月間処理件数を実現し、売上高の増加と労務費の削減に寄与いたしました。
ハ.経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益
前年度を上回る売上高、営業利益の増加に加え、投資有価証券売却益並びに受取配当金を営業外収益として計上したことによるものです。
ニ.財政状態
(資産の状況)
・流動資産は6,380,570千円(前連結会計年度末は6,569,700千円)となり、189,130千円の減少となりました。れは主に、現金及び預金が32,892千円増加したことと、未収入金が215,988千円減少したことによるものです。
・固定資産は10,401,269千円(前連結会計年度末は9,969,371千円)となり、431,898千円の増加となりました。これは主に、投資有価証券が355,860千円、無形固定資産合計81,504千円、敷金保証金50,914千円並びに繰延税金資産が41,633千円増加したことと、有形固定資産合計が79,497千円減少したことによるものです。
・これらの結果、総資産は16,781,839千円(前連結会計年度末は16,539,071千円)となり、242,767千円の増加となりました。
(負債の状況)
・流動負債は4,816,814千円(前連結会計年度末は4,523,670千円)となり、293,143千円の増加となりました。これは主に、預り金が417,060千円、未払法人税等114,526千円増加したことと、その他に含まれる未払消費税等が115,075千円、株式給付引当金が109,965千円並びに営業預り金88,902千円減少したことによるものです。
・固定負債は6,319,932千円(前連結会計年度末は6,743,302千円)となり、423,370千円の減少となりました。これは主に、長期借入金が507,148千円減少したことと、株式給付引当金が68,178千円増加したことによるものです。
(純資産の状況)
・純資産は5,645,093千円(前連結会計年度末は5,272,098千円)となり、372,994千円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益880,807千円を計上したこと、自己株式の処分等による資本剰余金が116,940千円増加したことと、自己株式を101,517千円取得したこと、その他有価証券評価差額金が115,059千円減少したことと、配当金434,098千円の支払によるものであります。
ホ.経営成績
当社グループは「健康経営銘柄」連続認定企業として、「健康情報のデジタル化と健康管理のインフラ企業」を事業ビジョンに、健康保険組合、企業、個人を対象に、自社開発したバリューカフェテリア®システムを用いた健康情報のデジタル化と健康管理・増進に関するサービスを2つの事業セグメントにより展開しております。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
〔バリューカフェテリア事業〕
健康保険組合の保健事業(福利厚生事業)の総合的な運営支援並びに企業の健康管理支援、福利厚生の省力化と健康経営の実施支援サービスを提供しております。また、当事業は健康管理に付随する事務代行サービス、並びに健診機関への業務支援サービス等で構成されております。
当連結会計年度は、新規顧客の獲得や既存顧客のサービス利用の受託業務が順調に増加いたしました。協業先との連携強化も拡大し、協業先数も25社となり、営業網の強化を実現しました。また、当社の従業員に対し、自社の健康管理サービスを取り入れた健康経営に取り組むことで、健康経営銘柄に連続選定を受け、この受賞も営業活動の後押しとなりました。その結果、新規顧客の獲得や既存顧客への健康経営の実施支援サービス等の受託業務の増加につながりました。
これにより、売上高は4,836,474千円(前期比11.3%増)、営業利益は1,732,306千円(同15.8%増)となりました。
〔HRマネジメント事業〕
健康保険組合の新規設立・分割・合併支援のコンサルティング及びBPOサービス等の業務で構成されております。
当連結会計年度は、前期に受注した健康保険組合の設立支援コンサルティングの継続対応に加え、新規設立並びに既設健康保険組合からのBPOサービス等の受注が増加いたしました。
これにより、売上高は1,331,842千円(前期比12.6%増)、営業利益は313,043千円(同11.6%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ267,108千円減少し、4,827,354千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,864,274千円(前年同期比62.8%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,318,435千円、預り金の増加額417,060千円、減価償却費310,178千円、未収入金の減少額215,642千円及び、未払又は未収消費税等の減少額115,090千円並びに法人税等の支払額316,166千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は1,119,446千円(前連結会計年度は472,130千円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出1,045,177千円、定期預金の預入による支出300,000千円、無形固定資産の取得による支出216,638千円及び有形固定資産取得による支出90,498千円並びに投資有価証券の売却による収入572,360千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、1,011,935千円(前連結会計年度は1,702,661千円の獲得)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出507,148千円及び、配当金の支払額434,103千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
ロ.受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
金額(千円)
前年同期比 (%)
バリューカフェテリア事業
4,836,474
11.3
HRマネジメント事業
1,331,842
12.6
合計
6,168,316
11.6
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、経営者の判断に基づく会計方針の選択と適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与えるような見積りが必要となりますが、その判断及び見積りに関しては連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しております。しかしながら、実際の結果は、見積り特有の不確実性が伴うことから、これら見積りと異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでございます。
19期(2019/12)
20期(2020/12)
21期(2021/12)
22期(2022/12)
23期予算
(2023/12)
売上高 (千円)
4,283,630
4,493,019
5,526,489
6,168,316
7,120,485
営業利益 (千円)
748,424
713,222
1,009,685
1,194,275
1,430,193
売上高営業利益率 (%)
17.5%
15.9%
18.3%
19.4%
20.1%
自己資本当期純利益率 (%)
22.8%
16.5%
16.1%
16.2%
15.7%
加えて、過去4年間の売上高営業利益率を見てみますと、15.9%~19.4%の高い水準で推移しております。また、株主資本(自己資本)をどれだけ効率的に運用して利益に結び付けているかを示す自己資本当期純利益率(ROE)も、過去4年間で16.1%~22.8%の間の高い水準で推移しております。
18期(2018/12)
19期(2019/12)
20期(2020/12)
21期(2021/12)
22期(2022/12)
総資産 (千円)
10,767,022
11,829,951
13,815,656
16,539,071
16,781,839
自己資本 (千円)
2,261,575
2,591,747
2,970,427
5,264,178
5,635,587
自己資本比率 (%)
21.0%
21.9%
21.5%
31.8%
33.6%
有利子負債 (千円)
5,840,405
5,844,937
7,149,006
7,126,182
6,629,055
有利子負債比率 (%)
54.2%
49.4%
51.7%
43.1%
39.5%
(注)有利子負債比率は、有利子負債依存度(有利子負債÷総資産)を示しております。
また、新事業用ビル『バリューHR代々木ビル』の取得を有利子負債の借入で行ったことなどから、有利子負債比率が高い水準となっております。
(今後の見通し)
「健康情報のデジタル化と健康管理のインフラを目指す」を事業ビジョンとして、引き続き、データヘルス計画・健康経営・働き方改革などの社会的需要を捉えた健康保険組合や企業向けの健康管理・健診関連事業の裾野を拡げてまいります。また、2022年8月より、弘前大学内に開設した共同研究講座「健康寿命延伸学講座」にて、弘前大学、東京海上グループと「健診データ」と「レセプトデータ」をもとにした「現状分析」業務をベースに、健康予測システムや重症化リスク予測システム等の開発・提供を目指してまいります。
今後も当社グループは、一人ひとりの健康寿命の延伸とウェルビーイング(well-being)の実現に向け、「バリューHRクレド」にも掲げております、お客様への絶対的なサービスの提供を続けてまいります。
これらの取り組みにより、2023年12月期の業績予想につきましては、売上高および各種利益は、前連結会計年度に比べて増加する見込みであります。
なお、上記に記載した事項は、現時点で入手可能な情報に基づき判断した見通しであり、業績予想の修正が必要となった場合には速やかに開示いたします。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ.キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しているとおりであります。
なお、重要な資本的支出の予定につきましては、「第3 設備の状況 3設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
ロ.資本の財源及び資金の流動性
a.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、強固な財務体質と高い資本効率を両立しつつ、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。
新事業用ビル『バリューHR代々木ビル』の取得に伴い、有利子負債が増えておりますが、返済完了後には強固な財務体質の実現を目指します。
設備投資に関しては、顧客需要を優先に考え、システム開発・保守に関する投資など、企業価値の向上に資する成長のための投資を中心に着実に実施してまいります。
b.経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、売上高の3ヵ月分を安定的な経営に必要な手元現預金水準とし、それを超える分については、「追加的に配分可能な経営資源」と認識し、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。
また、グループ各社の余剰資金を当社へ集中することにより、資金効率の向上を図ります。
c.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要は、システム開発・保守に関する投資、人件費、株主還元としての配当金などがあります。
d.資金調達
当社グループは、事業活動の維持及び将来の成長のために必要な資金について、安定的かつ機動的に確保することに努めております。
十分な手元流動性の確保、資本効率の向上を企図し、必要に応じて金融機関の借入の有利子負債を一部活用しております。
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