【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、為替市場における急激な円安進行や部材不足、材料価格の高騰なども落ち着き、生産活動は回復傾向となってきたものの、日本国内の物価高や世界的な景気の先行き不透明感から、引き続き先行きの見えない状況が続きました。
一方、世界経済においても、各国におけるインフレ抑制政策の効果は徐々に現れてきたものの、引き続き先行き不透明な状況でした。米国では、経済状況は引き続き好調であったものの、急速なインフレを抑制すべく、相次ぐ利上げなどの金融引き締めで金融機関が破綻するなど、先行き不透明な状況となっています。欧州では、消費は回復傾向にあるものの、継続的な高インフレ状態により景気回復は不透明な状況でした。中国では、新型コロナウイルス感染症への規制がほぼ撤廃され、経済活動再開への期待感が高まりつつありましたが、米国との経済対立により緩やかな回復ペースとなりました。東南アジア/南アジアでは、生産活動は概ね回復傾向にありました。
こうした経済状況のもと、当社グループの主要顧客である日系メーカーでは、各国の経済活動への規制緩和により景気回復は進み、多くの顧客において引き続き生産活動は回復傾向となり、当社グループの取引においても、多くの国や地域で堅調に推移しました。
このような中、当社グループでは、各国で進む新型コロナウイルス感染症への規制緩和を受け、前期よりスタートしました新中期経営計画「CRVision 20+(Plus)」の目標達成に向け、引き続き“事業強化戦略”と“体制強化戦略”を両軸に様々な施策に取り組んでおります。事業強化では、新型コロナウイルス感染症への規制緩和を受け、新領域への挑戦として掲げている“NEXT10”において、プロモーション業務の取引が、日本国内および中国で拡大しております。体制強化では、引き続きフィリピンでの体制変更や事業整理などの収益改善を推し進めております。日本国内においては、コロナ禍で暫定的に対応してきた在宅勤務を正式に制度化することで、社員が業種や業務状況に応じて働き方を選択することが可能となり、更なる体制強化(業務改善と生産性向上)を推し進めております。
このような経済状況のもとで、当第3四半期連結累計期間の売上高は16,613,194千円(前年同期比18.1%増)、営業利益は1,391,249千円(前年同期比23.2%増)、経常利益は1,393,043千円(前年同期比16.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は767,727千円(前年同期比3.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、以下のとおりであります。
① 日本
取引先における部材不足による製品の納品遅延にともなう新製品の開発や販売への影響は一部あるものの、引き続きプロモーション業務の継続的拡大や主要顧客との取引は堅調に推移し、回復傾向となりましたが、海外子会社からのロイヤリティー(トレードマークフィー)の比率を引き下げたことで収益性は低下しました。
このような状況のもとで、日本では、当第3四半期連結累計期間の外部顧客への売上高は4,377,886千円(前年同期比0.7%増)、セグメント利益は345,894千円(前年同期比24.4%減)となりました。
② 中国地域
華東地区では、輸送機器関連の堅調な取引に加え、欧米メーカーを含めた医薬品関連の取引も引き続き堅調に推移しました。華南地区では、2022年12月末で閉鎖した東莞工場にかかる費用が当第3四半期連結会計期間でも一部発生しましたが、今後は完全商社化への完了にともない、収益も改善する見込みです。
このような状況のもとで、中国では、当第3四半期連結累計期間の外部顧客への売上高は3,663,219千円(前年同期比12.0%増)、セグメント利益は232,870千円(前年同期比31.0%減)となりました。
③ 東南アジア/南アジア地域
フィリピンでは、顧客の生産状況は回復傾向にある中、税制改正への対応として、販売価格への転嫁や不採算商品からの撤退などによる事業の見直しを進めていたところ、突如、2023年2月17日付の内国歳入庁(Bureau of Internal Revenue:BIR)の通達により、再びフィリピン子会社の国内仕入取引が付加価値税(VAT)の免除対象に該当することとなりました。これまで還付困難な未収VATの発生額に対して全額計上していた貸倒引当金は、VATゼロレート企業である証明書を取得した2023年3月6日以降は計上する必要がなくなりますが、引き続き体制変更や不採算商品の撤退などによる事業の見直しは継続していきます。インドネシアでは、引き続き生活用品やヘルスケア用品などの新事業分野の顧客との取引は順調に推移しており、収益も安定化しています。タイでは、全体的に顧客の生産活動は引き続き回復基調で、取引も安定しています。ベトナムでも生産活動は徐々に回復傾向にあります。インドでは、現地法人を設立して以来、黒字に転じました。
このような状況のもとで、東南アジア/南アジアでは、当第3四半期連結累計期間の外部顧客への売上高は7,084,288千円(前年同期比33.1%増)、セグメント利益は645,828千円(前年同期比215.2%増)となりました。
④ 欧米地域
米国では、主要顧客である輸送機器メーカーとの取引や新規翻訳事業の取引も引き続き堅調に推移しました。欧州では、玩具系電機メーカーとの取引が拡大していることに加え、半導体不足による生産調整の影響があった輸送機器メーカーも徐々に回復傾向にあります。
このような状況のもとで、欧米では、当第3四半期連結累計期間の外部顧客への売上高は1,487,800千円(前年同期比32.9%増)、セグメント利益は164,786千円(前年同期比22.3%増)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産合計)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は11,218,337千円となり、前連結会計年度末に比べ152,478千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が182,400千円、商品及び製品が128,765千円減少しましたが、売掛金が414,416千円増加したことによるものであります。
固定資産は6,922,860千円となり、前連結会計年度末に比べ359,671千円増加いたしました。これは主に繰延税金資産が225,842千円減少しましたが、有形固定資産が697,234千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は18,141,198千円となり、前連結会計年度末に比べ512,150千円増加いたしました。
(負債合計)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は7,123,334千円となり、前連結会計年度末に比べ863,823千円減少いたしました。これは主に短期借入金が442,157千円、未払金が321,730千円、未払法人税等が184,448千円減少したことによるものであります。
固定負債は3,813,642千円となり、前連結会計年度末に比べ1,008,516千円増加いたしました。これは主に長期借入金が976,624千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は10,936,977千円となり、前連結会計年度末に比べ144,692千円増加いたしました。
(純資産合計)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は7,204,221千円となり、前連結会計年度末に比べ367,457千円増加いたしました。これは主に為替換算調整勘定が201,868千円減少しましたが、利益剰余金が524,227千円増加したことによるものであります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、29,176千円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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