【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界の経済環境は、インフレの進行、各国の金融引き締め政策等により、景気減速に対する警戒感が高まっています。また、長期化するウクライナ情勢をはじめとする地政学的要因、世界的な異常気象に対する対応など、先行きは不透明な状況にあります。地域別に見ますと、米国においては、物流リードタイムの改善など供給制約の緩和が進む一方、金利の引き上げを受けた需要の減少から企業活動は減速傾向が見られます。欧州においては、エネルギーの供給不安による資源価格の高止まり、賃金上昇圧力など生産コストの上昇が企業収益を圧迫し、景気は高インフレが重石となり回復に時間を要すると見込まれています。中国においては、ゼロコロナからウィズコロナへの政策転換が景気にプラスの影響を与える一方で、急激な感染拡大が各地で発生するなど、先行きは不透明な状況にあります。国内においては、サービス業をはじめとする非製造業の景況感に改善の動きが見られるものの、継続的な円安による原材料価格等の上昇は製造業や輸入企業の収益に影響を与え、経済の先行き不透明感は解消されていません。
このような状況のなか、当社グループは、開製販の革新による収益性の改善、適正在庫運営、保有資産の圧縮、固定費の抜本的見直しなどキャッシュ・フローを重視した施策に加えて、新製品による粗利構造改革を推進してまいりました。さらに、働き方改革に取り組むとともに、インターネットを活用した営業活動など新しい経営の姿を模索してまいりました。
大判インクジェットプリンタ事業においては、PRINTING United Alliance(米国印刷工業会)の主催する『2022 Pinnacle Product Award』 の11年連続受賞に続いて、デジタルプリンティング業界における最も信頼できるリソースを提供する企業として認識されているキーポイントインテリジェンス社により「クラス最高」と認められる『BLI Pick Award 2023』を当社のXpertJet 1641SR Proが受賞いたしました。MUTOHは、メイド・イン・ジャパンの高品質な製品の設計と製造、そして最高のサービスを誇りに、品質に妥協することなく、常に高い印刷品質、生産性、信頼性を最優先事項として製品開発に取り組んでいます。
設計計測機器事業ならびに3Dプリンタ事業においては、両事業間の新たな連携により、CADから3D出力までのトータルサービスを提供する「教育機関向けMUTOHパッケージ」を商品化、国内におけるデジタル化教育のニーズに応えるソリューションとして販売展開しております。また前期より両事業の主力製品の製造を外部委託先から自社の諏訪工場(長野県)に集約し、大判インクジェットプリンタを含む品質・生産管理や調達の一元化・生産の平準化により、品質の向上、コストの削減に向け改革を推進中です。
なお当社は、UV-LEDを核とした光源技術を応用し、インク硬化用・照明機器用・半導体製造装置用等の照射器や検査装置の企画・開発・製造・販売を行っているアンプスピード株式会社を4月に子会社としました。今後は、同社の保有する技術・ノウハウを製品価値の向上、市場競争力強化に繋げてまいります。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、一部主要部品の供給課題が継続し一部の製品出荷に影響が出たものの販売機会の損失を最小限に抑え、為替の円安による押上げもあり、125億32百万円(前年同期比7.7%増)となりました。
営業利益は、物流費と原材料の高騰による減益要因を為替の円安で相殺し、加えて、工場稼働の維持と継続した原価率改善の取り組み等により6億88百万円(前年同期比81.6%増)となり、前年同期に対して大幅増益となりました。
経常利益は、営業利益に受取利息、持分法による投資利益などの営業外収益と為替差損など営業外費用の計上により6億89百万円(前年同期比22.3%増)となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、法人税等の計上および非支配株主に帰属する四半期純利益の控除などにより4億68百万円(前年同期比48.8%減)となりました。左記四半期純利益の減少は、前年度において所有不動産等の売却による固定資産売却益6億78百万円の特別利益の計上があったことなどによります。
なお、当第3四半期連結累計期間の平均為替レートは、1ドル136.5円(前年同期比22.8%の円安)、1ユーロ140.6円(前年同期比7.7%の円安)に推移しました。
①財政状態に関する分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産は266億46百万円となり、前連結会計年度末に比べ28百万円の減少となりました。
流動資産は162億63百万円となり、33百万円の減少となりました。その主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産の減少2億26百万円、その他の流動資産の減少1億26百万円、現金及び預金の増加3億16百万円、棚卸資産の増加12百万円等であります。
固定資産は103億82百万円となり、5百万円の増加となりました。その主な要因は、工具、器具及び備品の増加57百万円、その他の無形固定資産の増加64百万円、退職給付に係る資産の増加16百万円、建物及び構築物の減少58百万円、投資有価証券の減少83百万円等であります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債は48億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億82百万円の減少となりました。
流動負債は33億11百万円となり、5億86百万円の減少となりました。その主な要因は、支払手形及び買掛金の減少35百万円、電子記録債務の減少94百万円、未払金の減少1億64百万円、未払法人税等の減少1億79百万円、賞与引当金の減少62百万円、その他の流動負債の減少46百万円等であります。
固定負債は15億36百万円となり、3百万円の増加となりました。その主な要因は、繰延税金負債の増加7百万円、退職給付に係る負債の増加3百万円、その他の固定負債の減少8百万円等であります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産は217億97百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億54百万円の増加となりました。その主な要因は、配当金の支払い1億59百万円と親会社株主に帰属する四半期純利益4億68百万円の計上による利益剰余金の増加3億8百万円、為替換算調整勘定の増加2億87百万円、退職給付に係る調整累計額の増加34百万円、その他有価証券評価差額金の減少1億3百万円等であります。
②経営成績の状況の分析
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高は125億32百万円(前年同期比7.7%増)となり、営業利益は6億88百万円(前年同期比81.6%増)、経常利益は6億89百万円(前年同期比22.3%増)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は4億68百万円(前年同期比48.8%減)となりました。
(売上高)
当第3四半期連結累計期間の売上高は、一部主要部品の供給課題が継続し一部の製品出荷に影響が出たものの販売機会の損失を最小限に抑え、為替の円安による押上げもあり、売上高は125億32百万円(前第3四半期連結累計期間116億33百万円)で8億99百万円の増収となりました。
(営業費用)
当第3四半期連結累計期間の売上原価は77億86百万円(前第3四半期連結累計期間75億66百万円)で2億20百万円の増加となり、売上原価率は物流費と原材料の高騰による減益要因を為替の円安で相殺し、加えて、工場稼働の維持と継続した原価率改善の取組み、また、販売の回復もあり2.9%改善し、62.1%となりました。販売費及び一般管理費については、販売環境の良化に伴う広告宣伝費、旅費交通費などの販売変動費の増加および労務費の増加などにより40億57百万円(前第3四半期連結累計期間36億87百万円)で3億69百万円の増加となりました。
(営業外損益)
当第3四半期連結累計期間の営業外収益は99百万円(前第3四半期連結累計期間2億31百万円)で1億31百万円の減少となりました。主な要因は、助成金収入の減少によるものです。営業外費用は99百万円(前第3四半期連結累計期間47百万円)で52百万円の増加となりました。主な要因は、為替差損の増加によるものです。
(特別損益)
当第3四半期連結累計期間の特別利益は4百万円(前第3四半期連結累計期間7億14百万円)で7億9百万円の減少となりました。主な要因は、前年度は不動産の売却による固定資産売却益の計上があったことによるものです。特別損失は0百万円(前第3四半期連結累計期間1億5百万円)で1億5百万円の減少となりました。主な要因は、減損損失の計上がなくなったことによるものです。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
〔情報画像関連機器(アジア・北アメリカ・ヨーロッパ)〕
当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高97億12百万円(前年同期比10.0%増)、セグメント利益3億98百万円(前年同期比84.7%増)となり、物流コストならびに原材料価格の高騰・部材供給課題が収益に影響を及ぼしているなか、前年同期に対して増収増益になりました
地域別には、アジア地域は売上高28億79百万円(前年同期比3.1%増)、セグメント利益2億88百万円(前年同期比72.2%増)、北アメリカ地域は売上高28億84百万円(前年同期比22.4%増)、セグメント利益78百万円(前年同期比291.5%増)、ヨーロッパ地域は売上高39億48百万円(前年同期比7.3%増)、セグメント利益31百万円(前年同期比11.7%増)となりました。
〔情報サービス〕
当第3四半期連結累計期間の経営成績は、販売は前年並みに留まりましたが収益性の改善により増益となり、売上高16億37百万円(前年同期比0.7%増)、セグメント利益2億1百万円(前年同期比28.0%増)となりました。
〔設計計測機器〕
当第3四半期連結累計期間の経営成績は、販売は堅調に推移したものの原材料価格の高騰などにより増収減益となり、売上高8億63百万円(前年同期比2.7%増)、セグメント利益82百万円(前年同期比34.1%減)となりました。
〔不動産賃貸〕
当第3四半期連結累計期間の経営成績は、所有不動産の一部を自社利用物件から賃貸物件へ転用したことにより増収となり、売上高1億64百万円(前年同期比9.7%増)、セグメント利益1億34百万円(前年同期比1.5%減)となりました。
〔その他〕
当第3四半期連結累計期間の経営成績は、減収減益となり、売上高1億53百万円(前年同期比17.5%減)、セグメント損失20百万円(前年同期は17百万円の損失)となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は6億18百万円となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
