【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における世界の経済環境は、インフレの進行、各国の金融引き締め政策が継続しており、景気の先行き不透明感が高まっています。地域別に見ますと、米国においては、サービス業を中心に雇用と消費を下支えする一方、継続的な金融引き締めが製造業の経済活動を下押しし、景気に減速傾向が見られます。欧州においては、インフレの高止まりと継続的な利上げによりコロナ禍からの回復が頭打ちとなり、低成長が続くとみられています。中国においては、個人消費の停滞、不動産市況の悪化、リバウンド輸出需要の一巡により、景気は急減速しています。一方で、国内においては、賃金上昇によるインフレ圧力はあるものの、インバウンド需要の持続と個人消費の回復を中心に経済活動は活発な動きが継続し、製造業の景況感も改善、景気は緩やかな回復傾向にあるとみられていますが、各国の景気減速の影響が懸念されています。
このような状況のなか、当社グループは、2022年8月に公表した中期経営計画の基本方針の下、持続的な増収を基調とした安定収益基盤の確立による通期営業損益の改善を最重要課題として、収益性の改善、適正在庫運営、保有資産の圧縮・見直しなど、キャッシュ・フローを重視した施策を継続的に推進し事業構造改革に取り組んでおります。
中核事業の情報画像関連機器事業では、収益性確保を伴う持続的成長に向け、純正サプライの継続収益に繋がる日米欧市場に軸足のシフトを進めるとともに、ソフトウェア・サービスでの付加価値提供による差別化・ビジネスモデル革新を進めてまいります。
大判インクジェットプリンタ製品においては、多様なメディアに対応し高生産性と高画質を実現した新型フラットベッドUV-LEDプリンタ『XpertJet 1462UF』、環境規制の厳しい EU 圏における最新の化学物質規制を遵守し、作業者への健康、環境に配慮した次世代 UV インク『US61』の発売を開始します。従来のUVフラッドベッドプリンタにない新たなサイズ展開で新市場を開拓します。
3Dプリンタにおいては、教育、産業用途向けの2機種『MF-2200S』『ML-130』を市場投入し、さらに個人から企業まで幅広いニーズに対応した新製品としてエントリーモデルながらカーボン繊維入りフィラメントを使用できる『MF-900』の発売を開始しました。MUTOHは、国内3Dプリンタのリーディングカンパニーとして新たな市場の開拓を進めてまいります。
設計計測機器事業においては、3Dプリンタ製品との連携により、CADから3D出力までのトータルサービスを提供する「教育機関向けMUTOHパッケージ」として商品化し、国内におけるデジタル化教育のニーズに応えるソリューションとして販売展開しております。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は、前年並みに推移し42億60百万円(前年同期は42億58百万円)となりました。
営業利益は、継続した原価率改善の取り組み、原材料価格の高騰の一部を製品価格に転嫁する等により3億56百万円(前年同期比38.5%増)となりました。
経常利益は、営業利益に受取利息や持分法による投資利益などの営業外収益と為替差損など営業外費用の計上により3億46百万円(前年同期比61.9%増)となりました。
親会社株主に帰属する四半期純損失は、20百万円(前年同期は1億37百万円の利益)となりました。その主な要因は、7月12日に開示いたしました「持分法適用関連会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ」のとおり、当社の持分法適用会社である株式会社セコニックの保有株式全部を譲渡する意思決定をし、当該株式譲渡に伴う連結上の留保利益に対して税効果会計を適用したことなどによる法人税等調整額2億75百万円を計上したことによります。なお、当該株式譲渡は7月31日に完了しており、確定した譲渡益を通常の課税所得計算に含めて法人税等合計を算定する予定です。
当第1四半期連結累計期間の平均為替レートは、1ドル137.49円(前年同期比6.0%の円安)、1ユーロ149.57円(前年同期比8.2%の円安)に推移しました。
①財政状態に関する分析
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における資産は278億72百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億56百万円の増加となりました。
流動資産は182億25百万円となり、4億57百万円の増加となりました。その主な要因は、現金及び預金の増加3億64百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加1億円、棚卸資産の増加2億円、その他の流動資産の減少2億5百万円等であります。
固定資産は96億46百万円となり、98百万円の増加となりました。その主な要因は、建物及び構築物の増加35百万円、機械装置及び運搬具の増加6百万円、工具、器具及び備品の増加3百万円、投資有価証券の増加46百万円、退職給付に係る資産の増加5百万円等であります。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における負債は53億35百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億25百万円の増加となりました。
流動負債は37億34百万円となり、1億42百万円の増加となりました。その主な要因は、支払手形及び買掛金の増加20百万円、未払金の増加5百万円、その他の流動負債の増加2億98百万円、電子記録債務の減少13百万円、未払法人税等の減少66百万円、賞与引当金の減少1億2百万円等であります。
固定負債は16億1百万円となり、2億83百万円の増加となりました。その主な要因は、退職給付に係る負債の増加14百万円、繰延税金負債の増加2億79百万円等であります。なお、繰延税金負債の増加は、当社の持分法適用会社である株式会社セコニックの保有株式全部を譲渡する意思決定に伴い連結上の留保利益に対して税効果会計を適用したことによります。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産は225億36百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億30百万円の増加となりました。その主な要因は、配当金の支払い2億5百万円と親会社株主に帰属する四半期純損失20百万円の計上による利益剰余金の減少2億25百万円、その他有価証券評価差額金の増加23百万円、為替換算調整勘定の増加3億45百万円、退職給付に係る調整累計額の増加11百万円、非支配株主持分の減少24百万円等であります。
②経営成績の状況の分析
当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高は42億60百万円(前年同期は42億58百万円)となり、営業利益は3億56百万円(前年同期比38.5%増)、経常利益は3億46百万円(前年同期比61.9%増)となりました。親会社株主に帰属する四半期純損失は20百万円(前年同期は1億37百万円)となりました。
(売上高)
当第1四半期連結累計期間の売上高は、ほぼ前年並みに推移し売上高は42億60百万円(前第1四半期連結累計期間42億58百万円)で1百万円の増収となりました。
(営業費用)
当第1四半期連結累計期間の売上原価は24億98百万円(前第1四半期連結累計期間26億74百万円)で1億76百万円の減少となり、売上原価率は原材料の高騰による減益要因を継続した原価率改善の取組みと、一部価格に転嫁したことにより4.2%改善し、58.6%となりました。販売費及び一般管理費については販売環境の良化に伴う広告宣伝費、旅費交通費などの販売変動費の増加および労務費の増加などにより、14億5百万円(前第1四半期連結累計期間13億26百万円)で78百万円の増加となりました。
(営業外損益)
当第1四半期連結累計期間の営業外収益は53百万円(前第1四半期連結累計期間25百万円)で27百万円の増加となりました。主な要因は、受取利息と持分法による投資利益の増加によるものです。営業外費用は63百万円(前第1四半期連結累計期間69百万円)で6百万円の減少となりました。主な要因は、為替差損の減少によるものです。
(特別損益)
当第1四半期連結累計期間の特別損益については、前期当期ともに第1四半期においては、特段の事象の発生はなく、特別利益は-百万円(前第1四半期連結累計期間0百万円)で0百万円の減少、特別損失は0百万円(前第1四半期連結累計期間0百万円)で0百万円の減少となりました。
(法人税等)
当第1四半期連結累計期間の法人税等について、3億42百万円(前第1四半期連結累計期間54百万円)となりました。その主な要因は、7月12日に開示いたしました「持分法適用関連会社の異動(株式譲渡)に関するお知らせ」のとおり、当社の持分法適用会社である株式会社セコニックの保有株式全部を譲渡する意思決定をし、当該株式譲渡に伴う連結上の留保利益に対して税効果会計を適用したことなどによる法人税等調整額2億75百万円を計上したことによります。なお、当該株式譲渡は7月31日に完了しており、確定した譲渡益を通常の課税所得計算に含めて法人税等合計を算定する予定です。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
〔情報画像関連機器(アジア・北アメリカ・ヨーロッパ)〕
当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高32億95百万円(前年同期比0.2%増)、セグメント利益2億22百万円(前年同期比84.0%増)となり、原価率改善の取り組み等の収益構造改革、為替の円安による押上げもあり、前年同期に対して増収増益になりました。
地域別には、アジア地域は売上高9億36百万円(前年同期比4.8%減)、セグメント利益1億70百万円(前年同期比126.8%増)、北アメリカ地域は売上高9億74百万円(前年同期比1.2%減)、セグメント利益45百万円(前年同期比7.3%増)、ヨーロッパ地域は売上高13億85百万円(前年同期比5.1%増)、セグメント利益6百万円(前年同期比88.4%増)となりました。
〔情報サービス〕
当第1四半期連結累計期間の経営成績は、販売は堅調に推移し収益性の改善取組みにより増収増益となり、売上高5億86百万円(前年同期比5.0%増)、セグメント利益79百万円(前年同期比17.8%増)となりました。
〔設計計測機器〕
当第1四半期連結累計期間の経営成績は、販売は需要の減少と原材料価格の高騰により減収減益となり、売上高2億70百万円(前年同期比9.3%減)、セグメント利益25百万円(前年同期比14.2%減)となりました。
〔不動産賃貸〕
当第1四半期連結累計期間の経営成績は、所有不動産の一部を自社利用物件から賃貸物件へ転用したことにより増収となり、売上高58百万円(前年同期比7.3%増)、セグメント利益44百万円(前年同期比1.2%減)となりました。
〔その他〕
当第1四半期連結累計期間の経営成績は、減収減益となり、売上高48百万円(前年同期比17.7%減)、セグメント損失2百万円(前年同期は2百万円の損失)となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は2億3百万円となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。