【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当企業グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、インフレや金融引き締め、中国における不動産市場の懸念の中、一部の地域で持ち直しが見られましたが、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
この状況下、当企業グループの業績は、国内メーカー向けが回復し、海外メーカー向けが堅調であったことから、自動車関連の売上高は増加しました。また、血糖値測定器向け及びカテーテル向けの販売も好調に推移し、医療関連の売上高も増加しました。しかしながら、産業機器関連、家電・住設及びOA機器関連の売上高は、メーカー側の在庫過多状況が継続し、販売が減少したことから、前年同四半期を下回りました。営業利益面では、円安相場、適切な生産コントロールを行えたことにより、売上高の減少影響を抑えることができました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は11,300百万円(前年同四半期比3.9%減)、営業利益は1,769百万円(前年同四半期比3.0%減)、経常利益は2,091百万円(前年同四半期比15.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,040百万円(前年同四半期比45.4%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(注)前連結会計年度末より、従来「中国」としていた報告セグメントの名称を「中華圏」に変更していま
す。当該変更は名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。
①日本
自動車関連の売上高は、国内メーカー向けの回復により、前年同四半期に比べ増加いたしました。しかしな
がら他の用途は、メーカー側の在庫過多状況が継続したことにより、前年同四半期に比べ減少いたしました。セグメント利益は、売上高の減少や海外子会社からの仕入金額が為替の影響を受けたことで収益性が低下し、前年同四半期を大きく下回りました。これらの結果、売上高2,476百万円(前年同四半期比10.4%減)、セグメント損失160百万円(前年同四半期はセグメント利益265百万円)となりました。
②中華圏
自動車関連の売上高は、一部日系メーカー向けが、日本から中国へ生産移管されたことに伴い販売が増加
し、前年同四半期に比べ増加いたしました。しかしながら、OA機器、産業機器及び家電関連は、メーカーの在庫調整や景気の減速等によって、前年同四半期に比べ減少いたしました。セグメント利益は、自動車関連の売上高増加、生産工場で適切な生産コントロールを行えたことにより、前年同四半期を上回りました。これらの結果、売上高4,085百万円(前年同四半期比6.1%減)、セグメント利益768百万円(前年同四半期比9.5%増)となりました。
③その他アジア
自動車関連の売上高は増加いたしましたが、家電・産業機器関連の減少が大きく、全体の売上高は、前年同
四半期を下回りました。セグメント利益は、比較的収益性のある自動車関連の売上高の増加、海外工場での生産性が向上したことにより、前年同四半期を上回りました。これらの結果、売上高2,815百万円(前年同四半期比7.7%減)、セグメント利益665百万円(前年同四半期比6.8%増)となりました。
④北米
医療関連の売上高は、血糖値測定器向け及びカテーテル向けが順調に推移し、自動車関連の売上高も、バッ
テリー冷却装置向け、インバーター向けが増加いたしました。セグメント利益は、主に医療関連の売上高増加が寄与し、前年同四半期を上回りました。これらの結果、売上高1,923百万円(前年同四半期比20.5%増)、セグメント利益511百万円(前年同四半期比23.8%増)となりました。
当第2四半期連結会計期間末日における財政状態は、総資産が前連結会計年度末と比べ、1,407百万円増加
し、27,401百万円となりました。各資産・負債の主な増減要因は、次のとおりであります。
①流動資産
流動資産は、前連結会計年度末と比べ1,184百万円増加し、20,809百万円となりました。
これは、主に現金及び預金、受取手形、売掛金及び契約資産の増加によるものであります。
②固定資産
固定資産は、前連結会計年度末と比べ223百万円増加し、6,592百万円となりました。
これは、主に有形固定資産の増加によるものであります。
③流動負債
流動負債は、前連結会計年度末と比べ430百万円減少し、4,284百万円となりました。
これは、主に短期借入金、一年内返済予定の長期借入金及びその他(未払金及び未払費用)の減少によるものであります。
④固定負債
固定負債は、前連結会計年度末と比べ147百万円減少し、2,187百万円となりました。
これは、主に長期未払金の減少によるものであります。
⑤純資産
純資産は、前連結会計年度末と比べ1,985百万円増加し、20,930百万円となりました。
これは、主に利益剰余金と為替換算調整勘定の増加によるものであります。なお、自己資本比率は76.3%と
なり、1株当たり純資産額は、1,840円88銭となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末
に比べ801百万円増加し、9,135百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,265百万円となりました(前年同四半期は、2,636百万円の収入)。これは主に税金等調整前四半期純利益1,614百万円、棚卸資産の減少額248百万円と役員退職慰労金の支払額633百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、96百万円となりました(前年同四半期は、302百万円の支出)。これは主に固定資産の取得による支出231百万円、定期預金の戻入額138百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、805百万円となりました(前年同四半期は、628百万円の支出)。これは主に長期借入金の返済による支出300百万円、配当金の支払額284百万円及びリース債務の返済による支出121百万円によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況
の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更
はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当企業グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題につい
て重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、469百万円であります。なお、当社グループの中
期経営計画では、技術開発力の強化を目的にグローバル開発拠点の拡大を進めており、今後その重要性が高ま
ることから、当連結会計年度より、研究開発活動の金額集計単位を当社グループ全体(前連結会計年度迄は当
社のみ集計)の金額としております。
また、当第2四半期連結累計期間における主な研究成果には、下記のものがあります。
極薄ガラス基板薄膜サーミスタセンサ(FT-R)の開発
超極薄のガラス基板上に薄膜サーミスタ膜を形成したセンサを開発しました。
製品厚み 0.07mm(今後 0.03mm まで対応予定)を実現することにより、狭小部への挿入も可能となり、既存品よりも高速かつ精密にセンシング可能。採用したガラス基板は、リサイクル可能であり、環境負荷が少ない。
開発したセンサは、例えば電気自動車のバッテリー、モーター等の性能を最大限に引き出し、エネルギーロスを削減するといったことが期待されます。
ワイドレンジサーミスタの開発
超低温環境で使用可能なセンサ構成材と封入技術を実現したことにより、
-200℃から+200℃(400℃の幅広い温度範囲)まで対応可能なワイドレンジサーミスタを開発しました。
対象となる超低温の領域は、例えば医療分野においては、コロナウイルス感染症で求められたmRNAワクチンや、再生医療等製品の保管で必要とされております。また、食品業界においても超低温冷凍技術の重要性が高まっており、美味しさの維持やフードロスの削減にも貢献することが期待されています。
(7)従業員数
当第2四半期連結累計期間において、前連結会計年度末に比べ160人増加し、当第2四半期連結会計期間の末
日現在の従業員数は3,657人であります。
セグメントごとに示しますと、日本210人、中華圏1,214人、その他アジア2,227人、北米6人であります。
また、従業員数は当企業グループから当企業グループ外への出向者を除き、当企業グループ外から当企業グ
ループへの出向者を含む就業人員数であります。また、臨時従業員(契約社員・パート・アルバイト)及び派
遣社員を除いております。
(8)主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、重要な設備の新設は、次のとおりであります。
なお、重要な設備の除却等は、経常的な設備の更新のための除却等を除き、計画はありません。
会社名
事業所名
所在地
セグメント
の名称
設備の内容
投資予定金額
資金調達方法
着手及び
完了予定年月
完成後の
増加能力
総額
(百万円)
既支払額
(百万円)
着手
完了
SEMITEC株式会社千葉工場
千葉市花見川区
日本
テーピング装置
30
-
自己資金
2023.7
2024.3
生産能力向上900万個/月
SEMITEC株式会社千葉工場
千葉市花見川区
日本
スパッタ装置
219
-
自己資金
2023.9
2024.11
生産能力向上1,200万個/月